フットボールの正しい技術を啓蒙するために、毎週、最高のお手本のプレイを披露した選手を表彰するNFL WAY TO PLAY。
2022シーズンSUPER WILD CARD WEEKENDの受賞者となったのは、ロサンゼルス・チャージャーズのS アロヒ・ギルマン。
対象となったのは、パスを落球させるほどのハードで、しかしクリーンなタックルだ。
SUPER WILD CARD WEEKEND – ALOHI GILMAN
Chargers S Alohi Gilman picks up the award this week.
情報源: NFL Way to Play | NFL Football Operations
落球させるほどのハードヒットでありながら、ヘルメットを使わずショルダーで、相手の頭や首ではなくボディへのクリーンなタックル。
アロヒ・ギルマンは、ミネアポリスからゴールデンドームへ、海軍兵学校からノートルダム大学へ転校したという経歴を持っている。
2年生の時には、すでに転校したようだけど、あのArmy-Navy Gameには出場したのだろうか。
勝率予測1.2%からの大逆転劇
しかしチームは、歴史に残る大逆転劇を味あわされることになってしまった。
点差としては、NFL プレイオフ史上3番目の大逆転劇。
そして、勝率予測1.2%からの大逆転劇は、今シーズン5番目のあり得なさ。
Travis Etienne (25-yd run)
On 4th & inches, the Jaguars offense lined up with three players in the backfield. It was the 6th time an offense has lined up with three players in the backfield on fourth down. The Jaguars accounted for half of them.#LACvsJAX | #DUUUVAL pic.twitter.com/1lzFBiqrEX
— Next Gen Stats (@NextGenStats) January 15, 2023
印象的だったのは、逆転FGのお膳立てにつながったジャガーズのギャンブルプレイだ。
スプレッドに対してもQBスニーク警戒で中央を固めるチャージャーズの守備。
それを見たHC ダグ・ピーダーソンは、慌ててタイムアウト。
ヘルピング・ザ・ランナーのルール軽減で、QBごと後ろから押し込むために、最近よく見られるOLD SCHOOLなノーマルTにシフトし直した。
躊躇なく中央に集まったディフェンスに対してコールされたのが、これまたOLD SCHOOLなエンドラン。
僕がNFLで、この体型からこのプレイが行われたを見たのは初めてかもしれない。
神は細部に宿るとはいうけれど、こうしたきめ細かな対応が勝負を分けたのかもしれない。
その対極にあるのが、チャージャーズのジョーイ・ボサの振る舞いだろう。
判定への不満に感情をコントロールできなくなると2度もフィールド内でヘルメットを叩きつけ、喉から手が出るほど2ポイントが欲しかったジャガーズに1ヤードラインから、それを実行する権利を献上してしまった…
もし、これが失敗していれば勝敗の行方は分からなかっただけに残念だ。
そうした問題は、いわゆるチームの規律に根ざすものなのだろうか。
2015シーズンのスーパーボウルで、ペイトリオッツのマルコム・バトラーのアンリアルなインターセプトの後、感情がコントロールできなくなったシーホークスが反則を犯したことを思い出した。
あの時ペイトリオッツはボールを得たとは言っても自陣エンドゾーン直前、何かが起こる可能性はあったのに…
プレイオフ史上初のチーム
The Chargers became the first team in NFL playoff history to lose with a 5+ turnover margin.
(via @EliasSports) pic.twitter.com/THI1N9cFqb
— ESPN (@espn) January 15, 2023
こうしてチャージャーズは、プレイオフで5つ以上のターンオーバーマージンを得ながら敗戦を喫するというNFL史上初のチームとなってしまった。
早速、チャージャーズはオフェンス、ディフェンスともにコーディネーターの首をすげかえるようだ。
しかし、単なるチェスの打ち手を変えるだけでは、問題は解決しないのではないだろうか。
そう、コーチが必要なのだ。
そうしてチームを生まれ変わらせた新しいコーチが向こう側のサイドラインに立っていたのは、ただの偶然というわけではないのだろうね…