iOSとmacOSではFirefoxのエンジンが異なる:WebKitとGeckoの狭間で

活性化しているFirefox。
現在のバージョンは、151。
メインブラウザにできるかなと思って、iPhoneとMacBook Airで、あれこれ試してる。
その中で、気づいたことをちょっとまとめてみる。

Firefoxの強化型トラッキング防止機能

iOSのFirefoxでは、広告ブロッカーをインストールすることができない。
そのことが、メインブラウザにする上での足枷だった。
Safariでは、iOSでもmacOSでも、uBlock Origin Liteが利用できるからだ。

でも試しに、強化型トラッキング防止機能の設定を「広範囲」にしてみると、案外調子がいい。
強力な動画系のアレには歯が立たないけど、フツーのサイトの広告は、バシバシ弾けてる気がする。

これはもちろん、デスクトップ版でも、macOS版でも設定できる。
ただし、挙動に違いが見られる。
例えば、僕のブログで言えば、シェアボタンがいっさい表示されなくなる。
iOS版では、当たり前に表示されているのに。

なぜなんだろうとGeminiに聞くと、iOS版とmacOS版では、中身のエンジンが全く別物なのだと教えてくれた。

iOSでのエンジンは全て「WebKit」

すごく鋭いところに気がつきましたね。同じ「Firefoxの厳格モード」なのに挙動が違うのは、実は「ブラウザの心臓部(レンダリングエンジン)」がOSによって全く違うからなんです。

種明かしをすると、理由は大きく2つあります。

1. iOS上のブラウザは、すべて「中身がSafari」である

Appleはセキュリティと品質管理の理由から、「iOS上で動くブラウザアプリは、すべてApple製のWebkitというエンジンを使わなければならない」という厳格なルールを敷いています。

iOS版のChromeも、Edgeも、Braveも、App Storeで配信されているすべてのブラウザアプリは、中身(レンダリングエンジン)はすべてSafariと同じ「WebKit」です。

Appleが「iOS上で動くブラウザは、絶対にうちのエンジンを使わなければならない」という強硬なルール(App Storeガイドライン)を敷いているため、GoogleやMicrosoftのような巨大企業でさえも逆らえません。

つまり、iOS版のFirefoxは、外見はFirefoxですが、中身はAppleのエンジンを使っている「FirefoxのコスプレをしたSafari」のような状態です。そのため、広告やトラッカーのブロックも、Appleが用意したシステムの制限内でしか行うことができません。

2. macOS版は「純度100%のFirefox(Geckoエンジン)」である

一方、macOS版のFirefoxは、Mozillaが独自開発した「Gecko」という強力な自前エンジンで動いています。

この純度100%のFirefoxの「厳格」モードには、「ソーシャルメディアトラッカーのブロック」という非常に強力な機能が備わっています。

WebKitとGeckoの違い


SafariとFirefoxのエンジンは、作っている組織の「Webに対する思想」が根本的に違うため、それぞれ全く異なる進化を遂げてきました。

大きく分けると、それぞれの正体はこうなっています。

1. Safariのエンジン「WebKit(ウェブキット)」

  • 開発元: Apple
  • 最大の目的: 「省電力」「なめらかさ」「Apple製品との完璧な調和」
  • 特徴:
    とにかくMacやiPhoneのバッテリーを長持ちさせ、スクロールした時の「ヌルッ」とした気持ちいい動き(レンダリング)を実現することに特化しています。Appleのハードウェア(チップ)に極限まで最適化されているため、MacやiPhone上で使うと最も軽快に動きます。
    セキュリティやプライバシー(ITPという機能)にも厳しいですが、あくまで「Appleの用意した綺麗な箱庭の中で快適に過ごしてもらう」というスタンスです。

2. Firefoxのエンジン「Gecko(ゲッコー)」

  • 開発元: Mozilla(モジラ財団という非営利団体)
  • 最大の目的: 「特定の企業に支配されないオープンなWeb」「ユーザーの権利とプライバシーの死守」
  • 特徴:
    利益を追求する企業ではなく、非営利団体が作っているという点が最大の違いです。GAFAM(GoogleやApple)の都合に一切忖度しないため、先ほどの「シェアボタン(トラッカー)を画面から完全に消し去る」といった、企業なら躊躇するような容赦のないプライバシー保護機能を平気で実装できます。
    また、拡張機能(アドオン)に与えられている権限が非常に深いため、広告ブロックなどのツールが最も強力に機能するのもGeckoの特徴です。

両者の「決定的な違い」

この2つのエンジンの違いは、技術的なスペックというよりも「誰の利益を守るために作られているか」という哲学の違いに表れます。

  • WebKit(Safari)は、「ユーザーに快適な体験を提供しつつ、Appleのエコシステム(iPhoneやMacの価値)を高めるため」のエンジンです。だからこそ、iOSでは他社にエンジン作りを許さず、自社のWebKitを強制しています。
  • Gecko(Firefox)は、「巨大企業がWebのルール(配管)を独占しないよう、ユーザーの主権とデータを守るため」のエンジンです。

iOS Firefoxにはタブグループがない

iOS上のAppleの強い規制を実感するよね。
それは、タブグループにもあらわれている。
一説には、あまり使われていないと言われるタブグループだけど、僕は結構お世話になってる。

macOS Tahoeにアップデートして、かちゃかちゃ遊んでいたら、Safari タブグループ切り替えのショートカットキーを発見した。 ずっと探していたものを見つけられて、ブラウジングが一気に快適になった。

Mac Safari タブグループ切り替えのショートカットキー発見 | ALOG

で、もちろん、Firefoxでもタブグループは利用できる。
ただし、デスクトップ版だけ。
そう、iOS版では、利用することができないのだ。

それが、タブグループに依存している僕には、ちょっとした障壁になる。
ここにも、Appleのプラットフォームの特権が存在するんじゃないかとGeminiは言う。


SafariはAppleが開発したブラウザであり、iOSのOSレベルで深く統合されています。

  • OS機能の独占: 「タブグループ」のようなシステム全体と連携する機能は、AppleがSafariだけに開放しているAPI(OSとアプリを繋ぐ窓口)を使っている可能性が高いです。
  • シームレスな同期: AppleのiCloudとSafariは一心同体です。タブグループを端末間で瞬時に同期させ、管理する仕組みは、Appleのエコシステム内だからこそ提供できる「特権」といえます。

シェイクして要約

iOSとAndroid版では、シェイクして要約する機能が実装された。

iPhoneで試してみると、その要約結果はまだイマイチという感じ。
iPhoneでは、Apple Intelligenceがオンデバイスで処理している。
データが外部のサーバーに送られないという強みがあるけど、ちょっとAIのパワー不足を感じるかな。

Androidでは、Mozillaのクラウドサーバーに送信して、フランスのAI企業が開発した「Mistral-Small(ミストラル・スモール)」というモデルを使用して処理されるそうだ。
Androidユーザーのみなさん、要約結果のクオリティはどうだろう?

かちゃかちゃと併用で

Firefoxには、独自のタブスイッチャーとか強力なスクリーンショット機能とか、Safariにはないものがいくつもある。
Tumblr拡張機能も存在するし。

しかしまた、Tumblrの日本語入力に関するバグはずっと消えないし、タブグループの同期も行うことはできない。

やっぱり、かちゃかちゃと併用していくしかないのかな。
本当は、シンプルにひとつで行きたいんだけれど。
しょっちゅう使うブラウザだから、ちょっとした使い心地が気になってしまうわけで…

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