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探偵はBARにいる3

「探偵はBARにいる3」見た人のためのレビュー(3)「ちょっと頑張る高田の事情」

今度の高田は一味違う。
できることなら一日中寝ていたい男から、もっとも遠いところにある努力というものを嗜み、なんと呼ばなくても現れるのだ。
それには、いくつかの事情がある。

最強の敵「波留」

ひとつ目の事情は、この男だ。
これまで、どんな相手と対峙しても涼しい顔であしらってきた高田が、ただ一度、拳を交えただけで、「無理だ。強い。」とあきらめてしまうほどの強さを持っている。
この男を倒すため、高田は道場で汗を流し、呼ばれなくても登場する。
そして、空手の師範代ともあろう男が、およそ「道」がつくとはいえない手段で、昭和から平成に伝わる伝統的な必殺技で、なりふりかまわず、ようやく倒すことができるのだ。

志尊淳が演じる波留という男は、今風のビジュアルに気を使ったイケメンであり、今風の若者特有の「だりぃ」言動で、ポケットに手を突っ込んだまま相手をなぎ倒す凄腕を持っている。
一作目の高嶋政伸演じるカトウ以来の、強いアクセントのきいた悪役だ。

札幌との別れ

高田は、本業の酪農研究のために札幌を離れることになっていた。
ニュージーランドの酪農を学べる機会を得た彼は、その道を選び、探偵も餞別付きで快く送り出す。
感傷的になっているからなのか、今度の高田は一味違う。
なんと、機転がきくのだ。
呼ばれておっとり現れちゃ、いる奴を叩きのめすだけの男ではない。
知恵を働かせて、探偵が囚われている状況を把握し、その脱出経路まで手配済みだ。
高田くんは、ここにきてようやく用心棒から相棒への格上げとなる働きぶりだった。

エンドロールが終わった後で、ニュージーランドの酪農を学んでいる最中の高田と探偵が再会を果たす場面が用意されている。
ま、見た人なら知ってるか…

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