前作のわずか5日後から始まる本作は、前作のタイムラインに乗っかったまんま、実銃でトレーニングを積んだキアヌのガン・フーアクションは流れるようで、前作のキルカウント80の続きを見ているようだ。
さらに鉛筆だけで3人を始末したという伝説を彷彿とさせるシーンも登場する。
コンチネンタルホテル
だが本作は、前作でも興味深い存在だったコンチネンタルホテルをはじめとして、ジョン・ウィックを取り巻く組織、セカイが克明に描かれる点が興味深い。
情報源: CHART|映画『ジョン・ウィック:チャプター2』オフィシャルサイト
生み出される死体の数が膨大で、とても追っつかないせいか、今回、チャーリーのディナーサービスは登場しない。
しかし、コンチネンタルホテルの会員への手厚いサービスは健在だ。
そう、会員であるならばだが…
家を焼き出され、汚い身なりであらわれたジョン・ウィックに、マネージャーのシャロンは普段通りの丁寧な接客で出迎える。
コンチネンタルホテル ローマのソムリエは、「ウィック様はドイツ製がお好みだと思いますが、今回はオーストリア製をお勧めします」とバリバリにカスタマイズされたグロックを差し出す。
テーラーに至っては、スーツのデザインの好みを確認しながら、防弾繊維の裏地をすすめてくれる。
「ただし、激痛は伴いますが…」の注意も忘れずに。
いずれも、客の好みを熟知した上で、より良い提案をしてくれるプロフェッショナルの仕事ぶりだ。
オーナーのウィンストンに至っては、ジョン・ウィックの会員資格剥奪を迫るサンティーノに、「ここは私の王国だ」と突っぱね、会員の保全にもつとめてくれる。
そう、会員であるならばだが…
情報源: CHART|映画『ジョン・ウィック:チャプター2』オフィシャルサイト
ブギーマンは闇の中
今回、ジョン・ウィックは復讐のために動くのではない。
以前、困難な大仕事をやり遂げる見返りに引退を認めさせた男は、依頼人は自分である復讐を遂げることによって、カムバックしたと知れ渡ってしまった。
ブギーマンは、闇の中にもどれば、そのしきたりに従わねばならない。
そうして眠っていた血の契約が、彼を縛ることになる。
それは、ウィンストンの助言に基づくものでもあるけれど…
彼は、ブギーマンは、自分を取り巻く組織、闇の深さを身をもって体験することになる。
だから、彼はそうしものとの関係を断つために、闇の中から抜け出すために、終わらせたかったのだ。
どんな状況でも仕事をやり遂げるブギーマンは、自分を賞金首にしたサンティーノをしっかりと始末する。
そう、なんら問題はない。
彼は見事にやり遂げたのだ。
ただひとつ、それが行なわれた場所の問題を除いては…
1時間かっきりの友情
ジョン・ウィックはあろうことか、コンチネンタルホテルの中でサンティーノを撃ってしまった。
それもウィンストンの眼前で、彼の制止も聞かずに。
コンチネンタルホテル最大の御法度である、ホテル内での仕事をしてしまったジョン・ウィックに、親友であるウィンストンは落胆を隠すことができない。
ルールを守るからこそ人間と動物に違いがあるのだと信ずる彼に、情によってルールを曲げることなどできるはずもない。
そうしてジョン・ウィックは、会員資格の剥奪を宣告される。
ただし、1時間後だと。
わずか1時間というなかれ、前作で会員資格剥奪を宣告されたミズ・パーキンスは、ほぼ同時にその生命まで剥奪されてしまったのだから。
しかも1時間後まで、あらゆる暗殺者の動きを制止してくれているというのだ。
だから、これはウィンストンにとって、最大限の友情の証と言えるだろう。
そうして彼は、コンチネンタルホテルの手厚いサービスを失うことになった。
もう二度と手に入れられないであろう会員資格を失ったのだから。
バワリー・キングは力を貸すだろうか?
確かに45口径は手渡してくれたが、それにしたって弾丸7発、弾倉ひとつこっきりだった。
情報源: CHART|映画『ジョン・ウィック:チャプター2』オフィシャルサイト
彼は妻を失い、妻の残した犬を失い、車を失い、家を失い、なにより彼に武器と情報を与えてくれる大きな後ろ盾を失った。
穏やかな暮らしどころか、1時間後生きていられる保証すらない。
残されたのは、まだ名前をつけていない老犬だけだ。
駆け出す彼は、一体どこへ向かうと言うのだろう。
世界中で賞金首となったその身で…
情報源: 『ジョン・ウィック3』チャド・スタエルスキ監督が続投!真田広之出演のうわさも…?|シネマトゥデイ
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