「LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族」観た人のためのレビューとオリジナル複製人間への違和感

LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族が、Prime Videoにて独占見放題配信スタート!
小池監督の当初の宣言通り、ルパン三世 ルパンVS複製人間の前日譚を描くという構想は、実に10年以上の時間をかけて、ここで一旦のクライマックスを迎えたことになる。

そのことに、僕は、素直に感慨を覚える。
ただ、じゃあ、この後、素直にもう一度ルパン三世 ルパンVS複製人間を観れるのかといえば、それには抵抗がある。
だって、あのルパンは、小池ルパンではないからだ…

友永和秀

エンドロールが流れ始めて、僕は驚くことになった。
そこには、メインアニメーターとして、友永和秀の名前がクレジットされていたからだ。

あなたもご存知のように、アニメ史上屈指の名シーンであるルパン三世 カリオストロの城の冒頭のカーチェイスシーンを描いたお方だ。
今回の作品では、ルパン三世による装甲車のカーアクションが登場するが、そこに、なんていうか同じニオイがする。

観ていて、あれ、これは…と思ったものが、エンドロールで答え合わせできて、嬉しかった。
で、まだ第一線でやられていることに、素直に敬意を表したい。

CGも作画も、どちらも良さはあるんだろうけど、CG一辺倒になってタメのない均一な動きばっかりになるのも寂しいもんね…

小池ルパンのパンくず

まだ、東だ西だと言ってる頃の、暗い歴史を呑み込んだまま連綿と続くヨーロッパという舞台をベースに、Japanese ザ・ヤクザも絡んでくる日本の伊豆もおさえながら、シリーズは進展してきた。

そうして登場するキャラクターたちは、これまで僕たちがお目にかかったことのない姿を見せる。

LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標

モードなスタイルに身を包んだ次元大介は、ジャケットにTシャツというスタイルまで披露している。
さらに早撃ちで敗北を喫する姿まで…

LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門

石川五ェ門は、いつものようにつまらぬものを切り捨てているが、そのつまらぬものは人間であり、彼は血飛沫に塗れている。

LUPIN THE ⅢRD 峰不二子の嘘

そうして、あの峰不二子は、「出来もしない嘘をつきたくない」と言い放ってガチのタイマンを披露している。

LUPIN THE ⅢRD 銭形と2人のルパン

冷徹な警官である銭形に至っては、格闘中に、あの次元大介から、S&Wをちゃっかり抜き取ってしまうほどに優秀だ。

「LUPIN THE ⅢRD 銭形と2人のルパン」観た人のためのレビューとパンくず | ALOG

かのハワード・ロックウッドにつながるパンくずは、明確に撒かれ、ついにダイレクトに対峙するのかと思われた矢先、理解し難い難敵が登場する。

トリックなしに不死身のムオム

どうせ不死身に見せかけるトリックがあって、ルパン三世がそれを見破るのだろうと思っていた。
ところが、ムオムは、そんな底の浅い相手ではなかった。

正真正銘、頭を弾き飛ばされても、爆発に巻き込まれても再生を果たす。
そこに見せかけのトリックなど、何ら存在しない。

小池ルパンのシリーズで、他のキャラクターたちが、これまで見せなかった姿を披露したように、ついにルパン三世は、敗北を喫する姿を晒してしまうのかと覚悟した。

だが、生命体である以上、ムオムという生命を機能させている仕組みは存在する。
.357マグナムでもなく、流星から切り出した剣でもなく、はたまた毒薬がわりに愛を操るでもなく、その明晰な頭脳が武器であるルパン三世は、その仕組みを解き明かし、難敵を葬ることに成功する。

ムオムという難敵の登場は、それを操るマモーの価値を引き上げる。
そしてまた、ムオムを作り上げた工程を知ると、マモーがいかに未知の存在であるのかということも思い知らされる。

小池版 VS複製人間を

前日譚であり、あの冒頭のシーンにつながるからとはいえ、この流れでルパン三世 ルパンVS複製人間を素直に観るというわけにもいかない。
なぜなら、ルパン三世も銭形警部も小池ワールドの住人だからだ。

この小池ワールドのルパン三世は、オリジナルのように、自分の複製人間に出会したとしても、アイデンティティの揺らぎを感じることはないだろう。
彼はもうすでに、I’m an arch villain. Lupin The Third.と宣う捨て身の爆弾魔に相対してる。

銭形警部とて、オリジナルのようにバタつくことはない。
彼も、ロビエト連邦で二人のルパンに対峙している。
単に捜査対象に過ぎなかった男が、もう何者なのかを、この優秀な警官は熟知するようになった。
警視庁公安部に所属しているような警官であることに加えて、一連の経験が、安易な情報を鵜呑みにしないことに拍車をかけているのだ。

であれば、その小池ワールドのルパン三世と銭形警部が、マモー、いや、かのハワード・ロックウッドにどう対峙するのかを観たいじゃない。
だから、ぜひ、小池版 VS複製人間を作って欲しいよね。

今回、ハワード・ロックウッドのロゴがはじめて登場したけれど…

ヤエル奥崎というガンマン

余談ながら、ヤエル奥崎とホークが顔見せ程度ではなく、しっかりと登場していたのは意外だった。
そうして、ヤエル奥崎は、殺し屋マシンである前に、誇り高いガンマンであった…

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