いよいよパラリンピックの閉会式も終わってしまった。
ここしばらくの間、僕らは実にたくさんの人から、同じ言葉をかけられ続けていた。
いろんな国の、いろんなポジションの人たちが繰り返し繰り返し言っていた。
「ありがとう!ARIGATO!」
僕らは、なんて答えればいいんだろう?
#ARIGATO
パラリンピックの閉会式は自由でカラフルだった。
解放と開放のマリアージュで、みんなとても楽しそうだった。
そのせいか、それともそれに関係なくか、いずれにせよ僕は、それが終わってしまうことに寂しさを感じていた。
自分にそんな感情が湧いてくることに不思議さを感じた。
だって僕は、オリンピック LOVERというほど熱心なファンでもないし、様々な競技やニュースに目を光らせていたわけでもなかったのだから…
隣にある学校からは生徒たちの元気な声が、聞こえてくる。
僕は、いちいちそれを、何やってるの?なんて見ることはない。
それがある時からぱったりと聞こえなくなる。
「ああ…緊急事態宣言で誰も登校してないんだね」
アタマでわかって、そして何がしかの寂しさを覚える。
ああ、そうか。
たぶん、何かしらの活気をもらっていたんだと気づく。
見なくても、近くで熱を放っている人たちのエネルギーを肌は感じ取っていたんだ。
そうして、その熱を放っていた人たちが去っていってしまったのだ。
肌寒さを感じるのは、季節の変わり目だからというわけではないようだ…
僕らは、なんて答えればいいんだろう?
様々な国の、様々な人たちが、口をそろえるようにいっていた。
「ありがとう!ARIGATO!」
こんな困難な時に、オリンピック、パラリンピックを開催してくれてありがとう!と。
僕らは、なんて答えればいいんだろう?
「やってくれて、ありがとう!」
だけど
「来てくれてありがとう!」
のお互い様のありがとうなんだよね。
いえいえ、こちらこそありがとう!
でもいいけれど、なんかもひとつ欲しいよね。
たしか日本語には、こんな時に便利な言葉があったはずだ。
おつかれさま!
彼らに返す言葉に、これ以上ふさわしいものはないんじゃないだろうか。
全てのねぎらいと全ての感謝を、わずか六文字に凝縮させた最高のパッケージ。
では、襟を正して、その最高級バージョンで。
本当に本当に、おつかれさまでした!
The #Paralympics flame has been extinguished! 🔥
Thank you for the guiding light you have provided during these unprecedented times. ✨ #UnitedByEmotion#Tokyo2020 | #ClosingCeremony pic.twitter.com/VpTJVrcEFd
— #Tokyo2020 (@Tokyo2020) September 5, 2021