9月11日は、僕にとって僕自身の誕生日でしかなかった。
世界にとっては、それはただのなんでもない日だった。
あのときまでは。
9月11日という日を、誰もが忘れることができなくなってからもう20年。
NY Jetsはニューヨークに宛てた手紙を公開した。
読み上げるのは、ジョー・ネイマス。
街からブロードウェイの名前をもらった男だ。
A Letter to New York on 9/11 Narrated by Joe Namath
今は亡き兄貴の電話にあわててつけたテレビのチャンネル。
ディスプレイに映し出されたのは、重たい煙をたなびかせた、どこかの高層ビルだった。
理解できない状況に拍車をかけたのは、その次のシーンだった。
旅客機と思しき航空機が、またもそのビルに激突した。
意図を持っているとしか思えない航跡で。
その光景を一ミリも消化できないまま、もう20年…
Jets vs. Patriots in the First Game After 9/11/01
再開されたNFLでは、いつもと違う光景が見られた。
フォックスボロの住民は、NY Jetsをあたたかく迎え入れたのだ。
それまで、NY Jetsに憎悪に近い感情を抱き、口汚く罵ることしかしない彼らがだ。
その日、彼らにとって勝つことの意味合いは明確だった。
それは、ペイトリオッツがNY Jetsを叩きのめすことなんかではない。
アメリカが、アメリカの日常であるゲームをやり遂げること。
それこそが、彼らにとっての勝利だったのだ。
2つの大きな出来事
NFLドラフト全体1位で指名されたスターQB ドリュー・ブレッドソーは、この日の負傷退場以降、スターターに返り咲くことはなかった。
交代出場した全体199位の指名でNFL入りした男は、今も現役を続けている。
GOATトム・ブレイディの、その長い伝説の1ページ目は、ここから始まっている。
ブログが誕生したのもこの頃だ。
感情の整理をジャーナリングに求めた人々が、インターネットにその心情を公開するようになった。
Webにログとして積まれていく文章は、いつしかブログと呼ばれるようになっていった。
現在の安売りチラシのようなもののことではない。
二杯の酒と20年の歳月と
20年の歳月を経て、ついに米軍がアフガニスタンからの撤退を完了させた。
その長い戦争の間、実に多くの人命が失われた。
数で言えば、それは911の犠牲者をはるかにしのぐ。
311があり、幾多の災害があり、今ではCOVID-19だ。
そうしてテレビカメラのないところでは、東トルキスタンの人々が、その生命と、命より大事なものを奪われ続けている。
ボギーに同じことを問い続けてもう20年が過ぎようとしている。
とてもじゃないが、おっつかないぜ。
二杯ぐらいの酒じゃあさぁ…