クリーンなオールホワイトは、NFLで大流行中。
そうしてニューヨーク・ジェッツも、新たなホワイトヘルメットを公開した。
だが、今、ニューヨークでホットなのは、ヘルメットの色ではない。
Jets White Out Uniforms
New York Jets | White Out Uniforms
過去にも、ホワイトヘルメットはあった。
しかし、あれは、遠い昔の輝かしいジョー・ネイマス Eraのもの。
復活したSack Exchange Logoがホワイトヘルメットに輝くのは、今回が初めてのことになる。
NFL 2024 ニューヨーク・ジェッツ 新ユニフォームを発表「The Logo is Back!」 – ALOG
しかし、今あらためて、ジョー・ネイマス Eraの、第3回スーパーボウルの状況を省みると、相当な衝撃だったんだろうね。

1968 – Jets vs. Colts
Super Bowl III – “The Guarantee”
“It was the most important Super Bowl ever played.” – Brent Musburger
老舗のNFLのチャンピオンと、出来上がったばっかりのAFLなんていうところのチャンピオンで最強決定戦をやろうなんて、ちゃんちゃらおかしな話だった。
1回、2回と連続でNFCが当たり前にチャンピオンになったところで迎えた第3回。
負けてばっかりのAFLの若造QBが、自分たちの勝利を予告したのだ。
しかも、俺が保証するとまで言い放った。
現在のメディア、SNSの状況だったら、どれほどにバッシングされただろうか…
だが、その予告通り、その若造QBはチームを勝たせ、AFLに初のタイトルをもたらした。
NFL100年の歴史でもベストゲーム第6位にランクされ、スーパーボウル史上最大のアップセットと言われる所以だ。
僕も、今の記憶をまっさらにして、当時にタイムスリップできたら楽しめるんだろうね…
ちょっと脱線が長くなってしまった。
大変クリーンで好みのヘルメットではあるが、今もっともホットな話題は別にある。
そう、彼らのホームスタジアムの話だ。
#WorthTheCost
彼らのホームスタジアムであるメットライフ・スタジアムは、FIFAワールドカップ北中米大会の会場となり、決勝戦まで行われた。
FIFAの公式スポンサー以外は一切のマーケティング活動ができないという厳格なルールを受け入れ、ネーミングライツも我慢して、ニューヨーク・ニュージャージー・スタジアムという呼び名に対応した。
なぜニューヨークをつけるんだという批判もあるかもしれないが、このルールに従えば東京浦安ディスニーランドと呼ばなければならないところを、浦安だけ脱落させて東京だけを残したアレよりは良心的だというべきだろう。
そして彼らが、粛々と受け入れたものが、もうひとつある。
それは、人工芝を撤去して天然芝に入れ替えること。
NFL選手の、実に92%が望んでいる天然芝のスタジアム。
張り替えるだけだったら、選手会も、ただただ歓迎のコメントを出しているはずだ。
だが、このサッカーのお祭りが終わったら、直ちに人工芝に戻すというから、騒ぎが大きくなっている。

NFL選手会が問う:1ヶ月のための天然芝と17試合のための人工芝 – ALOG
NFLの選手たちが望みながら、ずっと天然芝を敷こうとしないオーナーの言い分は、そのコストだった。
導入費用は天然芝の方がずっと安い。
しかし、維持する手間と費用が、人工芝に比べて膨大になる。
しかも、手間とお金だけかければいいということでもない。
天然芝には、しっかりと休息も与えてあげなければならない。
ニューヨーク・ニュージャージー・スタジアムも、決勝戦が開催される前は、きっかり2週間のお休みをとっていた。
しかし、満を持して迎えた決勝戦の後に、あんな暴力行為が起きるとは、バミューダ・グラスも、さぞや残念な気持ちだっただろう…
あんなことが起きるたび、オスカー・ワイルドの言葉を思い出す。
ラグビーは紳士によってプレイされる野蛮人のゲームである。
フットボールは野蛮人によってプレイされる紳士のゲームである。
もっとも、アメリカンフットボールは、野蛮人による野蛮なゲームとも言われるが…
つまり、稼働時間も限定されることで収益も制限され、維持管理に手間と金がかかる天然芝は、コストに見合わないとNFLのオーナーの半分が宣言しているようなものだ。
だから、選手は反論するのだ。
Worth The Cost.
選手の安全を思えば、それはコストに見合うもののはずだと。
契約期間中、見合った働きをしてくれるチェスの駒としてみるのか、それとも、ひとりの男の人生との交わりとみるのか、そんなことが、この問題に向き合う姿勢で浮き彫りになるような気もする。
日本でも、たかが新聞記者あがりの男が、「たかが選手が!」と発言したことがあった。
結局のところ、興行主とエレファントマンという関係性は、不変のままなのだろうか。
その冷たい興行主の行うゲームとは、一体どんなゲームなのだろう…
