第12週に突入したNFLは、一気に激しさを増し、画面から漏れてくる衝撃音の質も変わった。
ボルチモア・レイブンズとクリーブランド・ブラウンズの同地区対決は、バッチバチのロースコア。
オフェンスがプアーだったのではない。
相手の長所を封じ込めようとしたディフェンスが魅せてくれたのだ。
3TEに9メンフロントを
ブラウンズは、3TEを多用した。
RYOEで3本の指に入るRB ニック・チャブを擁する彼らのラン攻撃は、ゲーム平均156.8ヤード。
NFLトップのラン攻撃を強調するための適切な選択だ。
The Browns offense has featured 13 personnel (1 RB, 3 TE) on 10 of 21 plays through its first three possessions (48% of plays, would be highest by any team in a game this season).
The Browns own 5 of the top 6 games in 13 personnel usage this season.#CLEvsBAL | #Browns
— Next Gen Stats (@NextGenStats) November 29, 2021
これに対してレイブンズは、8人どころか9人のディフェンダーをボックスに配置して正面から止めにかかった。
The 8-man front by the Ravens defense has frustrated the Browns and their run game tonight.#NextGenStats, powered by @awscloud. pic.twitter.com/Sw2bu2FSxn
— Sunday Night Football on NBC (@SNFonNBC) November 29, 2021
その結果、ニック・チャブはRYOEどころか16ヤードしか稼げなかった。
8回もキャリーして。
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情報源: Nick Chubb | NFL Next Gen Stats
そうしてブラウンズはチーム全体としても40ヤード、普段のわずか25％に封じ込まれてしまった。
マーク・ザ・アンドリュース
レイブンズのTE マーク・アンドリュースはNext Gen StatsのTEランキングで見事1位に輝いている。
「彼は質の高い選択肢のひとつから、ボルチモア・レイブンズ攻撃の目玉になったのです」
という表現通り、TOP 10 デュオにもTEとして唯一ランキングされている。
だから、このゲームでも当然ながら目玉となるターゲット。
そうなるのには、ブラウンズ側にも理由がある。
なにせ彼らは、リーグでもっともTEにTDを許しているチームだからだ。
Ravens tight end Mark Andrews has played the Browns four times since 2019 and in each game has recorded excellent stats when receiving in the middle of the field, Next Gen Stats show why that should continue in Week 12.
しかし、ブラウンズはやってみせた。
この日彼らが奪ったインターセプトは、全てマーク・アンドリュースがターゲットだったもの。
いずれもQB ラマー・ジャクソンに強いプレッシャーがかかっていない状態でのインターセプトは、彼らの準備が花開いたことを物語っている。
Lamar Jackson excelled under pressure in the #Ravens 16-10 victory over the Browns, completing 4 of 5 passes for 60 yards and a TD (+26.9% CPOE).
All four of Jackson’s interceptions came without pressure and targeting Mark Andrews.#CLEvsBAL | #RavensFlock pic.twitter.com/JlcolpdJKJ
— Next Gen Stats (@NextGenStats) November 29, 2021
レイブンズ・デュオの覚醒
しかし、このゲームで、このデュオはもう1段階上のステージに登ってしまったようだ。
逃げ切って投げ切ったラマー・ジャクソンもすごいが、大崩れに反応して見事にキャッチしたマーク・アンドリュースにも脱帽だ。
現時点での暫定Catch of the Year。
Lamar Jackson & Mark Andrews (13-yd TD)
Three plays later, Lamar Jackson scrambles 20 yards to avoid pressure and finds Mark Andrews open in the end zone (by 5.2 yards).
Jackson Passing on Scrambles (Tonight)
🔹 2/2, 52 yards, TD (both to Andrews)#CLEvsBAL | #RavensFlock pic.twitter.com/59tyGzSHSw— Next Gen Stats (@NextGenStats) November 29, 2021
ディフェンスは両チームとも、事前のプランを遂行することができたはずだ。
このスコアは、それを雄弁に物語っている。
だから、勝負を分けたのは、事前のデータを超えたモノ。
レイブンズ・デュオの覚醒だ。
どんなに激しいマークにあおうとも、どんなにプレイが崩れようとも、阿吽の呼吸でそれを乗り越える。
そしてゲームを決めてみせる。
レイブンズ・デュオは、明らかにこれまでよりも高いステージにいる。
この先、彼らを封じるディフェンスが名乗りを上げるのか。
その度に彼らがステージを高めていくのか。
今一番見守りたいデュオと言っていいんじゃないだろうか…
