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NFL 2021 ライオンズ「アンダードッグの底力」

NFL 第7週のデトロイト・ライオンズとロサンゼルス・ラムズの一戦。
ここまで全敗のライオンズと、わずか一敗のラムズ。
結果が見えていた退屈なはずのゲームは、スリリングでエモーショナルな一戦となった。

アンダードッグの自覚

フットボールでは強い方が必ず勝つとは言い難い。
アンダードッグが、その自覚を持ち、正確にプランを組めるならば十分に勝機がある。

そうして、ライオンズはリスクを取り続けた。

ブリッツを逆手に取ってスクリーンでタッチダウンを奪うと、すかさずオンサイドキック!

そして第1Qから、すかさずフェイクパント。

自陣でも果敢にリスクを背負った。

最後の最後にインターセプトを喫するまでは、彼らは準備していたことをしっかりと発揮したように見える。

スタッツも悪くない

ラムズのマシュー・スタッフォードが、ライオンズのブリッツに屈することなくパスを通し続けたのはさすがだ。

しかし、最終スコアから見れば、ターンオーバーさえなければ、最後のインターセプトさえなければ、彼らはアップセットを、シーズン初勝利を手にしていたはずだ。
それも、ロサンゼルス・ラムズのホームで。

なぜこの一戦に賭けるのか

まるでカレッジの、いや日本の大学のここ1番のゲームを見ているような感覚だった。
国内最高の試合といわれた頃の関京線のようなと言うべきか…

NFLのレギュラーシーズンの、なんのタイトルもかかっていない試合に、ここまでオール・オア・ナッシングで臨んだゲームなんてしばらく記憶にない。
プロは毎試合、全力を注ぐのさといわれればそれまでかもしれない。
なんとしてもシーズン初勝利を手に入れるという強い意気込みかもしれない。

しかし、僕が勝手にエモナーショナルな感覚に陥ってしまうのは、ここがロサンゼルスだからだ。

今年、ライオンズとラムズは、そっくりお互いのスターティングQBをトレードで交換した。

西海岸の陽光で輝くマシュー・スタッフォード。
デトロイトのジャレッド・ゴフには太陽の光は届かない。

それぞれのQBの評価とチーム戦績は完全にリンクしている現状。

だから、ライオンズが、その1勝をラムズ相手にあげることの意味は大きかったはずだ。

結果を見れば、結局は勝てなかった。
幾多のギャンブルで繋いだドライブもタッチダウンに結びつけることはできなかった。
しかし、ここまではやることができた。
彼らの前途は明るいといえるんじゃないだろうか。
あのデトロイトという街の再生に比べれば、彼らが勝利を手にするまで、それほどの時間はかからないはずだ…

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