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NFL 2024 時速34kmの王様

第4週のサンデーナイト、バッファロー・ビルズと対戦したボルチモア・レイブンズのRB デリック・ヘンリーは、ランだけで199ヤードも稼ぎ出した。
AWSの機械学習が弾き出した予測値は、80ヤードに過ぎなかったのに…

フランチャイズ記録となる87ヤードTDラン

その顕著な例と言えるのが、このプレイだ。

87ヤードを走りきった、このTDラン。
これがTDに結びつく可能性は、0.01%以下だったのだ。

誰かさんがホワイトボードに書き殴ったまんま、デザインと寸分違わぬように展開されたプレイに、王様は誰にも触れられることなくエンドゾーンに辿り着いた。

あまりにスムーズ過ぎて気づかないが、デリック・ヘンリーは時速34kmを超えるスピードで駆け抜けている。
目の色を変えてパシュートするビルズのDBたちは、止めるどころか触ることすら叶わない。
途中でギアを上げるそぶりも見せない王様は、初めからトップスピードなのだろう。
過去には35km以上を記録したことのある王様にとっては、このスピードをしても、自己ベストではないのだ。
190cm 112kgのカラダで、このスピードを叩き出すデリック・ヘンリーは、AWSの機械学習の予測値を超え続けている。

レイブンズのランプレイによる得点の可能性は、よそのチームの倍以上になっている。
王様がもたらしたものは、新たなフランチャイズレコードだけではない。

王様の護衛

さらにレイブンズには、屈強な王様の護衛がいる。
FB パトリック・リカールだ。
191cm 136kgの体躯は、カレッジ時代に純粋にDLだったからだ。
ドラフト外でレイブンズに加入したあと、FBになったのだ。

上記のプレイでも、素晴らしいブロックを決めている。
スロットバックの位置から、ある種のトラップブロックを完璧に決めている。
それは実質、6人目のOLのような見事さだ。

そんな彼は、王様の粗相も見事にカバーしている。

本来ならば3本目のTDを記録するはずだったデリック・ヘンリーが、エンドゾーン直前でファンブル。
見事にリカバーしたパトリック・リカールが、王様の名誉とチームの得点を守ったのだ。

厄介な3バック

王様の加入は、ラマー・ジャクソンにも福音となっている。
対戦相手にとって厄介そうなのが、この3バックのプレイだ。

チームの大黒柱であるTE マーク・アンドリュースと、2枚看板に成長した、同じくTE アイザイア・ライクリー。
この二人をHBにおいて、背後にはTB デリック・ヘンリーが鎮座する。
王様へのハンドオフフェイクだけでも絶大なのに、ご丁寧にGTプルでミスディレクションまで加えてる。
単騎で走るだけでも厄介なQB ラマー・ジャクソンが、絶大なフェイクに釣られる守備を尻目に駆け上がる。
その道を切り開くのは、屈強な2枚のTE。
もうこのシークエンスだけで得点し続けることができるんじゃないだろうか。

ランプレイの充実は、レイブンズに安定をもたらすはずだ。
昨シーズンのChampionship Gameでは、自身の不安定さから勝ちきることができなかった。
しかし、良い王様は、領土に安定した統治をもたらす。
それは、これまで王座に座ったことのない王様にも、幸せな結末がもたらされることにつながるはずだ…

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