その爆発力を封じられてスローダウンしている2021シーズンのカンザスシティ・チーフス。
これまで、彼らにブリッツを仕掛けないという傾向は、顕著に出ていた。
さらにセーフティーのアライメントについてもNext Gen Statsが解説。
Two high shell & light box
Defenses have adjusted to slow down the Chiefs explosive offense this season, aligning with two high safety shells and light boxes at an outlier rate.
Defenses vs KC (2021)
🔹 72% two high shell rate (BUF: 57%, 2nd)
🔹 81% light box rate (PIT: 70%, 2nd)#ChiefsKingdom pic.twitter.com/BNbaFzHtLs— Next Gen Stats (@NextGenStats) December 3, 2021
ふたりのSをディープに配置、ボックスの人員配置は少なめにして、後ろで迎え撃つ。
そんなディフェンスを敷かれる率が、チーフスは群を抜いている。
安易なブリッツをしないことでクイックにデリバリーできるゾーンに穴を開けない。
そうしてQBのディシジョンを遅らせて、パスラッシュが届く時間を稼ぐ。
もし、短いゾーンにパスを投じられても、手厚く後ろで手ぐすね引いたタックラーがランアフターキャッチを許さない。
その際、Single Highと違って責任範囲が軽減された気楽なSが最後尾から迎撃機のトリを務める。
傍若無人な王様のランを止めるために、ボックスに人員を割かなきゃいけないタイタンズが、グラフの真逆の位置にいるのもよくわかる。
パス守備も向上
What affect does the proliferation of two high shells have on the passing game?
Quarterbacks take less downfield shots outside the numbers when facing two high shells and have been less efficient overall.
NFL Average EPA/Dropback (2021)
🔹 Single High: +0.03
🔹 Two High: -0.02 pic.twitter.com/Ev649QJ2dd— Next Gen Stats (@NextGenStats) December 3, 2021
二人のSの存在は、外側のゾーンのパスを低減させ、総じてトータルでパス守備が向上する結果となる。
そうしてデンバー・ブロンコスのHC ビック・ファンジオは、NFLでも3本の指に入るほど2 high safetyを多用する。
同地区ながら、第13週目にしてようやく初顔合わせとなるチーフスとブロンコス。
しかも2度目の対戦は、最終の第18週だ。
相変わらずごちゃごちゃしているAFC西地区。
ここからの同地区対決は、ある意味プレイオフ以上の重みがあるかもしれない。
大方の予想は、チーフスの勝利となっている。
しかしブロンコスの強力なパス守備と好調のラン攻撃がきちんと機能すれば、いななく荒馬の姿を拝むことができるかもしれない。
そういえば、昔はこの地区にシアトル・シーホークスもいて、スタンディングがスロットマシンのように変わっていたよね…