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TRUE DETECTIVE シーズン 4 Night Country 観た人のためのレビュー「We’re All in Night Country Now」

ついにU-NEXTで、トゥルー・ディテクティブ ナイト・カントリーの配信がスタート。
待ち望んでいた僕は、全6話を一気に駆け抜けてしまった。

ビリー・アイリッシュによるOP

True Detective: Night Country – Peter Anderson Studio

オープニング・タイトルは、ビリー・アイリッシュのオリジナル。
彼女の楽曲と一体となったオープニング・タイトルの映像は、TRUE DETECTIVEの世界観を正しく受け継ぎ深めてくれる。
そうしてあなたも、このNight Countryの闇の中にスッと溶け込んでいくことだろう。

True Detective: Night Country | Official Trailer 

アラスカ州エニスに長い冬の夜が訪れると、ツァラル北極研究基地を運営していた8人の男たちが跡形もなく消えた。事件を解決するために、刑事のリズ・ダンバース (ジョディ・フォスター) とエヴァンジェリン・ナバロ (カリ・レイス) は、自らが抱える闇と対峙し、永遠の氷の下に眠る幽霊のような真実を掘り下げなければなりません。

True Detective | Official Website for the HBO Series | HBO.com

Case or Phenomenon

事件なのか、超常現象なのか?
あまりにも不可解な科学者たちの死に、それは事件なのか、それとも何かの超常現象なのかの判別さえつかない。

だが、これは、この現象は、事件として見事にクローズを迎える。
それは、正義感でもなく、真実を追求しようとする姿勢でもなく、これまでのTRUE DETECTIVEたちのように、ただただ事件をクローズしようとする執念の賜物だ。
だから、事件は解明され、説明がつく。
ただし、それは、ほとんどの部分であって、その全てではないが…

The HBO detective drama wrapped up with a dramatic finale which controversially left fans with some big questions. But it was all the better for that.

Why True Detective: Night Country was better for its unsolved mysteries

ダンヴァースとナヴァロ

白人で署長でもあるダンヴァースと、アラスカなんて名前がつくずっと前から住みついている先住民族の血を引くナヴァロが、今回のバディだ。
以前はバディだった2人だが、ある事件を境に、ナヴァロは州警察に移動させられてしまった。

ともに悲劇的な家族の喪失を経験しており、ダンヴァースは反抗期真っ盛りの娘に手を焼いている。
そして、ナヴァロには、精神疾患を抱える妹が重たくのしかかる。
だが、彼女をもっとも不安にさせているのは、そのDNAだ。
精神疾患を患い悲劇的な最期を迎えた母親にはじまり、それは一家にかけられた呪いだと感じている。
なにせ彼女にも、死者の声を聴く力があるのだから。
そうしてダンヴァースも、死者からのシグナルを受け取るようになる。

TRUE DETECTIVE史上初の女性警官たちは、これまででもっともタフかもしれない。
あれこれ強請るネタのある男と違って、彼女たちには、そうした弱みが見受けられない。
だから、真っ直ぐに事件のクローズに突き進んでいく。
ねんごろの男の家に押しかけちゃ、勝手にのしかかるのも、そうしたタフさの現れかもしれないが…

第3の男 ピート

インプレッシブだったのが、Finn Bennettが演じた若い警官ピートだ。
地元育ちのおっとりとした優しい男は、今回のケースに直面することで、その能力をメキメキと開花させていく。
それは、ダンヴァースが封印していた不都合な真実にたどり着くほどに…

そうして彼も、これまでのTRUE DETECTIVEの他の警官たちのように、大きな大きな瑕疵を背負うことになる。
一生消えることのない瑕疵を…

Night Country 

2ヶ月も太陽の昇らない真冬の極夜
その時期のアラスカをナイト・カントリーと表現しているのだと思っていた。
だが、ことはそうシンプルではない。

先住民から取り上げた土地を汚染し続けて繁栄を享受する。
環境汚染を計測しているはずの研究機関は、別の研究を容易にするために、汚染濃度を高めることを企業に依頼する。
汚染が進む水に、先住民の新生児たちは生まれてまもなく命を落としていく。

光を当てようがない営みに精を出す人間は、いっそう暗い闇夜に沈み続ける…

シーズン1の符号

そんな研究機関に出資をしていたのは、タタル社だった。
そう、シーズン1をご覧の皆さんならご存知なように、あの悪名高いタタルだ。
そして、あの忌々しいカルトが用いていたのが、この渦巻だ。

どう考えても、先住民族の方が古くから使用していたであろう、このアイコン。
アラスカとの繋がりの中で、この存在を知ったタタルが、あのカルトに使用したというのか。
本来、自然に畏敬の念をあらわすアイコンが、あのような闇深い畜生カルトに利用されるとは…
それとも、自然界の忌むべき存在をあらわすものなのか。
そもそも「彼女」とは誰のことを指しているのか?

トラヴィス・コール

今回、ラスト・コールの父親が登場した。
アラスカで死んだとされているトラヴィス・コールが。

そもそも、なぜトラヴィス・コールは、アラスカに移住することを決めたのだろうか?
物語は、OLDEST STORYに集約されていくのだろうか…

そして、シーズン5の製作も決定。

目の離せないシリーズが続いていくことになりそうだ。
若きラスト・コールが父親と登場なんてこともあるんだろうか…

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