『俺のこと、なんか言ってた?』がNetflixで配信開始となっていた。
一度、成功を極めた男が、強制的にそれを奪われることによって、もう一度、追体験できるラグジュアリーなゲームと言えるのかもしれないね。
「俺のこと、なんか言ってた?」
ワクチンの副反応
「彼を知らない日本人はいない」と言われるほどの大物俳優・高瀬川玄を世間が忘れてしまった理由は、シンプル。
そこには魔法もミステリーも、一切存在しない。
COVID-19を上回るパンデミックの発生により、またも人々はワクチンを接種することとなった。
そのワクチンの副反応による記憶障害が発生し、特定の人物が記憶から消し去られてしまったのだ。
だから、全人類が忘れてしまっているわけではない。
ワクチン未接種の人々は、その記憶を残している。
さらに、忘れ去られた有名人は、彼だけではない。
その忘れ去られた実在の有名人が、ご本人役で登場している。
ご本人役で登場している俳優は、他にも数人いらっしゃって、その表現方法に、そんなにいじって大丈夫?と心配になる。
おそらくリアルな仲の良さと信頼関係が、そうした表現を可能にしているのだろうね。
内輪にいたら、業界内にいたら、もっとその皮肉も面白さも理解できたかもしれない。
シロウトの僕は類推するしかないのだけれど、そんな匂いが立ち込めている。
さらに登場する劇中公演が、実際に下北沢で4日間も公演されていたらしい。

役所広司が主演を務め、宮藤官九郎が脚本を担当するNetflixシリーズ「俺のこと、なんか言ってた?」(2026年世界配信開始)の劇中公演「誰も知らない大物俳優」が、26年1月28日~2月1日に東京・下北沢のザ・スズナリで実際に上演されることがわかった。
宮藤官九郎・脚本のNetflixシリーズ「俺のこと、なんか言ってた?」劇中公演をザ・スズナリで上演 主演は“誰も知らない大物俳優”? : 映画ニュース – 映画.com
役所広司が、「本当に公演やっちゃえばいいのに」とぽろっと発した一言から実現に至ったようだ。
高瀬川玄
そもそも昭和の大スターを父にもつ高瀬川玄。
だが、彼が成功したのは、決して親の七光りだけではないということを痛感する。
エキストラに挑戦することになった彼は、存在感を消すことができない。
ただ背景の一部となって、歩いたり、改札を通り抜けることができないのだ。
そこに、どうしても、アクがまとわりつく。
この男は、それが悔しくて、改札を通り抜ける練習を重ねるのだ。
誰に指図されたわけでもなく。
さらに、新たに道を切り拓いてくことを覚悟した彼は、芸名を新たにし、もはや過去の名前にこだわらないのだ。
こうしたバイタリティがあれば、過去の仕事の実績などなくても、いつでも彼は成功を手にすることができるだろう。
ただし、それを見つけてくれる誰かさんの存在はマストだけれどね。
結果的に、高瀬川玄は、もう2度と味わうことのできないはずだった、成功するかどうかわらないというワクワクドキドキのゲームを、もう一度体験できたことになる。
それは、彼にとって、最も幸福なことであったんじゃないだろうか。
しかも、前のターンで犯した失敗の轍を踏むこともなく…
それにしても、キャストが隅々までいい感じだったなぁ。
松山ケンイチと磯村勇斗が、殊更インプレッシブだったということを末尾に記しておこう。
