ラシャーナ・リンチが演じる現職の007 ノーミは、女性特有の切れ味の良さで、とってもインプレッシブだった。
そんな彼女が作戦に使用した銃も、スパイらしいテイストをしっかりと盛り込んだものだった。
Glock 17 (FAB Defense KPOS Glock to Carbine Conversion)
情報源: File:KPOS G17.jpg – Internet Movie Firearms Database – Guns in Movies, TV and Video Games
Glock 17を手軽にストック付きのカービンに変換できるキットを装着したもの。
さらにサプレッサーとレーザー照準器のようなものが装着されている。
まだ自分のダブルオーのコードナンバーを疑わずにすんでいる頃のキューバの作戦で使用していた。
思えばこの銃は、スペクターの冒頭でジェームズ・ボンドも使用していたものだ。
情報源: File:Spectre lrc-2.jpg – Internet Movie Firearms Database – Guns in Movies, TV and Video Games
となれば、我らがQuartermasterのお眼鏡にかなったMI6の正式装備品なのだろうか?
手持ちのハンドガンにカスタムパーツを組み合わせてパワーアップするなんて、まだソ連が存在していた頃のスパイガジェットを彷彿とさせてくれて、とても懐かしい。
そう、0011ナポレオン・ソロの銃身を切り詰めたワルサーP38のように…
情報源: File:ManFrom-Custom2.jpg – Internet Movie Firearms Database – Guns in Movies, TV and Video Games
このキットは市販されているようだ。
流石に我がニッポンのAmazonでは手に入らないが、同種のものは販売されている。
ノーミのドライな優雅さ
Bond and Nomi have to work together in #NoTimeToDie but can they get along? pic.twitter.com/HCWVkgHIQz
— James Bond (@007) November 10, 2021
そこいらのマティーニなんかよりキリッとした味わいの、女性にしか出せない切れ味の良さ。
ドライな優雅さに溢れる彼女は、とてもインプレッシブだった。
円熟のダブルオーエージェントに肩を並べようとするのなら、やわな若い男なんかより、よっぽどおあつらえ向きだ。
最新のアストンマーティンのシートに座っても決して力負けせず、数々の伝説を残したであろう先輩の元中佐にも、しっかりと釘を刺してみせる。
そんな彼女が子供っぽく不安定になるのは、ジェームズ・ボンド中佐の正式なダブルオーエージェントへの復帰が決まった時だ。
彼女の心配事はただひとつ。
どちらが007のコードナンバーを保有するのか?
笑い事ではない。
もしあなたがニューイングランド・ペイトリオッツの若いQBで、ようやく背番号12を手に入れたところで、トム・ブレイディが復帰すると耳にすればどう思うだろうか?
だが、彼女には、客観的な実力評価のもとに敬意を払うという謙虚さもあった。
ボンドガールの一員なんかじゃなく、まさしく新007だった彼女の物語も、もう少し見てみたい。
それにはきっとMも同意見だろう。
彼女には、対象を捕捉すると、捉えるか消去するかをルール通りに上司に確認する律儀さもある。
それは、上司に一言も告げずにメキシコでビル一つを爆破するような前任者が、全く持ち合わせていないものなのだから…