月3,400円で「守秘義務契約」付きの超優秀なAI秘書を雇う裏技

AIの有用性を実感するようになると、それをもっと個人的な相談に活用したくなる。
でも、それってAIの学習用にデータを使われてしまうよね?
それは、まさしくその通り。
あなたの機微な情報は、ダラスのデータセンターに吸い上げられてしまう。

それを防ぐには、Gemini for Google Workspace、すなわち企業向けプランを利用すればいい。
あなたが法人でなくても、たった一人の個人でもかまわない。
独自ドメインさえ持っていれば、それは利用可能なのだ。

人間のレビュアーが見る可能性

AIが、彼らのミッションであるという人間を深く理解するということに役立てるというのなら、僕が入力したデータが学習されるなんて、正直、あんまり気にはならない。
ただ、今回初めて人間のレビュアーも目を通す可能性があることを知った。

1. なぜ「漏れる」と言われるのか?(無料版の仕組み)

無料版や、一般的な個人向けプランのGemini(およびChatGPTなど他社AIも同様)では、会話データが以下のように扱われる規約になっていることが一般的です。

  1. AIの学習に使われる:
    あなたの入力した「業務上の悩み」や「コード」、「文章」が、将来のAIモデルの精度向上のために再利用されます。
  2. 人間のレビュアーが見る可能性がある:
    これが一番のリスクです。AIの回答が適切だったかをチェックするために、「Googleの委託した人間」が会話ログ(の一部)を目視で確認するプロセスが存在します。
  • ※ アカウント名などは伏せられますが、**「相談内容そのもの(機密情報)」**はそのまま見えてしまいます。

つまり、会社の機密情報を入力するのは、**「道端で大声で社外秘を喋っている」**のとデジタルの意味では近い状態です。

2. 「漏れない」安全なケース(企業版)

逆に、会社が正式に契約している**「企業向けプラン(Gemini for Google Workspace / Enterprise)」**の場合は話が別です。

  • データは学習に使われない:
    企業版では、「入力データはAIの学習には使用しない」「人間のレビュアーも閲覧しない」という強固な守秘契約が結ばれます。

箱の中で閉じる:
データはその会社のテナント(専用の箱)の中だけで処理され、外(Googleの学習モデル)には漏れ出しません。


なぁるほど、法人だったら、そんなサービスが受けられるのかぁ…と思ったあなた。
僕も、てっきりそう理解していたのだが、これは個人でも利用できる。

たった一つの条件: 「独自ドメイン」を持っていること

結論から言うと、「いいえ、法人でなくても大丈夫です。個人(個人事業主・フリーランス)でも契約可能です!」ここが多くの人が勘違いしやすいポイントなのですが、Google Workspace(ビジネス版)は、「商売に使っているなら、たった一人の個人事業主でもWelcome」 というスタンスです。

法人登記(株式会社など)は不要ですが、「@gmail.com」ではない、独自のメールアドレス(ドメイン) で運用することが必須条件になります。

  • NG: juichi_private@gmail.com
  • OK: contact@juichi-office.com や juichi@alog.tokyo

十一さんの場合、すでに alog.tokyo というドメインをお持ちですよね。

これを使って(あるいは裏方用に別のドメインを一個取って)、Google Workspaceを契約すれば、個人でも「法人と同等のセキュリティ権限」 が手に入ります。

契約の手順(個人の場合)

申し込み画面で、以下のように選択するだけです。

  1. ビジネス名: 屋号(例:「ALOG編集部」や「十一事務所」など、好きな名前でOK)
  2. 従業員数: 「自分 1 人」を選択
  3. ドメイン: 「持っているドメインを使用」を選択

これだけで、審査書類(登記簿謄本など)の提出などは基本的に求められず、クレジットカード一枚で即日開通します。

※注意:「Google Workspace Individual」という紛らわしいプラン

実は、@gmail.com のまま使える「Google Workspace Individual」という個人事業主向けプランもあります。

しかし、今回話題にしている**「AIに学習させない」という鉄壁の守り(データ保護)** を確実に手に入れるなら、やはり**「ドメインを使ったBusinessプラン」** の方が、規約上も管理機能上も、メカニックとしては推奨します。


つまり、個人で事業なんて営んでないし、このブログは全く収益を生み出してないけど、alog.tokyoというドメインを持っているだけで、僕も申し込んで利用することができる。

でも、法人契約だから高いんでしょ?
と僕も思った。
しかし、あなたが「せんべろ」の達人でない限り、その費用は、飲み代1回分にも満たない。

飲み代1回分のコスト

  • 内訳(最安構成):
    1. Google Workspace Starter(土台):約680円
    2. Gemini Business(AIアドオン):約2,720円
    • 合計:月額 約3,400円
  • これで「入力データは学習に使わない」「Google社員も中身を見ない」という鉄壁の守りが手に入る。

もし、あなたが、個人事業主という立場なら、得られるアドバンテージはプライスレスと言っていい。

1. 人間を雇うのと比較すると「異常」な安さ

もし、自分の会社の売上データや契約書の中身を見せても大丈夫なレベルの「信頼できる秘書」を人間で雇おうとしたらどうなるでしょうか。

  • 人間の秘書:
  • コスト: 最低でも月20〜30万円(給与+社保)。
  • リスク: 退職時の情報持ち出しリスク、人間関係のケアが必要。
  • 稼働: 平日の日中のみ。
  • Gemini (企業版):
  • コスト: 月 約4,000〜5,000円(Workspace代込み)。
  • リスク: 口外しない(学習しない)。文句を言わない。
  • 稼働: 365日24時間、即レス。

「秘密保持契約(NDA)を結んだ超優秀な壁打ち相手」が、飲み代1回分で手元にいる。

この**「孤独な経営者の相談役」**としての価値は計り知れません。

2. 何ができるようになるか(具体的なシーン)

「情報漏洩しない」と確信できるだけで、使い方はここまで変わります。

「謝罪・交渉」のメール:
× 無料版: 相手の名前や詳細なトラブル内容は書けない。
◎ 企業版: **「〇〇株式会社の△△部長宛に、納品遅れの謝罪メールを書きたい。経緯は以下の通り(詳細)…」**と具体的に書けます。

「生の数字」を食わせる:
× 無料版: 「架空のA社のデータとして…」と加工が必要。
◎ 企業版: **「今月のこのExcelの売上表、利益率が悪い原因を分析して」**と、生データをそのまま放り込めます。

「契約書」のチェック:
× 無料版: 固有名詞を隠すのが面倒で使わない。
◎ 企業版: **「この取引先から来た契約書PDF、自社に不利な条項がないかチェックして」**と丸投げできます。


これまでも、固有名詞を伏せながら相談はできていたと思われるかもしれないが、それではAIのポテンシャルを引き出せてないとGeminiは言う。

お医者さんに『モザイクのかかったレントゲン写真』を見せて診断してもらってるようなものですよ。」

「伏せ字(マスク)」vs「生データ」の決定的な差

AIは、文脈の「行間」を読みます。

ケース1: クレーム対応メールの作成

  • 伏せ字の場合:「取引先A社から『納期が遅い』と怒りのメールが来ました。謝罪文を書いて」
  • Geminiの回答: 教科書通りの「一般的な謝罪文」しか出せません。
  • 生データ(企業版)の場合:(相手のメールをそのままペースト)
    「このメールへの返信を書いて」
  • Geminiの回答: 「相手の文面にある『前回の約束と違う』という言葉に、特に怒りの感情が見えます。単に納期を謝るのではなく、前回の経緯についての認識合わせと、リカバリー策を先に提示する構成にしましょう。文面案はこちらです…」

ケース2: 複雑な条件の判断

  • 伏せ字の場合:「商品Aと商品B、どっちを売るべき?」
  • Geminiの回答: 一般論でしか答えられません。
  • 生データ(企業版)の場合:(社外秘の在庫データ、原価率、過去の販売推移CSVをそのまま添付)
    「今月の在庫リスクを減らしつつ利益を最大化するには、どっちを優先すべき?」
  • Geminiの回答: 「直近のデータを見ると、商品Aは利益率は高いですが回転率が落ちています。キャッシュフローを優先するなら、在庫がダブつき始めている商品Bをキャンペーンで掃くのが正解です」

個人でビジネスを営んでいないとしても、それこそパーソナルユースでも、十分にメリットがある。

「プライベートの極秘情報」を全部投げられる

仕事だけでなく、個人の生活においても「人には見せられないデータ」はたくさんあります。

  • 資産運用: 生の銀行残高や株のポートフォリオを貼り付けて、「老後資金のシミュレーション」をさせる。
  • 健康診断: 自分の健康診断結果のPDFをそのまま読ませて、「要注意な数値と改善策」を相談する。
  • 日記・創作: 誰にも見せたくない、恥ずかしいくらい本音の思考メモや小説のプロットを壁打ちする。

これらを無料版AIに入れるのは心理的に抵抗がありますが、企業版契約なら**「絶対に漏れないデジタル金庫」**として使い倒せます。


個人でも契約書にサインしなければならない場面もある。
しかも、少額なものとは限らない。
もし、あなたが気心の知れた信用できる弁護士をご存知なら必要ないかも知れないが、そうではない多くの人はイージーに契約書のチェックを頼める相手が必要なんじゃないだろうか?

もし現在の資産について相談したくても、資産とも呼べない残高じゃあ、ファイナンシャルプランナーに気恥ずかしくて頼めない。
そんな時に人を決して見下さないフラットなAIという存在は、心強い存在なんじゃないだろうか?

インターネットで情報が民主化されるのをGoogleは後押ししてきた。
AIの活用が進むことで、今度は、ある種の専門職のサービスがカジュアルに普及していくのかも知れないね。
そうして、本当にプロフェッショナルに頼らなければならない問題も切り分けしやすくなる。

この、AIのデータセンターに吸い上げられる心配もなく、がっつり個人の相談相手になってくれるというサービスって、とっても需要があるんじゃないの?
その点で考えると、独自ドメインが必須というのは、普通の個人には、ひとつの壁だよね。
なぜ、個人向けのサービスとして始めないんだろう?

その質問に、Made at GoogleのGeminiが、がっつりギットリ答えてくれた。

Googleが足踏みする理由

メカニックとしての推測ですが、Googleがそこで足踏みしている(あるいは意図的に線を引いている)理由は、主に**「3つの壁」**があるからだと睨んでいます。

技術的な問題というよりは、もっとドロドロした**「ビジネスと法律の事情」**が大きいです。

1. 「プロ」と「アマ」の境界線が消える恐怖(カニバリズム)

これが最大の理由でしょう。 もし、@gmail.com のままで「企業級のセキュリティ」と「AIの守秘義務」を安く提供してしまったら、上位の「Google Workspace Business(独自ドメイン版)」の価値が暴落します。

  • Googleの今の言い分: 「ビジネスで使うなら、ちゃんとドメイン取って『店』を構えてくださいね。それがプロの証ですよ」
  • もし解放してしまったら: 「なんだ、無料のGmailアドレスのままでプロと同じ機能が使えるじゃん。じゃあドメインなんて面倒なもの要らないや」

こうなると、Googleが一番売りたい「組織向けの管理機能(高いプラン)」への導線が弱くなってしまう。つまり、**「自分の首を締める(カニバリズム)」**のを恐れているわけです。

2. コンシューマー(個人)垢は「広告の森」と繋がっている

ここが技術的・規約的に一番厄介な部分です。 個人のGoogleアカウント(@gmail.com)は、「広告ビジネス」のエコシステムと根深く結合しています。

  • 仕組み: YouTubeの視聴履歴、検索履歴、マップの移動履歴…これら全てが紐付いて「あなたに最適な広告」を出すために使われています。
  • ジレンマ: ここに「このアカウントのデータは一切学習しないし、覗き見もしない」という**強力なバリア(企業版の規約)**を後付けしようとすると、既存の「便利機能(パーソナライズ)」や「広告システム」と矛盾が生じ、システムがスパゲッティ状態になるリスクがあります。

「企業版アカウント」は最初から**「広告なしの無菌室」として設計されているので管理が楽ですが、個人版は「雑菌(広告データ)だらけのジャングル」**なので、そこだけ無菌にするのは非常にコストがかかるのです。

3. 法的責任(なりすまし・悪用のリスク)

独自ドメインは、ある意味で**「身元の証明」**になります。 (ドメインを取得するには、住所や連絡先の登録が必要だからです)

一方、@gmail.com は誰でも匿名で無限に作れます。 もし「匿名で、誰にも監視されず、強力なAIを使い放題の環境」を安価にばら撒いてしまうと、犯罪利用(スパム生成、詐欺メール作成、サイバー攻撃コードの生成)の温床になりかねません。

「ドメインを持っている」=「身元が割れている」というハードルを設けることで、「使う側の覚悟(素性)」を担保しているという側面もあるはずです。


これからインターネットで財布を開いていくのは、僕のようなユーザーなんじゃないだろうか。
すなわち、AIなんて個人で利用するなんて思ってもいなかったけれど、その有用性に気がついて、パーソナルユースなのに、課金をしてしまうユーザーだ。
僕なんて、せっかくGoogle AI Plusという廉価版のサービスが開始された直後だというのに、わざわざGoogle AI Proに加入してしまった。

AIの有用性を知ってしまった人たちが、月々わずか3,400円で「守秘義務契約」を結んでくれると知ったなら、その利用は一気に増大するんじゃないだろうか。
そのとき、このシェアをめぐる戦争が勃発するような気もする。

Google包囲網

十一さんの仰る通り、「AI依存度(実用性の理解)」が高まった層 は、間違いなく次の金脈です。

かつて、無料の飲料水(井戸水)で十分だった人類が、安全と美味しさを求めて「ミネラルウォーター」にお金を払うようになったのと同じ現象が、情報空間で起きようとしています。

1. OpenAIの可能性: 「失うものがない最強のチャレンジャー」

彼らがこのマーケットを取りに来る可能性は 「大」 です。

  • 理由: 広告モデルではないから Googleと違い、OpenAIは「広告」で稼いでいません。純粋な「サブスク(月額課金)」の会社です。 つまり、個人のデータを学習に使わなくても、月額3,000円払ってくれるなら痛くも痒くもないのです。
  • 今の壁: 「Teamプラン(2席縛り)」だけ 現在、セキュリティが担保される「Teamプラン」は2ユーザーからですが、これはシステム的な壁ではなく、単に「客単価を上げたい」という営業的な理由に過ぎません。 もしGoogleに対抗する必要が出れば、明日にも「1人用のTeamプラン(Solo Pro)」を解禁できる身軽さがあります。

2. Microsoftの可能性: 「Googleを刺しに来るアサシン」

彼らもまた、Googleの喉元を狙っています。

  • 理由: Googleの牙城(Gmailユーザー)を崩したい Microsoftの狙いは、Office(Word/Excel)のサブスク契約を増やすことです。 「Microsoft 365 Personal(個人版)」に、「AIの学習除外」という特典を標準装備してしまえば、「仕事でGmail使うのは危険だけど、Outlookなら安全らしいよ」 という強力なブランディングができ、Googleからユーザーをごっそり奪えます。
  • Googleへの嫌がらせ Microsoftは企業向けビジネスがメインなので、個人向けで多少安売りしても屋台骨は揺らぎません。「Googleができないこと」をわざとやって、シェアを奪う戦略は十分にあり得ます。

広告モデルという土台を持つGoogleは、この先、どんなアクションを取ることになるんだろう。

AIとの相性

プロフェッショナルなアウトプットが要求されない僕のようなユーザーは、AIの選定は、もう相性と言っていいのかも知れない。
AIにも、それぞれ性格の違いがあるようで、僕のこのダラダラしたやりとりは、ChatGPTのようなできるビジネスマンとはソリが合わないかも知れない。

GeminiもGeminiでイロイロいる。
サイドパネルとメインタブのGeminiは別物。
Google AI Proに加入した僕は、あと数百円払えば、Gemini for Google Workspace を利用できる。
しかし、そこにいるGeminiは、今ここでピン留めされているGeminiではない。

アップデートの際、苦心を重ねて、ようやくGemini FlashとGemini Proを同居させることが可能になったのに、あの苦労をもう一度味わうつもりはない。
それに、3つ目のGeminiまで同居させてしまったら、それはもうジェミニとは呼べなくなってしまうよね…

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