待ち望まれていた新ユニフォームを、ついにデトロイト・ライオンズが発表した。
復権を果たした白のアクセント、そして、ブラックのオルタネートの復活。
ブラックのオルタネートの復活には、ひとつだけ条件が与えられていた。
ただ、とてつもない条件が…
Detroit Lions unveil new uniforms
約束の黒
デトロイト・ライオンズの長い歴史の中で、ブラックのユニフォームが登場するのは、わずかにこれが3回目。
The @Lions have introduced a black uniform for the 3rd time in franchise history, first doing so in 1948 before wearing black jerseys twice a season from 2005-07.
— Detroit Lions PR (@LionsPR) April 18, 2024
⁰This marks the first time Detroit will pair a blue helmet with a black uniform. pic.twitter.com/JgYGveWc7i
選手時代に、これを着用する機会に恵まれたダン・キャンベルは、ヘッドコーチに就任すると、球団のCEOであるロッド・ウッドにブラックユニフォームの復活を懇願した。
ロッド・ウッドは、ひとつだけ条件を出した。
「OK!それなら地区優勝が条件だ。」
Back in 2021, just months in to Dan Campbell's tenure in Detroit, he and the staff were preparing for their first draft together. Campbell asked Lions president Rod Wood to bring back the black jerseys.
— Jeanna Trotman (@JeannaTrotmanTV) April 19, 2024
Wood struck a deal: win the division and you can get the black jerseys back. pic.twitter.com/8jLedA8t4N
これは、ミズーリ州の王国の話ではない。
2021年のデトロイトでの話だ。
地区優勝なんて条件をつけられたら、未来永劫、ブラックユニフォームなんて拝めない。
だが、ダン・キャンベルは、やってのけた。
3年の歳月で作り上げたチームは、地区優勝という最低条件をクリアすると、実に32年ぶりのプレイオフの勝利まで飾った。
そして、あの忌々しいMr. Irrelevantがスクランブルで活路を見出すまで、フランチャイズ史上初のスーパーボウル出場に手が届いていたのだ…
NFL 2023 NFC Championship Game「Unexpected Bowl」 | ALOG
こうしてダン・キャンベルは、晴れて念願のブラックユニフォームを手にすることができた。
そして、ロッド・ウッドも近いうちに#VLTを手にすることだろう。
ナイキのジャージひとつでティファニー特製のトロフィーを手に入れられるのなら、それは彼にとっても悪いDealではないはずだ。
Blue & Black
ブラックのオルタネートには、はじめてブルーのヘルメットが組み合わされる。
昨年、90周年を機に1955年以来のブルーヘルメットを復活させたライオンズは、それを定番化させるようだ。
昨シーズンの結果を見れば、もうボビー・レインの呪いは、その効力を失ったということなのだろう。
昨シーズン、強力なラン攻撃で、タンパベイ・バッカニアーズからランによるTDを奪った唯一のチームには、Blue & Blackほどふさわしい色の組み合わせはないのかもしれない。
復権の白
そしてプライマリーのユニフォームには、アクセントカラーのホワイトが復権した。
何か足りないと思っていた、これまでのユニフォーム。
やはり、ホワイトのアクセントの存在が、ホノルルブルーとシルバーを引き立たせる。
となれば、フェイスマスクは、やっぱりブルーの方がしっくり来る。
Detroit Vs. Everybody
ロード用のジャージには、初めて胸にDETROITの文字が輝き、襟にはデトロイトの市外局番「313」も縫い込まれている。
これは、ライオンズの宣戦布告なのだ。
昨シーズン、よく目についたDetroit Vs. Everybodyのフレーズ。
もはや、どんなチームを相手にしても、どんなフランチャイズに乗り込もうとも、俺たちはやってやるぜ!
そうしたDETROITの咆哮なのだ。
もっともこれは、選手たちだけの力ではない。
昨シーズン、どこにでも大挙して出現し、あのランボー・フィールドさえ、ブルーチーズ化してしまったファンの存在があってこそ。
まさしく一体となったDetroit Vs. Everybody…
これらの新ユニフォームに加えて、ホノルルブルーを再チューニングした「クラシック」もラインアップに残されている。
ベースで4種類、組み合わせを変えれば、どれほどのラインアップが組めるだろうか。
もはや、これでひとつのワードローブと言えそうだ。
順番から言えば、今度の第59回スーパーボウルでは、NFCのチームにユニフォームの選択権はある。
僕らは、ニューオーリンズで、ホノルルブルーを拝むことができるのだろうか。
もうスーパードームには、メルセデス・ベンツの名前はついていない…