リーバイス・スタジアムのロゴ隠しとマルボロ・マクラーレンの残像

今年、第60回の記念大会となるスーパーボウルというビッグイベントを終えたばかりのリーバイス・スタジアムは、一息つくまもなく、今度はサッカーW杯という大役を果たすことになった。
大会期間中は、ネーミングライツが制限されることに伴い、一際目を引くロゴマークもぴっちりと覆われることになった。

僕は、F1の世界にタバコ広告規制が押し寄せた頃の、マルボロ・マクラーレンを思い出していた。

サンフランシスコ・ベイエリアスタジアム

ネーミングライツの制限に伴い、大会期間中、リーバイス・スタジアムはサンフランシスコ・ベイエリアスタジアムと呼ばれることになる。
ニューヨーク・ニュージャージー・スタジアムと並んでぼんやりしたエリアの呼称に落ち着いたのは、スタジアムの所在地がサンタクララだからだろうか。

NFLより歴史の古いFIFAのレギュレーションに従い、もともと天然芝のスタジアムながら、違う種類の天然芝に張り替えている。

Levi’sのロゴ隠し

そうして問題なのが、あのアイコニックなロゴだ。
スタジアムの名称は、すぐに言い換えることができるけれど、あのどでかいロゴのディスプレイは、誰の目にも飛び込んで来る。

しかし、FIFAは取り外せとはオーダーしなかったようだ。
それは覆い隠すというのが折衷案になったようだ。
だから、アイコンとしては、誰の目からも拝めるようになっている。

Levi’sの公式Instagramアカウントも、これに連動するようにアイコンを変更。

マルボロ・マクラーレン

2006年にF1でタバコ広告が全面的に禁止されまでの10年ほどは、開催地によって、その対応が分かれていた。
法規制のない国では、従来通りのフル広告。
しかし、フランス、ドイツ、イギリスなどの「タバコ広告禁止法」が成立した国では、その表示方法が制限され、ロゴを完全な形で表示することができなかった。

HondaのF1マシンをご紹介。Hondaとともに歴代F1グランプリを戦ってきたマシンたちのストーリーを掲載しています。初優勝のRA272やアイルトン・セナが乗ったHonda MP4/4など。

1992 McLaren Honda MP4/7A|F1マシン Powered by Honda|F1|Honda

対象国の開催時には、ロゴを消したりバーコード表示にしたり…

ただ、そのロゴがなくても、そのアイコニックな赤白のカラーリングで、それは誰が見てもマルボロだと認識することができる。
ある種、アイコンをミニマライズすることに成功したとも言える。

そうして、それは本体のデザインにもフィードバックされて、商品化されている。
限定などではなく、通常の定番品として…

世界最大手のタバコ会社フィリップ モリスの主力ブランド「マールボロ」。そのマールボロのパッケージが60年振りにリニューアルされた。よりシンプルに生まれ変わった、このデザインは学ぶことの多いリニューアルのお手本である。

マールボロのデザインはなぜシンプルになったのか? | 販促会議

「赤と白の三角形(シェブロン)」のロゴなんて、他には存在しない。
そういう意味では、制限付きの広告は、マルボロには何らデメリットではなかったはずだ。

Levi’sのロゴは、そのBATのアウトラインだけで認識されるほどの力は、持っていないんじゃないだろうか。
だから、まだまだ2頭のワークホースには、休んでもらうわけにはいかないだろう。

File:Levis logo 1892.png – Wikimedia Commons

そうして、HONDAのロゴが消えたあと、この「赤と白の三角形(シェブロン)」も、ついに見かけることは無くなった。

だが、タバコメーカーは、F1への広告を一才行っていないのかといえば、そうではない。
フィリップ・モリス・インターナショナルとフェラーリのスポンサーシップは、継続しており、さらに延長されることになっている。

Scuderia Ferrari HP is pleased to announce the extension of its historic partnership with Philip Morris International (PMI), opening a new chapter in one of the longest-standing collaborations in the world of sport, now spanning more than half a century.

Scuderia Ferrari HP extends its partnership with Philip Morris International

商品はOLD SCHOOLな紙巻きタバコではなく、ニコチンパウチブランド「ZYN」ということになるらしい。

ときの法規制や時代環境がもたらす予想外のケミストリーには、オツなものがあるよね。
リーバイスの大戦モデルだって、これほどに人気を博すことになるとは、80年前には思いもしなかっただろうなぁ…

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