NY市では、公衆電話をWi-Fiスポットにする計画が進行中!
これは現在も進行中の、街の公衆電話の新しい使い方を募集するコンテストに寄せられたアイディアのひとつ。
しかも、かなり現実味を帯びているようだ。
NYには、街のいたるところに約1万1,000台の公衆電話があります。今回のプロジェクトではそのうち最大で1万台に新たなハードウェアを導入し、1台で周辺25メートルをまかなうWi-Fiスポットを作り出す予定。Wi-Fiの運営費用は広告から得ます。
これは、僕も以前ぼんやりと浮かんだ思いつき。
多少アレンジしたカタチで、実現されるとありがたい!
1.Wi-Fi大国と言われる日本の実情
日本は、その設置数から見れば、世界有数のWi-Fi大国であるらしい。
なお、BUZZAP編集部で携帯各社に最新のWi-Fiスポット数(2014年5月時点)を問い合わせてみたところ、携帯3社だけでブラジルや中国を上回る85万スポットを展開し、世界シェアの2割を占めていることが明らかに。
NTTドコモ:15万
KDDI(au):24万
ソフトバンク:46万
携帯電話会社にとどまらず、コンビニエンスストアなどもWi-Fiスポットの展開に乗り出していることや、人口および国土を考えると、これほどWi-Fiスポットが密集している国はそうそう無いのではないでしょうか。
引用元: 実はWi-Fi大国の日本、世界で最も公衆無線LANスポットの整備が進んでいることが明らかに | BUZZAP!(バザップ!).
しかし、現実的に使用できる質を伴ったものはどれほどだろうか?
電波は拾って表示されるものの、キャリアの壁で使用できなかったり、登録に手間がかかったり、使える品質が伴っていなかったり…
だから僕は、ほとんどお世話になっていない。
唯一、使っているのは、StarbucksのWi-Fiくらいだろうか。
だから世界有数のWi-Fi大国と言われてもピンと来ない。
2.計画的に共同で
NY市では、運営費用を広告費から捻出しようとしている模様。
しかし、このプロジェクトには、ニューヨーク市民にブロードバンドを使えない層にも提供できる、市民みんなが使うことができるという利点がある一方で、金銭的な問題も否めないといいます。サーヴィスを安定して提供できるように、広告収入を確保せねばなりません。このプロジェクトのために、市は少なくとも年間1,750万ドル(17億7,000万円)の広告費を確保せねばならず、まずはその方法を確立するのが先決。
Wi-Fiスポットの拡充は、携帯会社にもメリットが有る。
ABIリサーチのアナリスト・Marina Luさんはモバイル回線のデータ通信量が2013年の2万3000ペタバイトから、2018年には19万ペタバイトまで膨れ上がることを挙げた上で「Wi-Fiは携帯会社とモバイルユーザーの双方に費用対効果の高い方法であり、3G/4Gモバイルインターネットの負荷を軽減するのに役立ちます」とコメント。
引用元: 実はWi-Fi大国の日本、世界で最も公衆無線LANスポットの整備が進んでいることが明らかに | BUZZAP!(バザップ!).
この2つのコメントを見ると、ひとつのアイディアが浮かぶ。
携帯会社の共同出資で、計画的にWi-Fiスポットを設置したらどうだろう?
もう、キャリアの契約にオマケでついてくるWi-Fiスポットの無料使用権は、競合優位点にはなりえない。
負荷軽減だけでもメリットがあるのなら、そのための投資と割りきるべきではないだろうか。
しかも、競合の結果として乱立させるのではなく、共同負担で計画的にきちんと使える高品質なWi-Fiスポットを設置するのであれば、コストパフォーマンスは高いはず。
そのことによって、ユーザー側は、無用な広告にさらされたり、メールアドレスを差し出したりという面倒から解放される。
本当に使える質を伴ったWi-Fiスポットが容易に使えるのなら、通信容量制限が本格化した現在、積極的に活用されるはずだ。
3.スマホの充電ステーションとして
公衆電話は、災害時の電力供給源としての機能もあるようだ。
ネタ元のDoITTは、ハリケーン・サンディの自然災害時に、公衆電話から電気を得ることができたという例をあげています。公衆電話は通常の電力もとではなく、電話回線から電力を得ていることから、災害時の緊急電気ソースとなるというのです。今後、Wi-Fiスポット兼緊急電力という立場を築けば、運用費用もなんとかなるかもしれませんね。
iPhoneのアドレス帳がなければ、僕は誰にも連絡できない。
イマドキ、必要な連絡先を暗記している、あるいは別途アドレス帳を持ち歩いているというひとはどれくらいいるのだろう?
災害時、公衆電話が生きていたとしても、連絡先がわからなければどうにもならない。
公衆電話からiCloudにアクセスして呼び出すことができれば問題ないが、それはしばらく無理そうだ。
だとすれば、スマホの充電機能を持たせて欲しい。
もちろん、時間制限を設けてかまわない。
フル充電とはいかなくても、せめてアドレスを確認できるくらいに復活できれば充分だ。
4.AEDもつけちゃえば!?
Wi-Fiスポットも増殖したが、AEDも急速に普及している。
しかし、普及はしているものの、利用率は上がっていない。
理由のひとつに、設置場所のわかりづらさがあるようだ。
「非常口やトイレに誘導する表示は多いが、AEDは設置場所にしか表示がない。これではAEDにたどり着けない。低利用率の一因です」と国士舘大学院 救急システム研究科の田中秀治教授。
引用元: 解禁10年、普及は進んだが少ない市民のAED活用設置方法、啓発に課題 医療新世紀 – 47NEWS(よんななニュース).
公衆電話に必ずAEDもついている!ということになれば、見つからないという事態はおこりにくくなるんじゃなかろうか。
AED設置場所検索も可能だが、一分一秒を争う事態で、検索はやはりまどろっこしい。
使い方がわからずとも、電源さえ入れれば、あとは音声で指示してくれるAEDの機能があれば、見つけることさえできれば、心強い味方になってくれる。
5.インフラボックスとして
携帯電話の普及と、音声通話自体が人々の習慣から消えつつある今、電話機としての存在理由はあまり見いだせないかもしれない。
しかし、アレコレの機能を盛り込んだ、通話もできるインフラボックスとしてならこれからも必要だ。
2020 TOKYOオリンピックを迎える中で、きちんとデザイン、整備して欲しい。
そしてそれが、東京のみならず、広くひろがっていくといいなぁ…