Pat The Patriot is back!
NFL 2022シーズン、ニューイングランド・ペイトリオッツは、あのヴィンテージなユニフォームをスローバックする。
勇猛なパット・パトリオットの帰還だ。
Wait a minute, Doc. Are you telling me the red uniforms are back? pic.twitter.com/X1pd6kpdpG
— New England Patriots (@Patriots) June 22, 2022
ビンテージなパット・パトリオット
チーム発足以来、30年以上にわたって愛されてきたユニフォーム。
僕が初めてNFLを知ったとき、「愛国者」というチーム名とともに衝撃だったのが、アメリカ独立戦争の兵士パット・パトリオットのロゴだ。
愛国者なんて口にしようものなら、新聞という名の機関紙を押し売りしてる団体に総括されてしまう戦後民主主義の島国に育った僕にとって、そのような存在がスポーツチームのマスコットになるということ自体が衝撃だった。
そして、あの勇猛なパット・パトリオットのロゴに、いかにもアメリカンな匂いを感じたことを覚えてる。
フランチャイズの歴史としては、1993年にフライング・エルビスのロゴとともに大幅なユニフォームの刷新をしてからの方が栄華を誇っている。
パット・パトリオットとともに出場した唯一のスーパーボウルは、何しろ相手が悪かった。
1985
CHICAGO BEARS
“The ’85 Bears were a breath of fresh air to Chicago.” – Kevin Cronin
情報源: NFL 100 | NFL.com
NFL100年の歴史で史上2位と言われている1985年のシカゴ・ベアーズだ。
1位には、あのパーフェクトシーズンを達成した1972年のマイアミ・ドルフィンズしか存在しない。
1985年のシーズンで唯一ベアーズに黒星をつけたのは、ドルフィンズだった。
毎年シーズンオフになると、他にパーフェクトシーズンを達成するチームが誕生しなかったことをシャンパンでお祝いするOBのために、現役が死力を尽くしたというというわけでもない。
強力なブリッツで猛威をふるった46ディフェンスの唯一の泣きどころ、ブリッツが届く前にクイックリリースできるダン・マリーノの存在が大きかっただろう。
まだGOATが存在していなかったペイトリオッツのオフェンスはプレイの全てを破壊され、ディフェンスは冷蔵庫にTDまで献上してしまった。
そのようなスーパーボウルを見せられた僕にとって、このユニフォームに、強いチームのニオイはしない。
しかし、オーソドックスなデザインにアメリカン独特なロゴは好みだ。
NFLへのロビー活動
このオーソドックスでアメリカンヴィンテージのユニフォームのファンは大勢いるようで、復活を望む声は多かったようだ。
そこでチームは、リーグに対してロビー活動を実施することにした。
The New England Patriots on Wednesday unveiled their classic alternates, but it was years in the making.
情報源: How Patriots led push to change NFL rule and bring red throwback uniform back
もちろんこれまでもジャージ自体をスローバックすることは可能だった。
しかし、脳震盪対策のために定められた1種類のヘルメットしか使用を許されないというルールが障害になった。
スローバックジャージに、銀色のフライング・エルビスのヘルメットは似合わない。
だから彼らは、そのルールの緩和のためにロビー活動を続けていたのだ。
そうして彼らは、他のチームに先駆けて完璧なスローバックユニフォームを着用することが可能になった。
Good things happen when the @Patriots wear their red throwbacks 😏 pic.twitter.com/7iYaOjgdSc
— NFL Films (@NFLFilms) June 23, 2022
アンドレ・ティペット!
もはや世界で最も有名になったタイムマシン、デロリアンの運転席に目を凝らすと、アンドレ・ティペットがいるじゃないか!
あのローレンス・テイラーと同じ時代に、同じ背番号で、同じOLBというポジションで、共に1980年代のオールディケイドチームに選出された選手。
#4 Andre Tippet | Top 10 Patriots of All Time | NFL
もしあのデロリアンが本物で、好きな時代と行き来できるというのなら、ビル・ベリチックが望むものは、ユニフォームなんかじゃないだろう。
それこそ彼を、あの時代の、あの若さのアンドレ・ティペットを連れてきてほしいはずだ。
ベリチックは喜んで契約交渉に向かうはずだ。
ただひとつ懸念はある。
ベリチックが、ホラ吹きのペテン師として門前払いを喰らうかもしれない。
ヴィンス・ロンバルディ・トロフィーを6個も所有するエリートチームになっているという未来を、あの頃の彼らが信じてくれるだろうか?
それこそが最大のポイントだよね…