Apple TV『Eternity』が突きつける究極の二択:やり直しのきかない残酷なアフターライフ

自分なんて天国には行けないだろうなぁ…

そう思っていたあなたに、良い知らせがある。
たとえ、あなたがどんな罪を犯していようとも、どんな悪人であろうとも、死後の世界では、あなたは自分好みの楽園で永遠の生命を楽しむことができる。
しかも、楽園の選択にあたっては、あなた専用のパーソナルコーディネーターも当てがってもらえるのだ。

Apple TVオリジナルのエタニティは、そんな舞台のロマンチックなコメディだ。
だが、そのカテゴライズに、僕は異議を唱えたい。
笑っていられるのは最初のうちだけだ。

なぜなら、あなたが選択する楽園は、決して変更することはできない。
「永遠」の人生を送る場所を、相手を、あなたは1週間の間に決定しなければならないのだ…

Eternity — Official Trailer | Apple TV

長い人生をまっとうし、魂が永遠を過ごす場所を決めるための分岐点に辿り着いたジョーン( エリザベス・オルセン)を待ち受けていたのは、彼女の少し前に亡くなった、生涯を共に過ごした夫のラリー(マイルズ・テラー)。

だが、若くして死別した最初の夫、ルーク(カラム・ターナー)も、彼女の到着を待ち受けていた。
朝鮮戦争で戦死して以来、実に67年間もの間…

そうして彼女は、苦渋の決断を迫られることになる。
決して変更することのできない、「永遠」の人生を共に過ごす相手を、どちらにするのかという選択を…

AC アフターライフ・コーディネーター


ラリー(マイルズ・テラー)は気づくと列車の中にいた。
どうやら彼は、ジャンクション、つまり分岐点と呼ばれる場所に来たみたいだ。

だが、誰も詳細は教えてくれない。
口を揃えていうのは、あなたのACが、まもなくやってくるから!
それだけだ。

Eternity – Apple TV Press

ようやく現れた、AC アフターライフ・コーディネーターであるアナ(ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ)から、その、アフターライフの仕組みが初めて伝えられる。

人は死ぬと、この分岐点に到着することになる。
どんな罪を犯していようと、どんな悪人であろうと、等しくここに送られるのだ。

人生で一番幸せだった頃の年齢に戻り、もはや癌にかかることも心配する必要のないここでは、タバコも吸い放題。

そうして、この先、永遠の人生を送る場所を、ここで選択しなければならない。
細分化された楽園は多岐に渡り、勧誘のためのブースが立ち並ぶ様は、もはやコンベンション会場だ。

1週間の間、リッチな観光客の気分で、極上の部屋で過ごしながら、どの永遠を選択するかに想いを馳せることができる。

ただし、一旦その楽園を選択してしまったら、決して変更することはできない。
永遠の人生を送ると決めた場所を、二度と変更することはできないのだ。

もし、それに反すると、一旦決めてしまった楽園から脱走しようとすると、あなたは虚空に送られることになる。
本当に何も存在しない虚無の世界に、あなたの魂は、永遠に繋がれることになってしまう…

事実、美術館の世界から脱走した者が目の前で捕えられていった。
あそこは地獄だったと言い残して…

だが、その判断を先送りすることはできる。
1週間を過ぎても、分岐点にとどまることは可能だ。
しかし、見晴らしのいい極上の部屋は追い出され、光の射すことのない小さなシングルベッドの地下室に押し込まれることになる。

AC アフターライフ・コーディネーターたちも、この分岐点にとどまり続ける人たちだ。
そう、この分岐点を機能させているのは、とどまり続けている人たちが、ここで仕事をしなければならないという義務なのだ。

67年間と65年間

最初の夫であるルーク(カラム・ターナー)も、そうして、ここにとどまり続ける選択をしたのだ。

若くして結婚した軍人の彼は、短い結婚生活の中、朝鮮戦争に駆り出され、あえなく戦死してしまった。
そうして、彼はバーテンダーを続けながら、やがて来るであろう彼女のことを、実に67年間も待ち続けていたのだ…

ラリー(マイルズ・テラー)は、夫と死別してしまったジョーン (エリザベス・オルセン)を支えながら、これまた実に65年間もの間、結婚生活を続けてきた。
自分たちのひ孫を見届けられるほどの、長い年月をともに積み重ねながら…

もはや、コメディなどと笑っていられない。
彼女が、どのように、その重い選択をするのか?
そこから、目が離せなくなってしまう。

あなたなら、どうしますか?

選択からは解放されない

もし、死後の世界があるというのなら、もし地獄に落ちていないとするならば、そこでは、あらゆることから解放されると思っていた。
愛する誰かさんと死に別れたとしても、来世でまた会おう!なんて希望を持てると思っていた。

だが、アフターライフでは、来世はない。
やり直しの効かない永遠に魂は繋ぎ止められたままだ。

そこでの別れは、掛け値なしの、本当の永遠の別れだ。
もう二度と会うことは、叶わない…

人生をまっとうして、ようやく迎えるアフターライフでも、重たい選択からは逃げることができない。
その選択の結果と責任を背負いながら生きていかなければならないのだ。
永遠に…

ここが天国と呼ばれていないことが、つくづく実感できる。

あなたなら、どうしますか?

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