NFLは2021シーズンに背番号に関するルールを変更。
変更はありながらも、厳格さを保っていたルールは、今年大きく緩和されることになる。
「ひと桁」がオープンになったのだ。
「ひと桁」の解放
Who’s changing jersey numbers this year? 👀 pic.twitter.com/Xba0FwzJsa
— NFL (@NFL) April 21, 2021
これによってオフェンス、ディフェンスのラインマン以外の全てのポジションが「ひと桁」の背番号を着用することが可能になった。
注目のTEカイル・ピッツ #8
今年のドラフトでアトランタ・ファルコンズに全体4位で指名された注目のTEカイル・ピッツ。
彼は、この緩和された背番号ルールを活かして、「ひと桁」の8番を手に入れた。
現在のTEは、他のスキルポジションの選手とぱっと見、区別できない。
そして、動いてみたって、その違いはわからない。
これで「ひと桁」の背番号なんてつけられると、ほんとにどのポジションなのかわからなくなる。
1973年の厳格化
そもそも背番号のルールが厳格化して整備されたのは1973年。
そこから、たびたびルールの見直しが行われてきた。
その変更の歴史を見ると、パッシングモアで成長してきたNFLの歩みもわかる。
1984年、3-4ディフェンスの流行でLBの登録者数が増大したことにより、90番台をLBに開放。
2004年、WRの登録者数増大で、10番台をWRに開放。
2010年、DLが50番代の着用を許される。これはラッシュバッカー、エッジのような選手が増えてきたため。
2015年、LBに40番台を開放。
今回のルール変更の直接的な原因は、COVID-19により練習性が増加したためということらしい。
ポジションの垣根は存在するのか?
ただ、COVID-19に関わらず、このルール変更は、現在のフットボールを体現するものだと思う。
ポジションの垣根がどんどんなくなっているからだ。
TEが顕著だと思うが、あらゆる場所にアラインし、シフト、モーションまで含めれば、フィールドのあらゆるポジションでプレイする。
ひところのように、ひと目見てWRにスピードで負けているなんて選手は存在しない。
DBのブリッツは、もう特筆すべきものではなくなった。
SSのブリッツなんて、ラッシュかと思うほどの滑らかさだ。
これまで、QBから見れば、どの背番号をつけた選手が立っているかで、どんなディフェンスなのかを探る手がかりになっていただろう。
しかし、これからは、ぱっと見わからない。
もちろん、事前にスタディする彼らは大丈夫かもしれない。
問題は僕だ。
シチュエーションディフェンスの著しい成長のおかげで、ただでさえディフェンスがなにをやっているのかがわかりにくくなっている。
そこにきて、このルール変更は、より僕らを混乱させるかもしれない。
しかし、理解をあきらめて目の前のプレイをただ楽しむという割り切りも生んでくれるかもしれない。
一人リプレイの数は著しく増えるかもしれないが…
「ひと桁」はプレミアムになる?
たくさんのポジションに解放された「ひと桁」の背番号。
しかし、どうやったって、9つしかない。
これがイイ!っていう選手たちは、これから取り合いになるのかな。
そうなると実力のある選手たちが占めるようになり、それにあこがれる子供たちもその背番号を身につけるようになる。
そして、その子供も成長してNFLに入ったあかつきには、同じ番号を着用し…というサイクルが繰り返されていくような。
そういう意味では、そのチームのSingle digitsは、そうそうたる顔ぶれが並ぶようになるんだろうか…
今まで、そのポジションごとのエースナンバー、かっこいい背番号みたいなものがあったはずだ。
不変のスタンダードもあり、新しい流行もあり…
そうしたものが減っていくのなら、それは寂しいことだよね。
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