スターバックス日本上陸30周年:復刻されないバナナとサード・プレイス

10年以上前に書いたレビューが読まれてると思ったら、スターバックスの「フルーツ オン トップ ヨーグルト フラペチーノ」が復刻するらしい。
歴代の名作フラペチーノ® ”5つ”が一挙に大復活!という企画が行われるのは、今年、スターバックスが日本に上陸して30周年を迎えるからだ。

そうか…
六本木の店に初めていったのも、もう30年前くらいになるのだろうか…

スターバックス日本上陸30周年記念 『THE STAR フラペチーノ®』

スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役 最高経営責任者 CEO:森井久恵)は、1996年8月2日の東京・銀座への日本1号店の開業から、2026年に30周年を迎えます。

スターバックス日本上陸30周年記念 歴代の名作フラペチーノ®が、進化して戻ってくる!1つの店舗で出会えるフラペチーノ®はたった1つ。探す、見つける、5つの名作を楽しむ『THE STAR フラペチーノ®』を4月8日(水)より発売開始 – スターバックス ストーリーズ

錚々たる顔ぶれなんだけど、僕は、ひとつ引っかかることがある。
あの超絶人気で、午前中には、もう売り切れてしまうことがザラだったあのフラペチーノが選ばれていない。

「フレッシュ バナナ & キャラメル クリーム フラペチーノ®」と「Out of Bananas」

好評だからなのか需給の読みが甘いからなのか、あるいはそのどちらもなのかわからないけど、売り切れ速度が早過ぎる。 午前の11時にはもう姿は見えないし、早いところは9時台には終了したってウワサも聞く。

スターバックス「フレッシュ バナナ & キャラメル クリーム フラペチーノ®」レビューと「Out of Bananas」 – ALOG

ちょっとタイミングを逃すと、このステッカーが貼られていて、今日もありつけなかったとがっかりすることが多かったよね。
一杯に、一本の生バナナを丸ごと使用することが、作る上でもストックする上でも大変だったと聞いた。

生バナナがないと断られると、生バナナを持ち込んで、「これで作っていただけないでしょうか?」と懇願した猛者もいたらしい…

復活させれば、また人気爆発だとは思うんだけど、当時の大変さを知っているベテラン・バリスタたちが、絶対に首を縦に振らなかったんだろうねと妄想してみる…

ファーストコンタクト@六本木

僕がスタバに初めて行ったのは、おそらく30年くらい前だったと思う。
六本木で待ち合わせした友人が、「スターバックス」に行こうと言った。
まだ、「スタバ」と縮めてもらうほどには、世の中には馴染んでいなかった。

ラテとカフェオレの違いを友人は説明できなかったけれど、飲んでみろと言われたラテのフォームミルクの、ほのかで柔らかい甘さに、僕は納得した。

連れられて行った2Fでは、およそ六本木の地価を反映されていない、非効率なスペースの使い方がインプレッシブだった。
ガッツリと余裕をとって配置された柔らかい椅子の上で、アメリカ人たちが、ダラダラとおしゃべりをしたり、何もしなかったりしていた。

帰りに表に出ると、外の丸テーブルで、葉巻を燻らせた日本人の紳士がハードカバーにのめり込んでいた。

サード・プレイスという言葉を知ったのは、それからしばらく経ってからのことだ。

サード・プレイス@恵比寿

数年経って、恵比寿のオフィスに通うようになった僕は、駅から向かう途中のお店に立ち寄るようになった。
「スターバックス」はもう「スタバ」という呼び名の方が’一般的になり、ともすれば行列も生まれるようになっていた。
ただでさえ、小さな面積のそのお店では、潤沢なスペースの使い方もできるはずもなく、とてもじゃないが、つくり的にはサード・プレイスなんて呼びようもなかった。

スタバも、お店によってニオイが違う。
いや、品質をコントロールしてるであろうコーヒーの匂いは同じだが、そこにいるバリスタのキャラクターによって、お店の醸し出すニオイは変わる。

店長さんが面接して採用されるメンツによって形成されるスコッドは、特有のキャラクターを持つようになり、それがお店のニオイになっていく。
当時の恵比寿のお店では、店長さんの採用した百花繚乱のキャラクターたちが、のびのびと、その個性を発揮していた。
韓国の女のコたちにも会ったね…

サード・プレイスとは場所自体ではなく、そこにいる人たちが醸し出す空気なのだと、あのころ僕は強く実感した。

だが、学生だったり留学生だったり、ヒトは、どんどん流動していく。
そうして、店長さんたちも異動していく。
そうしてまた、お店のニオイは、全く違うものになっていく。

僕も恵比寿を離れ、もう「チカバのスタバ」がない生活を送っている。
スタバとは、そこに行くことを目的として、あえて出かけるものではないと僕は思う。
だから、「チカバのスタバ」がない僕は、長いこと、お店にはご無沙汰している。

ふと、通りがかりに寄ってみようかと思うこともあるけれど、あのゆったりとしたスペースは望めず、ニオイのわからないお店の敷居を跨ぐ勇気がもうひとつ持てないのだ。

でも、考えてみれば簡単な話だ。
ただ、飲み物を注文して受け取ればいいだけのこと。
美味しい飲み物を提供してくれるコーヒー屋さんだと思えばいいのだ。
決して、サード・プレイスなどとは思わずに…

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