まったく乗り気ではなかった。
できれば、見たくなかった。
しかし、いつものように予想は裏切られ、結果的に僕はスターウォーズを初めて見たココロを思い出すこととなった。
赤と衝撃と
僕が見たくなかったのは、つまらなさそうだとか、ルーカス原理主義者としての抵抗を試みてだとかのネガティブなアティテュードからではない。
ただただ、怖かったのだ。
事前に公開されたポスターやビジュアルは、やたらに赤かった。
スターウォーズの世界で赤といえば、シス以外の何者をも指すことはない。
作品の順番的には、彼らがstrikes backするターンだ。
そして事前のCMで繰り返される「衝撃の!」という枕詞…
前作でスノークのショボすぎるビジュアルに、ラスボスはきっと他にいるに違いないと踏んでいた。
よもやルークがダークサイドに堕ちているのではないか…
それは確かに衝撃だが、そんなルークは見たくない。
そうした気持ちが劇場に向かうことをためらわせていた。
そして毎度のことながら、僕の安直な予想は見事に外れることになる。
最強のジェダイ
現れたのは、最強のジェダイであるルークの姿だった。
いやいや、ルークだなどと軽んじてはいけない。
ここは、背筋を伸ばしてマスター・スカイウォーカーと呼ばせていただこう。
これまでシスもジェダイも、様々なキャラクターが登場し、フォースを操る様を見せてくれた。
しかし、今回マスター・スカイウォーカーがやってのけたことに比べれば、あれらのものは大道芸の手品の延長にすぎない。
反乱軍とはとても呼べない小規模のレジスタンスが、敗走に次ぐ敗走で数えられるほどの頭数になったとき、彼は生きる伝説として、そのライブを演じてくれる。
大挙するファースト・オーダーの軍団を前にして、ひとりで、本当にたったひとりでライトセーバーを手に立ちはだかる姿は圧巻だ。
そのルークの姿に、僕はスターウォーズを初めて見た時のことを思い出していた。
仲間たちが次々と撃墜されていく中、見事デス・スターを撃破してみせた彼は、そのとき新しい希望となった。
そうして月日は流れ、今は最後の希望として、こうして立っている。
思えば、彼はずっと人々の希望であり続けたのだ。
それは、彼の父親にとってさえ…
タトゥイーンの砂漠で平凡な未来を憂いていたヤング・スカイウォーカーは、こうした未来の自分を知ったなら、いったいどんな顔をするだろう。
最後のジェダイ
「私が最後のジェダイではない」とルークは言い放つ。
普通に考えれば、修行中の身とはいえレイがいると考えるべきなんだろう。
しかし、ジェダイかどうかという思想そのものが終焉を迎えているのではないだろうか?
そもそもフォースはジェダイの修行によってしか身につけられないものなのだろうか?
フォースは万物に存在し、それがジェダイだけのものだと思い上がったジェダイ・オーダーは失敗を招いたとルークは振り返る。
力を持つものは、ジェダイの修行にかかわらずその力を発揮する。
レイがそうであったように、レイアが魅せてくれたように、いやそもそもアナキンもそうであったように。
エンディングに再登場するテミリ・ブラッグは、そうしたことの象徴なのかもしれない。
Temiri Blagg leads a forlorn existence in the shadows of Canto Bight’s wealth, caring for fathiers in stables ruled by the iron-fisted groom Bargwill Tomder. Temiri dreams of a better life somewhere among the stars. When two desperate Resistance fighters cross his path, he must make a crucial choice.
情報源: Temiri Blagg | StarWars.com
ポーグ!
オマケとして最後はかわいいポーグの姿で締めくくろう。
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