ダイナミックな契約で話題になったカイラー・マレー。
しかし、そのプレイぶりは契約内容よりもダイナミック。
Next Gen Statsは3つの項目で、そのプレイぶりを評価している。
1.Tight Window Efficiency
タイトカバーされたレシーバーに投じたパスが、どれほど得点につながったかを表す指標と言えばいいんだろうか。
彼はダントツの1位だが、特筆すべきはポジティブなのは彼一人であるということ。
2位以下のQBは、すべてマイナスポイントなのだ。
2.Ability to Evade Pressure
ドロップバックをしている最中に受けたプレッシャーを回避した率でもトップ。
2位以下に意外なメンツが名前を連ねている点も興味深いよね。
3.Elite Acceleration
2019年にリーグに参加して以来、300回以上のラッシュの半分以上で時速24km以上に到達した唯一のプレーヤー。
MLBとNFLで1巡指名を受けた史上初の選手
トコトコ走りながら軽く投じたパスはビューンと飛んでいく。
しかも、彼のスクランブルは、時に40ヤードを超える。
Constantly making plays on the move.@K1’s Top 5 scrambling completions! (via @NextGenStats) pic.twitter.com/S6l1FePLvr
— NFL (@NFL) July 26, 2022
プレッシャーを上手にかわしながら、諦めずにタイトにカバーされたターゲットにパスを通し、得点につなげる。
40ヤードも逃げ回るQBを追いかけるディフェンスのフロントにも、カバレッジを保ち続けなきゃならないDBにも、相当の負荷を与える存在なのだろう。
あれほどQBのサイズにうるさい世界で、ダグ・フルーティよりちょいと大きいだけの彼のサイズが話題にならないのも興味深い。
史上初のMLBとNFLでドラフト1巡指名を受けた男の運動能力は、やはりずば抜けているということなのだろう。
しかし、能力の高いQBと勝てるQBが必ずしもイコールではない世界。
信じられないほどのグッドスタートを切った2021シーズンは後半一気に鳴りをひそめ、3勝しかあげられなかったデトロイト・ライオンズには貴重な1勝まで献上する羽目になった。
シーズンが終わった後もチームを取り巻いていた悪い雰囲気は、もう払拭されただろうか。
第57回スーパーボウルでは、本拠地開催の権利を彼らは有している。
ここ2年は、本拠地開催のチームがスーパーボウル・チャンピオンに輝いている。
ジンクスだというのなら、NFL以前から存在する最古のプロフットボールチームがようやくロンバルディトロフィーを手にできることになる。
ダイナミックな契約の価値が問われるのは、これからということになるのだろう…