パスカットできたわけじゃない。
サックどころか、触ることもできなかった。
しかしQBに与えたプレッシャーは、インチのパスミスを誘い、勝敗という明白なコントラストを生み出した。
ワイルドで劇的な結末を迎えたNFL 第13週のピッツバーグ・スティーラーズとボルチモア・レイブンズの対戦は、T・J・ワットが、パスラッシュのプレッシャーという目に見えにくいものが、勝利に直結することを教えてくれた。
完璧なプレイコール
そのプレイでケリをつけることを選択したジョン・ハーボーがコールしたプレイは完璧だった。
最も信頼できるターゲット、TE マーク・アンドリュースは完全にオープンになっていた。
The two-point attempt is NO GOOD. #BALvsPIT pic.twitter.com/tl74jaHz9x
— NFL (@NFL) December 6, 2021
マーク・アンドリュースに投じられたパスは、絶体に捕れないこともないけれど、捕れなかったといって責められるべきものでもない。
そんな類のパスだ。
きっと彼自身は、触れたものを捕りきれなかった自分を責めているとは思うけれど…
This close! @Steelers win 20-19. #BALvsPIT pic.twitter.com/hlDVeGV2Rw
— NFL (@NFL) December 6, 2021
完璧なターゲットへの完璧なプレイコール。
それを失敗に追い込んだ、インチのミスを生じさせたのは、T・J・ワットのプレッシャーだ。
ラマー・ジャクソンに与えた圧力が、インチの投げミスを生じさせたのだ。
キャリアハイを記録したT・J・ワット
The Steelers pass rush was led by T.J. Watt & Alex Highsmith, who both set career-highs in QB pressures.
Watt (32 pass rushes)
🔸 12 pressures (37.5% rate)
🔸 3.5 sacks, 1 turnover caused by QBPHighsmith (33 pass rushes)
🔸 8 pressures (24.2% rate)#BALvsPIT | #HereWeGo pic.twitter.com/VAltj8dw5E
— Next Gen Stats (@NextGenStats) December 6, 2021
このゲームで記録した12のプレッシャーは、彼のキャリアハイ。
しかも、過去2シーズンで全選手の中でのTOPタイ。
しかし、彼にとってはそんな記録より、この試合に勝ち切ることができた喜びの方が遥かに大きいだろう。
T.J. Watt led the Steelers defense with 7 QB pressures in the first half on 15 pass rushes (46.7% pressure rate).
Watt’s 7 QB pressures are his most in a game this season.#PITvsBAL | #HereWeGo
— Next Gen Stats (@NextGenStats) December 5, 2021
T・J・ワットの個人技だけでなく、スティーラーズはチームとしてもブリッツの雨を降らせた。
ラマー・ジャクソンは、リーグで2番目に多くのブリッツを浴びせられるQBである。
カンザスシティ・チーフスのパトリック・マホームズ対策にはブリッツをかけないことが有効であるのと対照的に、彼にはブリッツが有効であると判断されているのだろうか。
成功率 47.8%
プレイ前にAWSの機械学習が弾き出した2ポイントコンバージョンが成功する確率は、47.8%だった。
しかし、マーク・アンドリュースが、あれほどオープンになるのなら、そのプレイをコールしたレイブンズには、その数値以上の確信があった。
No matter, it was T.J. Watt who disrupted Lamar Jackson’s pass, making the 2-point play that much more difficult.
Watt finished the game with a career-high 12 QB pressures, tied for the most pressures by any player in a game over the last two seasons.#BALvsPIT | #HereWeGo
— Next Gen Stats (@NextGenStats) December 6, 2021
ジョン・ハーボーの決断
Is there any better decision-maker on fourth down than the Browns’ Kevin Stefanski? What about John Harbaugh’s aggressive approach with the Ravens? The Next Gen Stats Analytics Team eyes the top fourth-down decision-makers in the NFL.
情報源: NFL’s best fourth-down decision-makers: Kevin Stefanski, John Harbaugh among top coaches
ジョン・ハーボーは、積極的な、勝負どころでGO FOR ITを選択するコーチとして知られており、それで結果も出してきた。
しかし、最後に2ポイントコンバージョンを選択したのは、単なる積極性からではない。
ディフェンスが追い上げられるなか、CB マーロン・ハンフリーが負傷退場となった。
延長戦にもつれ込めば、やられる。
この勝てるチャンスをモノにしなければ、いずれにせよ勝てる見込みはない。
そうした判断が、このワンプレイでケリをつけることを選択させたのだ。
パスの失敗を見届けたあと、納得するかのように、何度も何度も頷くジョン・ハーボーの姿が心に残る…
第18週、レギュラーシーズン最後のゲームで、この両チームは、もう一度対戦することになっている…