NFL 2021シーズンは、TEとしては、NFLドラフト史上最高の全体4位で指名されたカイル・ピッツに注目が集まった。
そのユニコーンTEは、もう一歩で、マイク・ディトカの持つルーキーTEのレシービング記録を60年ぶりに塗り替えるところだった。
NFL 2022ドラフトでは、1巡で指名されたTEはいなかった。
しかし、早くも頭角を現したルーキーTEは存在する。
ボルチモア・レイブンズに4巡139位で指名されたアイザイア・ライクリーだ。
Isaiah Likely
The first half of Sunday night’s preseason game became the Isaiah Likely show.The Ravens rookie tight end showed out on national television during a dazzling two quarters, catching eight passes for 100 yards and a touchdown in Baltimore’s 24-17 victory in Arizona. Likely’s talent has been obvious since the fourth-round pick arrived at rookie camp, and now the world is seeing that he’s a rookie to watch.
情報源: Isaiah Likely Shows Out on National Television
ランアフターキャッチが魅力的
Ravens rookie tight end Isaiah Likely has caught all 12 of his targets through two weeks of the preseason, generating a league-leading +12.9 EPA when targeted.
Likely’s production has been driven by his ability to create after the catch (+50 YACOE).
🧵 | #RavensFlock pic.twitter.com/lJHpquPyLw
— Next Gen Stats (@NextGenStats) August 24, 2022
前半だけでも大活躍だったアイザイア・ライクリー。
その魅力はなんといってもランアフターキャッチだろう。
Next Gen Statsによれば、彼がランアフターキャッチで稼いだヤードは、予測値を50ヤードも上回っている。
その結果、彼にパスを投じることで得点の期待値が12.9ポイントも上積みになる。
そしてその強みは、ドラフト時のスカウティングレポートにもしっかりと記されていた。
Slick, strong and speedy after the catch.
情報源: Isaiah Likely Draft and Combine Prospect Profile | NFL.com
グレード的には、スターターに成長する可能性を持った良いバックアップと評価されている。
しかし、もうスターターに抜擢されるんじゃないだろうか。
もちろんレイブンズには、マーク・アンドリュースというエースTEが存在する。
彼を押し退けてというわけじゃない。
強力な2TEセットの復活だ。
Ravens TE Mark Andrews said Isaiah Likely doesn’t play like a rookie and has an ‘it’ factor: pic.twitter.com/QKLcZO4oyY
— Jamison Hensley (@jamisonhensley) August 30, 2022
2019シーズンを超えることができるか
Lamar Jackson excelled with multiple tight ends on the field during his 2019 MVP campaign, generating more than double the passing EPA as the next closest player (+75.5) and leading the NFL with 21 TD passes.
— Next Gen Stats (@NextGenStats) August 24, 2022
2019シーズン、プレイのおよそ半分に2TEセットを用いたレイブンズ。
しかし、ここ2年間は25%にまで低下している。
2019シーズンといえば、ラマー・ジャクソンがMVPに輝いた年。
複数のTEを操った彼は、ぶっちぎりで2位以下を引き離すパフォーマンスを上げていた。
しぶといキャッチを見せ、クロッシングルートにおいては、誰よりもヤードを稼いでいるマーク・アンドリュースに、ランアフターキャッチに優れたアイザイア・ライクリーが加われば、ディフェンスはさらに手を焼くことになる。
まだまだプレシーズンではあるけれど、アイザイア・ライクリーが期待通りの力を発揮してくれれば、2019シーズン、いやそれ以上の結果が生まれるかもしれない。
そしてそれは、ラマー・ジャクソンに渇望しているリングをもたらしてくれることになるのかもしれない。
昨年、ユニコーンTEが初めて頭角を現したのはタイトエンドの日だった。
今シーズンのその日、レイブンズのふたりのTEは、どんな輝きを見せてくれるだろうか…