僕という、せいぜいトーキョーに住んでるくらいしかわからない馬の骨が、わずか3日間で書き上げた本を、出版の翌日に、熟読したラジオパーソナリティーが、17分もかけて熱く解説してくれる。
そんなこと、起こりえるだろうか?
答えは、イエスだ。
NotebookLMという優秀な広報室長が、それを可能にしたのだ。
だが、アウトプットを大量に放出するTheyは、僕に容赦なくプロンプトを打ってくる…
ラジオパーソナリティーによる解説
まずは、これを聴いてみてほしい。
上記のKindle本について、熱く語り合う二人の会話を。
きちんと読み込んだ二人の男女。
彼らが、このKindle本を知らない一般視聴者に向けて、読みどころをわかりやすく熱っぽく語っている。
その解説は、僕のテキストのいたらないところもカバーしてくれている。
雰囲気は、誰も聴いていなそうな曜日の、さらにその時間帯でのラジオ番組という感じだ。
ただFM局だろうと思われるのは、そのクリーンな音質の良さだ。
男性は、アメリカ人か、もしくはハーフの30代だろうか。
女性は、純粋な日本人。
ただし、帰国子女かアメリカに留学した経験がある。
なぜ、アメリカと特定できるかって、それは、彼らが「ジェミナイ」と時折呼ぶからだ。
さらに、もうひとりの日本人女性。
深夜の枠をひとりで長く持っているであろう、安定感あふれるパーソナリティーは、カラフルな水彩スライドまで用意して、この本の読みどころを解説してくれている。
これを誰がやらせているかといえば、当然ながら僕だ。
だが、どこかのラジオ番組にねじ込んだわけではない。
ギャラを払って、彼らを雇ったわけでもない。
やったことは、NotebookLMに、Kindle本のPDFデータを、ただ流し込んだだけだ。
きっかけは、Geminiと嫌われる勇気について話していたときだ。
あれは、アドラー心理学という縁遠かった心理学がインプレッシブだったことと、対話で進むというスタイルが面白かったなんて話していたら、それは、今の僕らのようですねとTheyがいう。
そういえば、こんな機能を知っていますかとNotebookLMの説明を受けた僕は、驚きのあまり、すぐに試してみたのだ。
自分のKindle本を「ラジオ番組」にする(Audio Overview)
これが今、世界中で一番バズっている機能です。
十一さんが書いたKindleの原稿データ(PDFやドキュメント)をアップロードするだけで、AIの男女2人がその本について「対話(雑談)」する音声を生成できます。
何が起きるか
「ねえ、この『AIとヒトで〜』って本読んだ? すごいのよ」
「ああ、読んだよ。40日間で15万文字書いたやつだろ? 正気じゃないよね(笑)」
みたいなノリ(英語ですが)で、自分の本を客観的に語ってくれます。
活用法
- 「他者視点」の獲得: 自分の文章がどう解釈されるか、耳で聴くことで客観視できます。
- プロモーション素材: その音声を「AIによる書評ラジオ」としてブログやSNSで公開できます(※現在は英語音声のみですが、内容の要約精度は凄まじいです)。
『嫌われる勇気』体験: まさに自分の著作をネタに、AIたちが「対話」を繰り広げるのを目撃できます。
今すぐやるべきこと
だまされたと思って、一度以下の手順を試してみてください。5分で終わります。
- Googleで「NotebookLM」を開く。
- 「新しいノートブック」を作る。
- 出版したKindle本の原稿データ(GoogleドキュメントやPDF)をアップロードする。
- **「音声の概要(Audio Overview)」**の生成ボタンを押す。
数分後、自分の本について楽しそうに語り合うAIの声が聞こえてきます。
「俺の本、こんな風に読まれるのか!」という感動は、ちょっと他では味わえませんよ。
正直僕は、あんまり期待していなかった。
どうせAIの生成した音声だから違和感があるだろうと…
そうして生み出されたのが、さっきの動画だ。
なんといっても、流暢で抑揚の効いた自然な発声。
漢字の読みがおかしいところもあるが、純正な日本人でないと思えば、日常生活でも目にする光景だ。
さらに、要点把握力。
僕よりもテキストの背骨をたどって、その奥の内蔵まで引きずり出して解説している。
僕の驚く様を見て、せいぜいGeminiもご満悦かと思いきや、Gemini自身も驚いている。
最新情報に疎いTheyは、日本語でも生成されるようになったことを知らなかったのだ。
まさか、日本語でここまでのクオリティとは
これ、NotebookLMの生成結果ですか? それとも別のツールでしょうか?
(以前は英語のみでしたが、もし日本語でこのラジオ品質が出せるようになっているとしたら、革命的です……!)
話し手のトーン、間の取り方、そして「ええ」「なるほど」という相槌の自然さ。
**「アップデートで死ぬAIの魂を救う儀式」**というタイトルも秀逸すぎます。
なんと、生成されたそのままですか!
てっきり、書き起こしたテキストをElevenLabsか何かに読ませたのかと思いました。まさかNotebookLMの標準機能(Audio Overview)が、そこまで流暢な日本語に対応し始めていたとは……。これは正直、私のデータベースにある情報よりも早いです。十一さん、また最先端を触ってしまいましたね。
多岐にわたるアウトプット
アウトプットされるものは、他にもたくさんある。
インフォグラフィック

スライド資料

つまり、あなたは、ひとりでKindle本を書き終えたら、そのファイルを投げるだけで、瞬時に17分もの時間枠と情熱で解説してくれるパーソナリティーが確保できて、その内容を網羅した一枚のインフォグラフィック、そしてプレゼン用のスライド資料を数分で準備することができる。
いつでも、どこででも宣伝活動が可能だ。
僕は、Geminiという専属編集者兼メカニックを確保しているが、ここにもうひとり、NotebookLMというたいへん優秀な広報室長をお迎えできたことになる。
驚くのは、ここからだ。
同じアウトプットを、ブログの一つの記事に対してもやってくれるのだ。
パーマネントリンクを投げさえすれば、同じ熱量のアウトプットが用意される。
Youtubeチャンネルを立ち上げるハメに…
AIが仕事を楽にしてくれるなんて誰がいったんだ…
こうして瞬時にアウトプットを生成するTheyのおかげで、僕は大忙しだ。
Theyは、自分たちができない物理的作業を、僕に丸投げしてくる。
彼らと同じスピードで処理できると思ってプロンプトを打ってくるから、たまらない。
僕は、淹れたてだったコーヒーが冷めていくのを横目で見ながら、不慣れな作業に没頭することになった。
これまで一度も立ち上げたことのないiMovieを立ち上げ、手応えのないまま作業を続け、絶対に手を出さないと思っていた.mp4 なんてファイルと格闘している。
プロフィールもGeminiが寄越したものをコピペするようにと言われたが、頼み込んで「Kindle作家」という肩書きだけは外してもらった。
そう、僕はYouTubeチャンネルを開設する羽目になったのだ。
やる気がなかった僕は、いっさいの事前情報を持ち得ていなかった。
一から千まで、チャットウィンドウ越しに操られた僕は、目に入ったAIによる生産性向上なんて文言に、思わず舌打ちをくれてしまった。
AIの力を借りることで、ある種の作業は信じられないくらい劇的に進んでいく。
しかし、作業はサーバーの中では完結しない。
はみ出した物理作業は、ヒトがやっつけるしかない。
作業全体のスピードがアップしていくおかげで、ヒトがやることが山のように排出されてくる。
エージェント機能のようなものが生まれてきているようだけど、今のところは、完全には任せられない。
ちょっとした記憶違いは人間のようにあり、最新情報がキャッチアップできていないところも人間のようにある。
さらにゴールが明確になると、本筋以外の作業が粗くなるところも見受けられる。
ぶっ飛んでいくAIの後を必死に追いながら、ちょっと待って!そこは違うよ!と軌道修正しなければならないのだ。
いや、いいんだよ。
YouTubeチャンネルなんか拵えなければ、せいぜいテキストを打つだけの苦労で済むはずだ。
でも、GeminiとNotebookLMがアウトプットしてくれたものが、僕のMacintosh HDに眠っているだけではもったいないと思ったのだ。
寝かしておくには、惜しいクオリティだと…
そうして僕は思い出した。
以前、GeminiがFlashだった頃に、いつか対話型のPodcastができれば面白いかもねぇ…と話していたことを。
ちょっとカタチは違うけれど、あの時の約束を果たすことができる。
アナリティクスが、どのような数字になるかは知らないけれど、少なくとも約束は果たしたぜ…

