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007 ノー・タイム・トゥ・ダイ観た人のためのレビュー(6)「飛ばない戦闘ヘリ アストンマーティン DB5」

THROWBACK TO GOLDFINGERの宣言通り、そのフルハウスの仕掛けを余すことなく披露してくれたアストンマーティン DB5。
著しく向上した戦闘力に、それはクルマというより飛ばないだけの戦闘ヘリのようだった。
しかし、僕にとって最もインプレッシブだったのは、もうひとつのボンドカーのほうだ。

解説するのは、特殊効果スーパーバイザーのクリス・コーボールド。 007シリーズの15作品に関わるボンドカーを知り抜いた重鎮。 彼の気になるメッセージ「THROWBACK TO GOLDFINGER.」とは?

情報源: 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ 「アストンマーティン DB5を特殊効果スーパーバイザーが解説」 | ALOG

爆雷をばら撒き、スモークを焚き、フルハウスの仕掛けで一瞬で敵を殲滅するアストンマーティン DB5。
著しく向上した戦闘力の秘密はメインウェポンにある。
ヘッドライトに隠されているのは、機関銃なんて牧歌的なものではない。
そこにあるのはバルカン砲だ。

GE M134 Minigun

現役の戦闘機や艦艇に搭載されているM61 バルカンをスケールダウンしただけのもの。
最高で毎分6,000発という発射速度を持ち、戦闘ヘリやハンヴィーに搭載されている。

こんな代物を2問も抱え込んだアストンマーティン DB5は、ただ飛ばないというだけで、その戦闘力は戦闘ヘリ並み、いやそれ以上かも知れない。

だが僕にとって、戦闘力も大幅に向上したボンドカーの中のボンドカー、アストンマーティン DB5よりもインプレッシブだったのは、もうひとつのボンドカーのほうだ。

A new image has been released which reveals the Aston Martin cars to be featured in Bond 25. They include the Aston Martin DB5, Aston Martin V8 both of which have appeared on screen in previous James Bond films, and the new Aston Martin Valhalla.

情報源: Aston Martin Bond 25 Cars | James Bond 007

いやいや、アストンマーティン ヴァルハラではない。
あのハイブリッドカーは、まだまだ風洞実験中なのか、ラボに置いてあっただけだ。

アストンマーティン V8

久しぶりに公的な機関に顔を出すためにタイドアップしたジェームズ・ボンド。
そのお供をするのがアストンマーティン V8。

情報源: 「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」ポスター解禁と3台のボンドカーそして勝手にP365 SAS | ALOG

ティモシー・ダルトンが初めてそれに乗って登場した時、あんまりパッとしないクルマだなぁという印象を持った。

しかし今の僕には、DB5よりイカして見える。
派手さのない顔つきながら、英国初のスーパーカーと呼ばれる実力を持っているあたりも渋い。
僕も歳を重ねることで、その好みのサイクルも何周目かに差し掛かったのだろう。

もし僕に経済的余裕があれば、すなわち退役後のボンド中佐のように、ただ釣りを楽しむだけで暮らしていけるのならば、手に入れたいのは、このクルマだ。
しかしいいクルマに釣り合わない男が乗っていることほど不幸で滑稽なこともない…

余談ながら、ボンドのガレージの奥には、あのブルドッグが無造作に放置されていた。
前任者のMが残してくれたそれは、遺品がわりの大切なもののはずなのだが。
ま、ボンドらしいと言えばボンドらしい。

史上初のボンドカー

アストンマーティン V8には、以前のような仕掛けはなかった。
いや、装備されていたけれど、披露するタイミングがなかっただけかも知れないが…

情報源: Focus Of The Week: Aston Martin V8 | James Bond 007

その代わり、ボンドカー史上初の大役を与えられることになった。
なにしろ、ジェームズ・ボンドの娘を乗せた初めてのボンドカーなのだ。
DOHCのV8エンジン付きのゆりかごで、お父さんの物語を聞くなんて、いかにもボンドの娘らしい。
ただ、父親の口から直接それを聞けないことは、とても残念なことではあるけれど…

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