東京都新宿区百人町の一角、JR新大久保駅のすぐ近くに当たるものに利益（りやく）があると言われ、願い事が百発百中叶うといわれている神社がある。
JR新大久保駅と大久保駅に挟まれた雑踏の中に、その「皆中稲荷神社 」はひっそりと鎮座している。
そもそも百人町の由来となった徳川幕府の鉄炮組百人隊が、この地に駐屯したことが、そのきっかけ。
思うように成果が上がらず悩んでいた鉄砲組与力の夢枕に、稲荷大明神が立ち射撃を伝授した。 すると、射撃は百発百中の腕前になり、願い事も叶うようになったという。
この霊験が評判を呼び、たくさんの人を集めるようになった。
通りはとっても賑やかなのに、一歩境内に足を踏み入れると、音は消える。
たいして広くはない境内のはずなのに、しっかりと外界と隔絶される。
「当たる」ものにご利益があるところなので、明治神宮のように観光客や穏やかな人達 は見かけない。
皆、独りでつかつかと現れて、キュッと口を固く結んだまま参拝している。
静かに、長く、微動だにせず 参拝している。
その姿は、ストイックなスナイパーのようだ。 世界平和などではない、シリアスな勝ち負けのある願い事を携えて、ここを頼るのだ。
ここですれ違う人達は、違う戦争を戦っている戦友のような気がする。
願い事が叶うといいね。
僕も、あなたも。。。
