第60回スーパーボウル:歴史を背負うネイビー、過去を捨てるホワイト。色が告げる「新時代の幕開け」

第60回 スーパーボウルで着用されるユニフォームが発表された。
ホーム扱いで選択権のあったニューイングランド・ペイトリオッツは、ホワイトを選択。
その結果、シアトル・シーホークスは、またもネイビーを着用させられることになった。

ユニフォームジンクス

いつからか、白いユニフォームを着用することが勝利を呼び寄せるジンクスとして広まった。
過去59回全てのユニフォームのカラーによる勝率は、次のとおり。

🏈 過去59回のスーパーボウル ジャージ色別勝敗

ジャージの色勝利数勝率
白(ホワイト)37勝62.71%
カラー(有色)22勝37.29%

🧐 特筆すべき「ここ20年の異常値」

特に2000年代半ば(第39回以降)からの「白ジャージの勝率」は異常なレベル。

  • 直近21大会の成績(第39回〜第59回):
    • 白:16勝
    • カラー:5勝

その勝率は、実に76.2%。

緑かマホームズか

ここ20年ほどで「白ジャージ以外」で勝ったのは、以下の3チームだけ。
色で言えば、緑かマホームズかの2色しかない。

  1. イーグルス(緑):第52回、第59回
  2. チーフス(赤):第54回、第58回
  3. パッカーズ(緑):第45回

ペイトリオッツはオールホワイト

これまで11回もの最多出場を誇るLongest ダイナスティのユニフォームカラーによる戦績は、次のとおり。

🏈 ペイトリオッツ スーパーボウル全戦績とユニフォーム内訳

出場回数:11回(6勝5敗)

【白ジャージ (White Jersey) 着用時】

戦績:4勝3敗

年度対戦相手ジャージパンツ結果備考
第20回1985ベアーズWhiteRed敗北歴史的大敗 (10-46)
第31回1996パッカーズWhiteSilver敗北ブレッドソー時代
第39回2004イーグルスWhiteNavy勝利王朝確立
第49回2014シーホークスWhiteNavy勝利因縁の試合
第51回2016ファルコンズWhiteNavy勝利大逆転劇
第52回2017イーグルスWhiteNavy敗北撃ち合いの末
第53回2018ラムズWhiteNavy勝利守備戦

意外なことに、ペイトリオッツの歴史全体で見れば、白ジャージの勝率は高くない。
リーグの平均をも下回ってしまう。
だが、BB&TB Eraにおいては、4勝1敗と実に勝率は80%になる。
しかし、その白ジャージの下には、必ずネイビーパンツが着用されていた。

【青ジャージ (Navy Jersey) 着用時】

戦績:2勝2敗

年度対戦相手ジャージパンツ結果備考
第36回2001ラムズNavySilver勝利初優勝
第38回2003パンサーズNavySilver勝利2度目の優勝
第42回2007ジャイアンツNavySilver敗北完全優勝阻止
第46回2011ジャイアンツNavySilver敗北再びジャイアンツ

興味深かったのが、青ジャージを着用したときだ。
2敗となっているが、負けた相手はひとつしかいない。
イーライ・マニング率いるニューヨーク・ジャイアンツだ。

イーライ・マニング引退「愛国者キラーに喝采を」 – ALOG

イーライ・マニングは、2回だけ出場したスーパーボウルで、2回ともペイトリオッツと対戦し、その2回とも勝利をあげた。
スーパーボウルという檜舞台で、ペイトリオッツに2度も失望を味あわせたのは、イーライ・マニング率いるニューヨーク・ジャイアンツしかいない…

初めてのオールホワイト

今年、ペイトリオッツは、初めてスーパーボウルでオールホワイトを着用する決断をした。
彼らは、その着用にあたって、過去のことなど参照していない。
あくまで今シーズンの、マイク・ブレイベル HCにより新たなスタートを切ったチームが、アウェイで9勝0敗だったという事実に基づいてのみ、判断したのだ。

シーホークスはオールネイビー

シーホークスは、その結果がくっきりと浮き彫りになっている。
すなわち、白ジャージ以外では勝ったことがない。

🦅 シーホークス スーパーボウル全戦績とユニフォーム内訳

出場回数:3回(1勝2敗)

【白ジャージ (White Jersey) 着用時】

戦績:1勝0敗(勝率 100%)

年度対戦相手ジャージパンツ結果備考
第48回2013ブロンコスWhiteNavy勝利球団史上初優勝 (43-8)

特記事項: ペイトン・マニング率いる史上最強オフェンスを、完膚なきまでに叩き潰した伝説の試合。この時着ていたのが、**「白ジャージ × ネイビーパンツ」**でした。 (※奇しくも、ペイトリオッツの最強パターンと同じ配色です)

【青ジャージ (Blue / Navy Jersey) 着用時】

戦績:0勝2敗(勝率 0%)

年度対戦相手ジャージパンツ結果備考
第40回2005スティーラーズBlueBlue敗北疑惑の判定に泣く
第49回2014ペイトリオッツNavyNavy敗北残り1ヤードの悪夢

チーム創立50周年のパッチ

30年目の信託財産 シアトル・シーホークス – ALOG

チーム史上初のオールホワイトで臨むペイトリオッツに対して、シーホークスのユニフォームには、その歴史を振り返るパッチが加えられている。

このユニフォームの組み合わせが決まったとき、僕の脳裏に、あのJust One Playの残像が蘇った。

ゴールラインまで1ヤードのところで、投じられたスラントをINTというアンリアルなプレイ。NFL100年のベストプレイランキングで、堂々の5位にランクされている。

Super Bowl LX:Gemini Next Gen Stats ── 自ら「デバッグ」したQBの再起動 – ALOG

だが、こうして詳細に見ていけば、全く違うユニフォーム同士の対戦ということになる。
新たな選択をした、オールホワイトのペイトリオッツ。
創立50周年という時の重さを刻み込んだ、オールネイビーのシーホークス。
さらに言えば、シーホークスは、現オーナーによる最後のスーパーボウルの可能性が高い…

まさにスーパーボウルに出場しようとするチームが売却される?
そんな前代未聞の報道が流れ始めた。
創立50周年を迎えたシアトル・シーホークスが、スーパーボウル終了後に売却されるというのだ。

30年目の信託財産 シアトル・シーホークス – ALOG

新生ヘッドコーチ対決

両チームともヘッドコーチが刷新されている。
あのとき、アンリアルな幕切れを見守った二人のコーチは、もうサイドラインにはいない。

対極的なキャラクターの2人は、そのキャリアをクロスオーバーさせながら、リーグにしっかりと足跡を残してきた。
そんな2人の直接対決となったスーパーボウルは、そのアンリアルな幕切れにより、忘れることのできないものとなった。

ビル・ベリチックとピート・キャロルの忘れがたいスーパーボウル – ALOG

ふたつのチームをエリートチームに育て上げた、ふたつのでっかいアイコンは、もういないのだ。

そのあとを引き継ぎ、彼らのやり方で、チームを生まれ変わらせ、再び檜舞台に引っ張り上げたのは、シーホークス就任2年目のマイク・マクドナルドと、ペイトリオッツ就任初年度のマイク・ブレイベル。
そうなれば、昔話はもうやめて、あらたなJust One Playの誕生に期待しようじゃないか。

アメリカ建国250周年

今回のユニフォームが特別なのは、今年だけのパッチが加えられているからだ。

USA 250 patch to debut at the Super Bowl and be on uniforms in several sports leagues

このパッチは、これから、NBAファイナル、スタンレーカップ決勝、7月4日の野球の試合、そしてフィラデルフィアで開催されるMLBオールスターでも着用されることになる。
その口火を、最もアメリカを象徴するイベントとも言えるスーパーボウルで切ることになる。

さらにフライオーバーも、史上初のアメリカ海軍と空軍の合同チームによって実施される。

2026 第60回 スーパーボウル Flyover:250年目のオールスター – ALOG

これまでの歴史の重みを受け止めながら、ここから新しい一歩を踏み出す。
そうした節目のスーパーボウルになるのかもしれないね。
そうだ…
スーパーボウル自身も、60回という節目のときだったね…

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