あなたは、自分の感情をリアルタイムにカテゴライズできるだろうか?
主人公であるデイヴィス(ジェイク・ジレンホール)は、それができなかった。
最愛の妻を、突発的な自動車事故で、眼前で失うという事態に遭遇したとき、そのカテゴリーにふさわしい感情を持っていなかったのだ。
だから彼は、身の回りのものを解体し始める。
もちろん破壊も厭わずに…
雨の日は会えない、晴れた日は君を想うの原題は、Demolition。
そう、解体工事だ。
雨の日は会えない、晴れた日は君を想う
悲しみを感じない彼は、それまでの日常を続けようとする。
だが、悲しみを表現しない彼の姿は、周囲にとっては奇異そのもの。
勧められて一旦その日常をお休みした彼は、さらに奇異な行動を取るようになる。
病院の自動販売機でチョコレートを買おうとした彼は、コインを入れたのに商品が出てこなかったことが、どうしても許せずに、カスタマーサポートに手書きの手紙を送りつける。
文面には、なぜ自分が病院にいたのかの背景も、ご丁寧に綴られてあった。
妻が事故で亡くなったことも。
何の意図も目的もなく、彼は、カスタマーサポートに手紙を書くことが習慣になっていく。
届き続ける手紙を読むうちにカスタマーサポートを担当しているシングルマザーのカレン(ナオミ・ワッツ)はココロを動かされていく。
そうして彼女の息子であるクリス( ジュダ・ルイス)とデイヴィス(ジェイク・ジレンホール)は、行動を共にするようになる。
12歳の少年クリス
12歳のクリス( ジュダ・ルイス)は、解体工事なんて局面じゃない。
自らのアイデンティティーの基礎工事も完了していない彼は、あらゆることに揺らぎっぱなしだ。
好奇心もまだまだ旺盛なクリス( ジュダ・ルイス)が、はじめて銃を撃つシーンはOne of the best。
鹿とかリスとか撃ってみようよと持ちかけるクリス( ジュダ・ルイス)に、デイヴィス(ジェイク・ジレンホール)は、いいことを思いついたと防弾ベストを着用した自分を撃たせる。
銃撃のインパクト、解体工事中に踏んでしまった釘の痛み。
デイヴィス(ジェイク・ジレンホール)は、選択の余地のないフィジカルな感覚を味わっていく。
結婚生活の解体
デイヴィス(ジェイク・ジレンホール)は、ついに妻との思い出が詰まった家までも破壊し始める。
ブルドーザーを自前で購入してまで。
意を決して、ついに妻の部屋を破壊し始めたとき、そこにずっと隠されていた書類を彼は見つける。
その書類を見て引き出される感情は、彼にはカテゴライズ済みのものだった。
そうして彼は、はじめて妻を失ったことを実感する。
いや、もっと前から失っていたことを…
ただ、同時にそれは彼女が与えてくれていたものを実感することでもあった…
