『ジャッジ!』疲れた夜と人生には、ちょうどいい逆転劇を!

本当に疲れ果て、心が渇ききってしまうと、観るべき映画も選べなくなる。
いかに、最新アルゴリズムの粋を凝らしたNetflixのダッシュボードとはいえ、そのどれをも選べなくなる。

関連会社の連結決算を追うようなユニバースものには、面倒で手が出せないし、衝撃のクライマックスを誇るものには、ココロがそれに耐えきれない。
再生の物語を謳うものを選ぶのは悪くない選択だが、それには再生の前の悲しい出来事にも目を凝らさなければならない。

頭からっぽ、心からっぽに見えて、実は空白というものが居座り続けている。
そんなときに、選べる映画がいくつかある。
ジャッジ!は、そのうちの一本だ。

ジャッジ!

大手広告代理店[4]「現通」社員の、情熱はあるが落ちこぼれな若手CMプランナー太田喜一郎(妻夫木聡)が主人公。アルファベット表記では名前が同じになることを理由に、上司の大滝一郎(豊川悦司)から、世界一のテレビCMを決める最大の広告祭[4][11]「サンタモニカ国際広告祭」の審査員の仕事を押し付けられる[9]。

ジャッジ! – Wikipedia

とまあ、あらすじはあるんだけれど、そんなの頭に入れとく必要はない。
事前学習も、ココロの準備も何もせず、いきなり再生ボタンを押して仕舞えばいい。

トップCMクリエイターコンビ

テンポとキレのいい演出が、積み重なっていって、気づけば引き込まれていく。
くすくす笑っていたはずが、いつの間にか大きな声で笑っていることだろう。
決してやり過ぎ感は感じないのに…

永井聡監督は、トップCMディレクターだったようで、15秒や30秒で勝負をつけなければいけないテンポ感の演出が、いい意味で反映されている。

脚本の澤本嘉光も、バリバリのCMクリエイター。
今回のお話も、自身の体験をもとにした実話に近いんじゃないかとGeminiは言っている。

🔪 あの「トヨタのCM」は実話(ドキュメンタリー)

劇中で太田(妻夫木聡)が、予選落ちしそうになったトヨタのCM(人間が車を運転するジェスチャーをするやつ)を、必死のプレゼンで入賞させる熱いシーンがありますよね? 実はあれ、**澤本さん自身が過去のカンヌ国際広告祭で実際にやった「実話」**なんです。本当に予選落ちしそうだったトヨタのCMを、澤本さんが審査員として熱弁を振るって、見事にシルバー賞まで押し上げた。つまりあの映画は、コメディの皮を被った「電通トップクリエイターの武勇伝(と懺悔)」でもあります。


そのお二人の人脈のおかげか、企業が実名で登場してる。
トヨタにはじまり、東洋水産やらマルイやら…

ギョーカイを知らないシロウトから見れば、いかにもギョーカイあるあるなんじゃないかというニオイも、余白を広げてくれる。
ホイチョイの馬場さんも、ご推薦だ。

だが、そんなギョーカイ裏話的なものより、なにしろ映画として面白い。
それは魅力的なキャラクターを適役の俳優が演じているからだ。

太田 喜一郎(おおた きいちろう)

妻夫木聡演じる主人公は、大手広告代理店「現通」の落ちこぼれプランナー。
仕事のできない頼りない男のくせに、自らの保身のための提案をはねつける。

要領よく世間と折り合いがつけられないバカの存在は、いつだって話をややこしくする。
そして、いつだって話を面白くする。

頼りなくて弱々しくて、なんかいい奴なだけなんだけど、まっすぐなコミュニケーションが人の心に届いてく。
窮地に陥った時の故郷青森の津軽弁は、フランス語しか理解できない者の心さえ動かす。

大田 ひかり(おおた ひかり)

北川景子が演じるのは、主人公の同僚社員。
たまたま同じ名字だが、彼女は仕事もバリバリできる上に英語も堪能。
「できるほうのオオタ」と呼ばれている。

競馬新聞と赤ペンを手にしながら、仕事中に競馬中継に齧り付くほどのギャンブル狂だ。

その美しさを存分に放っている彼女は、決してクールビューティーなんかじゃなく、ホットビューティー。
頼りない同僚が、自分の保身よりも大切なものを守ろうとしている姿を見て、ついついスイッチを入れてしまった…

大滝 一郎(おおたき いちろう)

豊川悦司が演じるのは、主人公の上司でトップクリエイター。
いかにも実在しそうな、このギョーカイ特有の俗物のペラッペラ感を好演している。

木沢 はるか(きざわ はるか)

鈴木京香が演じるのは、現通のライバル広告代理店「白風堂」の女性トップクリエイター。
仕事も出来て、インターナショナルな身の振る舞い方も身につけた彼女は、ある種、典型的なキャリアウーマン。

だが、その原動力は、青森出身というコンプレックスだったということを物語るのは、苦境に陥りベロベロに酔っ払ってしまった彼女の口から漏れる青森弁だ。

「偶然見た一本のCMで、ヒトは救われることがある」

主人公である「できないほうのオオタ」が、つぶやく。
彼は、昔見た一本のCMが彼の人生に与えたインパクトを、いまだに鮮明に覚えてる。
そして、そのチカラを信じてる。

僕にも、そんな存在があったはずだよなぁ…と、ついつい記憶の糸を辿ってしまう。

テンポよくクスクス笑っているうちに、あなたは逆転劇の快感に巻き込まれていくことだろう。
それが約束されているとはいえ…
まあ、いいじゃない。
人生には、後味のいい逆転劇が必要だと思いませんか。

あなたもきっと、「ちくわ」を通して見える未来が気になってしまうことでしょう…

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