独白

「スピリチュアル女子大生CHIE」おすすめのパワースポット「明治神宮」「宝物殿」に行ってみた

年末「おしかけスピリチュアル」という番組を見ていたら、「スピリチュアル女子大生CHIE」さんの存在に衝撃を受けた。
彼女は東野幸治が言うところのただの「ふっくらとしたシロート」ではなかった!

そして番組内で、明治神宮の宝物殿のあたりがすごいパワースポットだと指摘があったので行ってみた。
そういえば、足繁く明治神宮に通っている割に、宝物殿の方にはお邪魔したことがなかった。
それもそのはず、本殿の奥の奥の方に存在するソコは、原宿駅からの距離は1.5kmにも達する。
ちょっと気合いを入れないと歩けない。
しかし、そのおかげで本殿目当ての大勢の参拝客は足を伸ばさない。
本殿での参拝が終わった人々はそのまま原宿駅に引き返すか、清正井に寄るパターンだろう。
デートの合間のバリエーションとして寄ったカップルや、観光ツアーの一部で寄った中国人観光客には荷が重い。

さて、本殿でのお参りをすませ、宝物殿に向かう。
今までごった返していた人々の姿が急に消え失せる。
わずかにすれ違う人影はあるものの、どんどん独りになっていく。
ガサゴソ聞こえる木の葉の音の背後には必ず生物がいて、確認できたのは数種類の野鳥たちだった。
もはや出くわす生物は人間以外の方が圧倒的だ。
目に見えるものだけでも。

明治神宮の森

たかだか10分にも満たない距離を歩いて来ただけなのに、時間の感覚は全くなくなり、平日休日の区別はおろか現在、過去、未来の識別だって曖昧になってくる。

自分の属している矮小な社会などもはや存在さえ忘却の彼方。

このまま森に呑み込まれてしまうような気がする。

「神隠し」というニュアンスがなんとなく理解できるようになる。

玉手箱を開けてしまった浦島太郎の気分さえ味わうことが出来る。

そして日常というものが自分の周りから完全に消え失せてしまいそうな頃に、やっと「宝物殿」にたどり着く。

宝物殿

基本的には土日祝日しか営業していない。
なるほどと閉ざされた門の前に立ち案内を読んでいると、なんだかびんびん伝わるものがあるような気がする。
いかんせん、特殊能力のない「一般ピーポー」なのでうまいこと表現できないが、なにか澄んだものが胸を満たしていくような気がする。
なんかそういう体験は久しぶりで、しばらくそこに立ち尽くしてしまった。
かえって休館日であったおかげで、静かに味わうことが出来た。

ふと振り返ると正面に国旗掲揚台。
さらに国旗掲揚台のその正面に回ると、「さざれ石」の実物が存在している。
「君が代」の歌詞に出てくるあの「さざれ石」だ。
そうして「さざれ石」「国旗掲揚台」「宝物殿」が一直線に並ぶ光景を真正面から受け止める。
「宝物殿」の門の前にいたときより、さらに強力なものを感じる。

さざれ石

さざれ石2

国旗掲揚台

遮るものがない強力な日差しに現実に引き戻される。
周囲に意識を向けると、聞こえる人工的な音は、ヘリコプターの音だけだ。
人が芝生を歩く音が聞こえるくらい静かだ。
そしてまばらな人影。
僕と同じように目的を持って訪問し、強い眼差しと凛とした姿勢でいろんなものを受け止めようとしている人。
定期的な散歩コースにしているであろう矍鑠とした老人。
文字通り放牧されていると言って差し支えないであろう幼稚園児の群れ。
元気にはしゃぐ子供たちの声は、耳障りになることは一瞬たりともなかった。

しばらくそこのベンチに座り、姿勢を良くして鼻呼吸を繰り返す。
いんちきヨギーの僕には、僕のいんちきチャクラが開いたような気がした。

帰り道は原宿駅を選ばず代々木駅に向かった。
こちらの方が1kmと近いのである。

帰途に着くと思いのほか疲れていることに気がついた。
そこそこの距離を歩いているせいでもあるんだろうけど、やはり強いものを受け止めるにはそれなりの体力が必要なのだろうと思う。

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