フットボールの正しい技術を啓蒙するために、毎週、最高のお手本のプレイを披露した選手を表彰するNFL WAY TO PLAY。
2022シーズン第18週の受賞者となったのは、デンバー・ブロンコス LB ジョジー・ジュエル。
対象となったのは、トップスピードのRBへの「アオテン」タックル。
Week 18 – Josey Jewell
Broncos LB Josey Jewell earns the Week 18 award.
情報源: NFL Way to Play | NFL Football Operations
トップスピードに乗ったRBを、それもエンドゾーンを目前にしてさらにブーストしてるRBを、LBが「アオテン」タックルで仕留めるなんて、これまで目にしたことがない。
どれほど強力なタックルだったんだろう。
自身もNFL WAY TO PLAYで表彰されたことのある、ロサンゼルス・チャージャーズのRB オースティン・エイケラーは、何が起こったのかすぐには理解できなかったことだろう。
この強烈だが、ひたすらに美しいフォームのタックルは、現時点で、今シーズンのNFL WAY TO PLAYベストじゃないだろうか。
そうして、NFLがNTFLにならないことを示してもくれた。
#LoveForDamar
ずっとチェックされている方はおわかりのように、第17週のNFL WAY TO PLAYは実施されていない。
この週、勝敗もつけず、再試合も行われないというNFLでは異例のゲーム中止という事態が発生した。
そう、バッファロー・ビルズとシンシナティ・ベンガルズの一戦だ。
一時、心停止となったダマー・ハムリンが病院に搬送され、生死もわからないという状況で試合を再開するには、このスポーツはタフすぎる。
フットボールでは、忘れた頃にこうした事故がやってくる。
これだけルールも厳格化し、防具の開発スピードが著しく向上しているというのに…
そうしてリーグは、祈り一色となった。
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3 is a special number. #ForDamar | #LoveForDamar pic.twitter.com/itjpxQ4wKv
— Buffalo Bills (@BuffaloBills) January 8, 2023
そして迎えた第18週。
NFLのレギュラーシーズン最終週。
正直なところ、選手たちのメンタリティは想像がつかなかった。
あらためて顕在化した、この競技における不安。
そして、これが職業であるという面。
家族を養う手段でありながら、家族に会えなくなる可能性も生み出すもの。
最終週の一発勝負でプレイオフがかかった、まだ満たされていないものたち。
そうしたもののマリアージュが、どんなゲーム内容を招くのか、僕にはイメージできなかったのだ。
しかし、蓋を開けてみればNFLはNFLだった。
もうプレイオフの一部と言っていい最終週の激しさは、例年通りだった。
その象徴が、ブロンコス LB ジョジー・ジュエルのこのタックルだ。
なにしろ、ダマー本人が意識を取り戻した時に最初に尋ねたのが勝敗の行方だった。
ハムリンが目覚めたときに最初に尋ねたのが「俺たちは勝ったのか?」という質問だったことも明かされた。それに対し、医師は「そうです、ダマー。勝ったんです。命の闘いにあなたは勝ったんです」と答えたという。
情報源: ビルズSハムリンの病状が改善したと聞いて安堵するベンガルズWRヒギンズ | NFL JAPAN.COM
NFLでも人生においても長い経験を持つビル・ベリチックのコメントはシンプルで深い。
「フットボールはとても素晴らしく、コンペティティブなゲームだ。残念ながら、ケガやこうした出来事は時として起こってしまう。それはとても残念なことだ。とられた対応はとても迅速で良かったように見えた。それに対しては感謝している。しかし、人生はこのゲームより重要だ。あれはわれわれ全員を謙虚な気持ちにさせる瞬間だった」
情報源: レジー・ブラウンに触れつつビルズSハムリンについて語るペイトリオッツHCベリチック、「人生はこのゲームより重要」 | NFL JAPAN.COM
人生とゲームとを切り離すことは可能なのだろうか。
とりわけ、まだ何も成し遂げていない若い選手にとって…
不幸中の幸いというが、不幸中だから幸いを感じられることがある。
それは、普段ヘルシーにゲームでトップパフォーマンスを披露できること。
そして、いざとなれば1人のために皆が一丸となって祈りを捧げられる善意を持った集団であること。
#PrayForのハッシュタグは、ことが起きなければ見かけることはない。
しかし、ひとたびコトが起きれば、それは人間の善意を引き出すものでもある。
そして正真正銘、不幸中の幸いは、ダマー・ハムリンが退院して自宅に帰れたことだ。
シンシナティ大学のウィリアム・ナイト医師は月曜日に報道陣に対し、ハムリンは自力で歩行し、”通常食”を摂取できていること、また、回復を続ける中で身体的および職業上の治療を受けていることに言及。さらに、医師らはハムリンが“頸椎(けいつい)の深刻な負傷”を抱えておらず、“神経学的な影響がなかった”ことから“正常歩行“をしていると月曜日に話した。
情報源: ビルズSダマー・ハムリンが退院、自宅でリハビリ継続へ | NFL JAPAN.COM
誰か彼に伝えてほしい。
新年は卯年なんだ。
すぐにピョンピョン飛び跳ねられるよと…