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2017 Super Bowl 51 ホワイトジャージと「ほこ×たて」対決

51回目という新たな節目のスタートとも言える今年のスーパーボウル。
新たな門出にふさわしく史上7度目のNo. 1の守備と攻撃の対決になった。
今世紀になって以来ずっと王朝に居座っているペイトリオッツの年季の入った盾と、まだ何も持たざる者ファルコンズのフレッシュな矛。
その結果が出るのは、もうほんとにまもなくのことだけれど。

これまでの「ほこ×たて」対決は

No. 1オフェンスが勝ったのは、ただの一度きりだ。
それも、脂の乗り切ったジョー・モンタナと彼のウェポン達という伝説的なユニットの時だけ。今度こそはと意気込んだジョン・エルウェイの目の前で次々と重ねられるTDに、奪われたのはトロフィーだけではなかっただろう。
そうして、彼が初めてのソレを手にするまでには、しばらく時間がかかることになる。

最後の「ほこ×たて」対決となった2014でも、あわやペイトン・マニングが完封されてしまうのではないかという展開だった。
この対決の構図だけ見れば、圧倒的にNo. 1ディフェンスを有するチームが有利なのは明らかだ。
これまでは。

分析と予測

ホンモノの予測は、下記リンクの記事をどうぞ。
詳細な予測で読み応えがある。


ニューイングランドは、今季第3週以降、88%の時間が相手チームに対して点数でリード、12%の時間が相手チームと同点。つまり、シーズンを通じて、相手チームを追う展開になったことが全くない、先行逃げ切り型の試合運び。チャンピオンシップゲームでも、コイントスに勝って攻撃を選択し、第1シリーズで先制点を挙げてそのまま逃げ切り。ニューイングランドは、第1シリーズで得点を挙げるべく、相手の虚を突くことから成功確率が高く、エキストラヤードが狙えるプレーを使用する傾向があるが、スーパーボウルでも同様に先制点を狙ってくることは確実。

情報源: Touchdown Network – スーパーボウルゲームシナリオ

NFLも両チームの攻撃守備それぞれの一試合あたりの平均データを公開している。

Watch New England Patriots vs. Atlanta Falcons [02/05/2017] – NFL.com

New England Patriots vs. Atlanta Falcons on Feb 5, 2017. Watch video of the game, buy tickets, get stats & depth charts, game highlights, analysis, recap, and discuss with other NFL fans!

多くのデータは似たり寄ったりだが、その得失点に、今回の対戦の特徴が表れている。

ファルコンズ守備 vs ペイトリオッツ攻撃

どちらもレギュラーシーズン並みの力を発揮しても、大きく結果は変わらない。
TD4本前後を奪われたり奪ったり。
となれば、ここは勝負を分けるポイントにはならないだろう。

ファルコンズ攻撃 vs ペイトリオッツ守備

ファルコンズの一試合平均33.8得点。
ペイトリオッツの一試合平均15.6失点。

文字通りここにNo. 1の守備と攻撃の対決の構図が現れているんじゃないだろうか。
この対決で、これまで通りの力を発揮できるか、あるいは発揮させないか。
ここが勝負の分かれ目になるということだ。
ペイトリオッツの守備は、そこそこヤードを奪われている割に失点が少ない。
ということは、ドライブは許してもレッドゾーンに強いということなんだろうか。
ファルコンズの攻撃としては、レッドゾーンで確実にTDを上げることとともに、手前のゾーンから一発で持っていけると楽な展開になるのかもしれない。
TD3本以内に抑えられてしまうなら、またもリングはお預けになってしまうだろう。

ホワイトジャージ

選択権のあったファルコンズは、ホワイトジャージを選ばなかった。
この12年の間、ホワイトを選択したチームが負けたのは一回こっきりだ。
去年、選択権のあったブロンコスは、迷うことなくホワイトジャージを選択した。
そうして、マニングのラストロデオをハッピーエンドで完結させた。

Super Bowl 50 「なぜブロンコスはホワイトジャージを選んだのか」

どのジャージを着るかの選択権があったデンバー・ブロンコスは、迷わずホワイトジャージを選択した模様。 オレンジクラッシュといえば聞こえはいいが、それは大変にゲンが悪い色なのだ。 オレンジを着用したスーパーボウルでは、4戦全敗。 2つの勝利は、ネイビーとホワイトジャージでもたらされたもの。 ちなみに、ここ11年のスーパーボウルでは、ホワイトジャージのチームが10勝を挙げているようだ。 そうして今回の鍵を握るペイトン・マニングも、3回出場したスーパーボウルで勝利を挙げられたのは、ホワイトジャージを着用している時だけだ。

そういえば、もう坊やではなくなったイーライに2度も屈服させられたペイトリオッツは、そのどちらもブルーのジャージを身につけていたっけ…
ジャージの色のゲン担ぎの点からも、圧倒的にファルコンズが不利なのだ。
そう、これまでは。

これまでは、これまでは、これまでは!
もうそんなジンクスは関係ないんだぜ!
という誇り高いファルコンズの宣戦布告のようだ。
これまで自分たちが積み上げてきたものが、ジャージの色ごときに崩されるものかと。
自分たちがNo. 1の攻撃を作り上げてきたのは、No. 1の守備こそを打ち破るためなのだと。

51個目のリングは

大きな節目を終えて、新たな始まりとなる今年のスーパーボウル。
その勝者はジンクスを打ち破ったものだろうか?
それとも、またもジンクスに手厚く守られたものなのか?

当然そうに五本指を全て埋め尽くす世慣れたリングになるのか、それともウブに輝く一粒のダイヤを誇るものになるのか。
その答えは、もうまもなく知ることになる。

SUPER BOWL 50個のリングたち

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