DIVISIONAL ROUNDでの対戦となったボルチモア・レイブンズとバッファロー・ビルズ。
今シーズン、この2チームは、第4週に対戦している。
そのスコアは35-10とレイブンズの一方的な勝利だった。
リベンジにあたって、ビルズが標的にしたのは、王様だ。
Buffalo Bills Advance To AFC Championship With Divisional Round Win Over Ravens | Mini Movie
マイナス115ヤード
前回の対戦でレイブンズ RB デリック・ヘンリーはランだけで199ヤードも稼ぎ出していた。
Derrick Henry | NFL Next Gen Stats
しかも、レイブンズのフランチャイズ・レコードとなる87ヤードものロングTDランまで記録させている。
ノータッチでエンドゾーンまで駆け込んだそれは、まさしくホームランTDというやつだ。
第4週のサンデーナイト、バッファロー・ビルズと対戦したボルチモア・レイブンズのRB デリック・ヘンリーは、ランだけで199ヤードも稼ぎ出した。AWSの機械学習が弾き出した予測値は、80ヤードに過ぎなかったのに…
昨シーズンのChampionship Gameでは、自身の不安定さから勝ちきることができなかったチームに、王様のランは安定を与えるものである。
であるならば、そこから止めなければ、お話にならない。
そうして、ビルズ守備陣は、後ろをマンカバーに委ね、フロントヘビーとハードワークで対抗した。
ホールなんか作らせなかったフロントのハードワークは、前回の対戦からマイナス115ヤードのラッシングしか許さなかった。
Derrick Henry | NFL Next Gen Stats
しかも前半に許したのは、わずかに21ヤード。
主導権を握るきっかけを、レイブンズは掴むことができなかった。
ラマー・ジャクソンにはブリッツを
2000ヤードを走ったRBの隣には、1000ヤードを走ったQBがいる。
そんなバックフィールドが形成されるのは、長いNFLの歴史をもってしても史上初めてのことだ。
しかも、このQBは、足だけじゃない。
4000ヤード以上のパスと900ヤード以上のランを同シーズンに記録した、史上初のQB。
そんなQBに敬意を払い、ビルズのHC ショーン・マクダーモットが用意したのは、最大級のブリッツの雨。
Matt Milano led the Bills pass rush with 4 pressures on 9 pass rushes, including 3 unblocked pressures.
— Next Gen Stats (@NextGenStats) January 20, 2025
Of the 5 career games where Milano has generated at least 4 pressures, 3 have come in the playoffs.
Insights Available at NFL Pro: https://t.co/weZY6kkN5n
ビルズ LB マット・ミラノは、ずっとスパイとして、ラマー・ジャクソンにつきまとっていた。
そうしてショートパスが投じられると、すかさずパシュートしてハードヒットをくれていた。
そんなスパイをちぎって、スクランブルできたこともあったが、ずっと目の前に対峙するLBは、相当なストレスをQBに与えていたに違いない。
汗をかき続ける、もう一人のLBにもスポットライトが当たる瞬間がやってくる。
テレル・バーナードが見せた百点満点のパンチアウト。
逆転のドライブに本腰を入れようする相手をつまずかせる、タイミングも百点満点だ。
奇しくも、このLBデュオは、第4週の対戦で出場できていなかった。
王様に蹂躙される姿をサイドラインから見ることしかできなかった彼らが、満を持して、ようやくリベンジを果たせたのだ。
ゲームの統治者
結果的にスコアは僅差になったが、タイゲームになり、ラマー・ジャクソンからINTを奪って以降、ビルズが安定して試合を支配していた印象がある。
機械学習の勝率予測も同意見のようだ。
ゲームが落ち着いて見えたのは、ジョシュ・アレンのプレイぶりもある。
このQBは、RBにコンスタントにゲインさせ、ショートパスをデリバリーすると、余計なことはしなかった。
もちろん、必要なショートヤードでの自らのランはコールしたが。
なんというか、静かなゲームの統治者という感じだろうか。
以前は、もっとバタバタしていた印象がある。
もちろんゲーム展開もあるが、なんやかんやと走り回っていたような…
この成長ぶりが、パトリック・マホームズとの再戦に、どんな結果をもたらすのだろう。
あの13秒の悪夢は、決して忘れたことはないだろう…
対して、ラマー・ジャクソンだ。
ものすごい選手であることは、よく理解できる。
しかし、いっつも大一番でバタバタしてしまう印象がある。
もし、このままリングを手に入れることができずに終わってしまうのなら、それは誰にとっても悲しいことだよね…
雑感
TEU贔屓としては、レイブンズ TE アイザイア・ライクリーが、すっかりチームの中核に成長していることがうれしい。
そして、マーク・アンドリュースが、結果的にミスに関わったことが悲しい。
パンチアウトは相手を褒めるべきだし、フラットの逆リードは本当にキャッチしずらいんだけどね。
特に、あの低さでは…
触ったら捕れよと言われれば、反論はできないんだけどね…
今更だけど、ビルズのダマー・ハムリンが元気にフィールドに立っていることも嬉しいよね。
しかも、チームのタックルリーダーだぜ。
いまだに心配するなんて、本当に余計なお世話だってのは、よくわかってるんだけどね…