プレデター@ジャニーズ問題に関する調査報告書が公表された。
僕には、率直に二つの驚きがあった。
ひとつは、お飾りに過ぎないと言われていた「外部専門家による再発防止特別チーム」が見事な仕事ぶりを見せたこと。
二つ目は、完璧に他人事として扱うマスコミの振る舞いだ。
外部専門家による再発防止特別チームの仕事ぶり
3ヶ月にわたって現役2名を含む41名を対象に行われた調査に基づく報告書は圧巻だ。
最近の話だけ、ちょろっといじっておわりかと思っていたら、とんでもなかった。
1950年代に遡って言及された報告書には、プレデターの長く広範囲な捕食ぶりが入念に記載されている。
そうして、あの醜悪なプレデターによって負わされた傷が、どのようなPTSDを招くのかも具体的に記載されている。
会見においても、例によって不遜な態度で的外れな質問を繰り返すマスコミに、終始冷静に端的に回答を行っていた。
日大が行ったそれとは真逆のものだったといえば、わかりやすいだろうか。
そうして、三ちゃん企業と言っていいほど、ガチガチの同族経営のジャニーズ事務所に対して、社長であるジュリー氏の退陣まで迫っている。
もちろん100%株主である彼女が社長を辞任したとして、支配力が著しく衰えることはないだろう。
しかし、いわゆる第三者委員会が、株主に対して、個人資産である、その株を手放せと迫る強制力は持ち得ない。
そういう意味では、「外部専門家による再発防止特別チーム」は、忖度なく、実現可能限度一杯の再発防止策を突きつけたことになる。
ジャニーズ事務所においては、こうした悲劇は繰り返されることはないのではないだろうか。
もっともそれは、再発防止策が功を奏すというより、最大の原因である異常なプレデターが死んでしまったからだが…
子供を売っても平気なのね
この問題が明るみになったとき、家人が思わず漏らした。
「何を今さら騒いでるの?そんな話、有名じゃない。」
僕らの世代は、数少ないが、そういった記事も見聞きしたことがある。
だから、ジャニーズのそれは、クロに近い都市伝説ではなく、事実として受け止めていた。
だから彼女は、こう付け加えた。
「そんなところに、履歴書付きで我が子を差し出すなんて、それが平気な親がいるのね。」
しかし、世代的には、単なるゴシップに過ぎず、それが事実だと知らなかった親たちもいるのかもしれない。
なぜなら、ある時期から大手マスコミは、こうしたニュースは扱わなくなり、テレビ番組の中では、プレデターをあろうことか、カワイイおじいちゃん扱いしていたのだから。
そう、マスコミは、ただ沈黙していただけの傍観者ではない。
立派な共犯者なのだ。
今回の会見の後でも、マスコミ各社の木で鼻を括ったような、薄っぺらいコメントに、その罪の意識を感じることはない。
このコメントの感じ、何かに似ていると思ったら、日本ウイグル協会が、ウイグル人の強制労働に関与している疑いが浮上している日本企業へ送った公開質問状に回答した企業の文面と匂いがそっくりだった。
短い文面に、人権やらデューデリジェンスやらが散りばめられた、あの文章に。
もっとも、公開質問状を無視して、一切の反応を見せなかったパナソニック株式会社は論外だが…
何が水道哲学だよ、哲学を語る前に、初等の道徳教育を受けるべきだ。
チョウチンアンコウ
Anyway、マスコミとプレデターは、チョウチンとアンコウとして一体の働きを見せていた。
潜ったまんまのアンコウだけでは、ここまでの捕食は進まなかっただろう。
煌びやかに輝くチョウチンが、無垢な獲物を呼び寄せたのだ。
そうしてお互いがお互いの欲しいものを手に入れるという長い共生関係にあった。
文字通り、それは切り離せないチョウチンアンコウとして一体となって胃袋を満たしていった。
キャスターたちは、沈黙していた事実に向き合って…などと殊勝なコメントを述べているが、向き合うのは共犯者だった事実であり、その罪だ。
それでは次のニュースですのその前に、やるべきことがあるはずだ。
いや、もう自浄能力は望めないのだ。
今回の会見でも、従軍慰安婦というフェイクを世界にばら撒いたまま、何の責任も取っていない、不動産で食い繋いでいる新聞社の記者が意気揚々と質問をしていた。
プレスの許可証で国会に入りながら、活動家そのもののアクションをとっても、一切のお咎めがない記者は、質問数の制限を無視すると、鼻の穴を広げながら、最後は反政権につなげようとする演説をぶちまけていた。
もう彼らに、自浄能力は望めないのだ。
とりわけテレビは、割安で電波を独占させてもらったチンドン屋が、競合もなく、電波も止められない状況でいいようにやっている。
だってそれはそうだろう。
事実と違うテロップを貼り付けても、テロ教団の殺人幇助を行っても、一切のお咎めがないのだから。
だからきっと、今回のような数十年、数百人に及ぶ子供のレイプ被害者を産んだ共犯者だとしても、きっと次のニュースを流しているのだろう。
ジャニーズ事務所は大人しくなるだろう。
しかし、マスコミに手をつけなければ、第2、第3のジャニーズ事務所は現れる。
いや、もう存在しているのかもしれない。
たとえショッカーが壊滅しても、すぐにゲルショッカーが現れる。
メディアという共犯者がいれば、今の時代、易々と繁栄していくことだろう。
国がジャニーズ事務所にアクションをとるべきだと金切り声で騒いでいる記者がいたが、僕はそうは思わない。
国がやるべきことは、他にある。
いい加減、チンドン屋に割安に電波を独占させる状況は変えるべきだ。
そうして本当に電波は止まるんだということも実感させるべきだ。
だって公共の電波が、チンドン屋風情に独占されてるんだぜ。
感動ポルノの制作くらいなら笑って見過ごせるけれど、そうではないものに加担しているなら見過ごせないじゃない。
もっとも、やたらと総務省出身であることを自慢する政治屋を見れば、それを生み出すような総務省に、管轄官庁の働きは期待できないのかもしれないが…
私たちは何をしているんだ?
私たちは一体何をしているのか?
あなた方は一体何のためにここにいるのか?
どこかで耳にしたことのある、よくあるフレーズだ。
しかし、これが実際の議会で、実際の議員が発言したものとなれば話は違う。
アメリカには、羨ましいことに議会というものが存在するらしい。
国会という見世物小屋しかない日本とは大違いだ。
止むことの無い銃の乱射事件。
そのアメリカ固有の大きな問題に対して、何もアクションを取らない議員たち。
その彼らに向けて、彼は檄を飛ばしているのだ。
私たちは一体何をしているのか?
あなた方は一体何のためにここにいるのか?
責任と権限を持っているはずの、同じ立場の議員に向けて、そう問いただしている。
ジャニーズの子供たちは殺されたわけじゃない。
しかし、魂の殺人という言葉もある。
遠い世界のこととはいえ、うっすらとそんなことを知りながら見過ごしていた僕も、共犯者のひとりと言えるかもしれない。
なにができたわけでもないけれど…
どこかで子供がひどい目に遭ってるって、たまらないじゃない。
権限も力もない者としては、前に進むための道筋を切り拓くものを後押しするしかないんだけれど…