教科書通りのタックルとは、よく用いられる表現だ。
だが、もし教科書にタックルというページを作るのなら、このタックルをまるごとそのまま載せればいい。
第4週に、ラスベガス・レイダースのハンター・レンフロウが魅せたタックルは、それほどにしっかりとした美しいものだった。
そうして、彼のタックルは模範にするべきものだとして表彰されることになった。
WEEK 4- HUNTER RENFROW
情報源: NFL Way to Play | NFL Football Operations
適切な相手の場所に、きちんと両手を回して、しっかりと肩でヒットする。
何度見ても美しい。
そして、強烈だ。
ラスベガス・レイダースの選手が10人しかフィールドに出ておらず、タイムアウトも取られない。
すかさずパントからパスに切り替えた、ロサンゼルス・チャージャーズのパンターの判断は見事だ。
そしてレシーバーも責めることはできない。
ボールに触っただけでは、確保をする前では、あんなタックル食らったら、どうすることもできない。
Next Gen Statsで見ると
Raiders punt returner Hunter Renfrow breaks up a Chargers fake punt (on 4th-and-12) by covering 10.4 yards in 1.5 seconds to force an incomplete pass and a turnover on downs.
Renfrow reached a top speed of 17.04 mph in pursuit.#LVvsLAC | #RaiderNation pic.twitter.com/KK2VNuIYmo
— Next Gen Stats (@NextGenStats) October 5, 2021
特筆すべきは、彼の迷いのないパシュートのコースだ。
迷いなく正しいポイントに最短で到着した彼は、時速27kmにも達してる。
そのスピードで、正しいフォームのタックルをお見舞いされたら、チャージャーズは、ハンター・レンフロウを称賛するしかないだろう。
もっともチャージャーズのコーチは、拍手を送る代わりにサイドラインで飛び上がっているけれど…
NFL WAY TO PLAY
そうして彼の、このタックルは、第4週のNFL WAY TO PLAY awardを受賞することになった。
NFL WAY TO PLAYは、正しいフットボールのテクニックを啓蒙するために4年前から活動を開始している。
2021シーズンは、これまで全てオフェンスラインが受賞してる。
その中には、印象に残った第3週の49ersのトレント・ウィリアムズのあのブロックも。
情報源: NFL Way to Play | NFL Football Operations
このほかにも生きた教科書が見せる実際のプレイがライブラリー化されているので、ぜひ潜り込むことをオススメします。
受賞したハンター・レンフロウは、2,500ドルの設備助成金を受け取り、彼の指定する地域の青少年か高校にそれを寄贈することができる。
NFLは本当にあらゆる角度から、普及と育成に努めていことがよくわかる一面だ。
Just One Play
観客の視点から言えば、僕らは勝ち負けだけを楽しみにしているわけではない。
すげぇ!という、ただひとつのプレイの説得力を味わいたいのだ。
その1プレイの重要さを、ペイトリオッツオーナーのロバート・クラフトが以前語っていた。
放送局がわれわれになぜ資金を投入するのか、フットボールがなぜアメリカで最もエンターテインメント性のあるプロダクトなのか、これを本当に知る者は多くないだろう。
それは1プレーがシーズン全体を一変させる可能性があるからだ。
たった1人による1プレーがだ。
情報源: SHO TIMEとプロというスポーツ | ALOG
勝ち負けにしか興味のない人物だと思っていただけに、意外な発言だと記憶している。
Next Gen StatsとNFL WAY TO PLAYは、スーパーボウルリングの行方だけじゃなく、ひとつひとつのプレイを味わい深いものにしてくれる。
そういうものを、いちいち楽しみたいよね。
星取表だけではなく…