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ジョー・モンタナのキャリアは16ヤードから始まった

ジョー・モンタナのNFL最初のTDパスは、奇しくも背番号と同じ16ヤードだったらしい。
NFLの往年のレジェンド達のキャリアハイライトフィルムに、満を持して我らがクール・ジョーが登場。

神様と人間の間で

登場するシーンは、どれも見慣れたものばかり。
何度目かの観光名所をバスでまわっているように、おなじみ感が満載。
それほどの、殿堂中の殿堂の、選手であるという証でもあるのだが。
まだ2ミニッツでの逆転劇が珍しかった時代、ひょうひょうとそれをやってのける彼のプレイはマジックと言われ、対戦相手には「神とは言わないが、少なくとも人間とその間の中間の存在」と言わせた。

レナード・マーシャルのサック

華々しいマジックの場面はおいといて、僕が強烈に印象に残っているのはNFCのチャンピオンシップでDEレナード・マーシャルがお見舞いしたQBサックだ。
NFLではQBが危険だからオプションプレイを使わないんだぜという話を、それまで僕は話半分で聞いていた。
カレッジでは使っているのに、プロになったからって急にタックルのレベルがあがるもんでもないだろ?
そんなにリスクが増えるもんかねぇ…と。
しかし、極東の島国のシロウトの浅はかな考えは、彼のヒット一発で吹き飛んだ。
DL1枚のただ一度のサック。
それは、オフェンスのプレイを壊すどころか勝敗まで決定づけ、さらには日の当たる道にいた魔法使いを日陰に引きずり込んでしまった。
NFL初の三連覇が確実と言われていた49ersを一発で沈めたヒットは、その後のモンタナのキャリアからも光を奪ってしまった。

はじめてパスラッシュというものの重要性と恐怖を目の当たりにし、パスの成否だけではなく直接的身体的な恐怖と戦わなければならないあのリーグのQBという仕事を肌で感じることになった。
そして、そんな重圧の元、どんな場面でも冷静だった彼に、またまた敬服することとなった。

勝利には92ヤードのドライブでTDが必要であったがモンタナは冷静でチームメートのハリス・バートンに「(エンドゾーンの)向こうにジョン・キャンディ(コメディアン)がいるぞ。」[7]と語るなど冷静であった。

情報源: ジョー・モンタナ – Wikipedia

未練なく引退したと思っていたけど

まだFAが珍しかった時代、KCチーフスに移ったモンタナは、レイダースから移ってきたマーカス・アレンとバックフィールドを形成して、僕らの胸を高鳴らせた。
そのころはそんな夢の組み合わせ、プロボウルでしか、いやカンファレンスの違いでプロボウルでもお目にかかれなかったのだから。
そうしてあっさりと引退した彼に現役への執着など全く見えず、らしいなぁと思ったものだ。
そうでなかったのを知ったのは、つい最近のことになる。

どれだけ覚悟ができていて、これが潮時だと思っていても、辞めた瞬間に、『なぜ辞めたんだ。現役を続けるべきだった』と思うはず。カンザスシティ・チーフスで現役を引退した私自身、翌季が始まったらすぐにそう思ったよ。

http://www.nfljapan.com/headlines/57582.html

しなやかな動きでヒラヒラ舞いながら、決して豪腕ではないのに、涼しい顔してスパッとパスを通す。
険しい顔して怒号を張り上げるばかりのQBが目につく昨今、こうした存在は消えてしまったあの美しい名前を持つスタジアムのように、もうお目にかかれないのかもしれない。

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