独白

おひとりさまの新しい選択肢 「合併ではなく提携という結婚のあり方」

野暮用で久しぶりに同級生に連絡を取った。
大学の同級生である彼は、浪人生活を2年も楽しんだために、同級生といいながら2コ上になる。

彼は、バツが一個もついていない綺麗な独身。
仕事の方は、大手銀行の支店長となったのだから優秀なのだろう。
生憎、馬鹿話しかしないために、彼がどれほど優秀なのかを感じる場面はないのだけれど。

ふと会話の中で孤独死の話になった。
一人暮らしの彼は、セキュリティ対策のとられたマンションに住んでいる。
人が自由に出入りしづらい環境は、死後発見されるまで時間がかかるんではなかろうかという疑問がわき上がった。
しかし、いわゆるニオイというもので見つかるのではないかと指摘をしたが、最近の気密性が高くエアコン完備のマンションでは、それすらも困難な環境ではなかろうかとの結論に至った。
結論として、人目につかない家の中では、出来るだけ死なない。
職場か戸外でそのときを迎える。
という、よくわからない努力目標を設定することになった。
そんな彼に象印のみまもりほっとらいん東京ガスのみまもーる のコトを伝えると、妙にハラに落ちていた。
いわゆる老人ではない人達でも、十分にこれらのサービスのターゲットとなるようだ。
とはいえ、いくら同級生だからといって、僕がモニタリングするのは勘弁してほしい。

「もう結婚という選択肢はないのか?」
「さすがにめんどくさくって。。。」

まあそれもよくわかる。
現在結婚継続中でも、アレコレ面倒くさいが、それを新たに始めるなんて僕にすらそのデザイアは湧いてこない。
まあ、死後迅速に発見されるだけのために結婚するなんて打算を通り越して、ほんとうにただの手続きだ。
ただしかし、別の角度から見てみると、一考の余地はある。
実はこの先も案外長い人生が待っている。
いわゆる平均的な余命でいくとこれから30年も続いてしまうかもしれない。
一線でバリバリと働く時間はなくなって、ゆったりとした時間の中で30年も生き存えていく。

独りでやっていけるのだろうか?

もちろん、二人なら間違いなくやっていけるという保障はないけれど。
だがこれから、この年から誰かさんと価値観をすりあわせるなんて相当に面倒くさいのは、よくわかる。
若くまだ考えが柔軟なうちにその作業を始めても、その出来映えをイマイチ誇れない僕からすると、その労力は計り知れない。

だからこれは提案なのだが、がっつりと諸々をすりあわせる「合併」型の結婚ではなく、お互いがそれぞれの価値観を維持したまま柔らかく寄り添う「提携」型の結婚というのはどうだろう?

夫婦という有機的結合物を目指すのではなく、一番近い他人を目指すというスタンスはどうだろうか?

「自分の色に染めよう!自分の価値観に塗りつぶそう!」
ではなく
「そういう考え方もあるんだね」
と受け止めていく関係。
気持ちよく共同生活を送れるパートナー関係の構築。
もしかしたら、完全同居というのも必須条件ではないかもしれない。

前向きな別居。

たまにお泊まりするくらいでちょうどいいのかもしれない。
もちろんその先の有機的化合物として夫婦も目指してもいいのだけれど、最初からソコがゴールに設定されていると荷が重いだろう。
だからその手前で良しとして、その先はエクストラという考え方のほうが気が楽ではないだろうか。
考え方によっては、「長いお見合い」というか「結婚のOJT」という表現も出来るかもしれない。
まあしかし、それもゲーム感覚として楽しめればいいんじゃなかろうか。
絶対失敗できないと、肩に力を入れすぎた選択は、ろくな結果を生まないのだから。
それにともなって従来の結婚相談所とは違うスタイルの出会いの場は必要かもしれない。

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