理解できているわけじゃないのに、忘れた頃にまた観たくなる。
リボルバーは、そうした作品のうちのひとつだ。
廻り続けるシリンダー
あ!わかった!
と感じるのは束の間こと。
シリンダーが回るように、次か次へと謎が浮かび上がってくる。
さっき自分の出した浅はかな結論が、それこそ「カモ」の愚かな思考だったのだと痛感させられる。
エンドタイトルを迎えたとしても、また新たな疑問が湧き上がり、シリンダーが止まることはない。
何度観ても、その時々で解釈も変わる。
こんな難解な映画を何度も観てしまうのは、その謎を解き明かそうという欲求が強いからではない。
ボールドで際立つキャラクターが演じるシーンにただただ魅せられるからなのだ。
- 最大の敵は思いがけぬ場所に隠れている。 – J・シーザー(紀元前75年)
- 上達する唯一の方法は強敵との勝負 – 『チェスの基本』(1883年)
- 投資した金を守れ – 『銀行家の心得』(1775年)
- 戦争回避は敵を利するのみ – マキャヴェッリ(1502年)
情報源: リボルバー (2005年の映画) – Wikipedia
ジェイク・グリーン
Jason Statham in Revolver (2005)
情報源: リボルバー (2005)
彼の執拗な独白が物語のわかりにくさを生んでいく。
彼の独白と他者の言葉が重なるとき、それは何をあらわしているのだろうか。
そもそも彼は本当に刑務所を出所しているのか。
混乱していく彼の姿が謎に拍車をかけていく。
マカ
Ray Liotta in Revolver (2005)
情報源: リボルバー (2005)
もしかするとすべてMr.グリーンの妄想なのではないか?
その疑念を振り払うのがレイ・リオッタの怪演だ。
仕掛け人に絡め取られ、余裕をなくしていく姿に、それが現実なのか妄想なのか、それはどうでも良くなってくる。
アヴイとザック
André 3000 in Revolver (2005)
情報源: リボルバー (2005)
Vincent Pastore in Revolver (2005)
情報源: リボルバー (2005)
この二人の際立つキャラクターが、この映画を唯一無二のものにしていると言っていい。
本当に存在しているのかという疑念も、ボールドな存在感で吹き飛ばしてしまう。
彼らは本当に独房で一緒だったゲームの達人たちなのか。
それとも、Mr.グリーンがアタマの中に作り上げてしまった存在なのか。
ソーター
そしてなんと言ってもソーター!
有能な会計士にしか見えないが、実は腕利きの殺し屋のソーター。
ひとりで多人数と戦うことを覚悟した彼がグロック18にロングマガジンを差し込み、セレクターをフルオートに切り替えるシーンが忘れられない。
緻密で策略に富んだゲームが物語全体を覆うなか、彼のシンプルで確実なエクスキューションはある種の快活さを与えてくれる。
またしばらく時間が経てば、きっとこの作品を観るだろう。
それほどに中毒性があるものなのだ。