前作から4年の間、音沙汰がなく、自然消滅しちゃったかなぁと思っていた。
内容的に失速してしまった2作目を見れば、致し方ないのかと。
だから、時間をかけて持ち直した本作の登場は、素直にうれしい。
正直言うと、あまり期待していなかったのだから…
4年の熟成期間
出来の良かった原酒である1作目が、分量を間違えた水割りのように薄まってしまった2作目。
そして今回は、シェーカーから選びなおして、キリッとしたカクテルに仕上がっている。
4年の間、大泉洋は、相当に脚本にこだわったらしく、脚本家の古沢良太に何度も何度も書き直しを命じたようだ。
その恨みを晴らすかのような台詞が、きちんと埋め込まれている。
北海道好きの松田龍平は、早く北海道に行きたいために、「もう面白くなくてもいいから、早く撮影はじめましょうよ!」とせっついていたらしいが…
ともあれ、主役様のこだわりのおかげで、僕らはまた次回作を楽しみにできる状況におかれたわけだ。
気づけば7年
ふと気づけば、1作目から、もう7年の歳月が立っている。
あらためて1作目を見返してみると、みな若い。
映画『探偵はBARにいる3』2017年12月1日(金)公開! 大泉洋・松田龍平主演、吉田照幸監督、シリーズ最新作。第3弾ヒロインは北川景子!【最高のコンビ】が迎える【最大の危機】。 悲しくも激しい【最後の事件】が始まった。
北海道日報の松尾記者も、喫茶店モンデの峰子も、桐原組若頭の相田も、みな若かった。
それは、探偵も高田も同様だけど。
あと何本見れるかなぁと素直に思う。
ルパン三世と違って生身の役者が演じるこのシリーズは、いつか物理的な限界を迎えてしまうのだろう。
ススキノに観光程度にしか立ち寄ったことがないくせに、ススキノにいる探偵と仲間たちに魅せられてしまった僕は、来たるべき時を先取りしては寂しさを感じてしまう。
このシリーズは、ナポリタンのようなものだ。
ナポリタンは、ただナポリタンであることを要求される。
目新しさも革新も望まない。
そして僕は、その当たり前のナポリタンをできるだけおかわりして行きたいのだけれど…
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