ヘインズの赤パックがあれば、ひと夏は過ごせる。
いや、一年中だってやりくり出来た。
そんなシンプルな人生は、すっかり遠ざかってしまい、その間に元号まで変わってしまった。
同じように遠ざかった「白T」だったが、今年、そいつは僕の生活に帰ってきた。
ユニクロ クルーネックT(半袖)
>特徴
クリストフ・ルメール率いるデザイナーチームがパリのアトリエからお届けする、ベーシックな服に革新をもたらすコレクション。
・毎シーズン好評いただき、定番となったUniqloUを代表するTシャツの19SSコレクション。
・細部までこだわったディテールとシーズン毎にトレンドを抑えつつ、ユニクロの幅広いお客様に受け入れられるシンプルなスタイリング、シルエットが特徴。
・高いクオリティと圧倒的なプライスパフォーマンスが魅力。・シーズンを重ねるたびに、お客様からカラーやパターンに好評をいただく1枚。
情報源: ユニクロ|クルーネックT(半袖)|MEN(メンズ)|公式オンラインストア(通販サイト)
変わりゆく「なんてことなさ」
なんてことない「白T」にジーンズをあわせておけば、ひと夏は乗りきれる。
寒くなったら、その上にアウターを重ねていけばいい。
そうすりゃ無事に年越しだ。
そんなシンプルなルールが失われてしまったのは、いつだっただろうか?
覚えているのは、ヘインズの赤ラベルがしっくりこなくなったこと。
散々ヘビロテしてたのに、ある日突然「なんてことなさ」を感じなくなってしまったのだ。
いい感じだと思っていたネックは、ただ、だらしなく見え、肌触りがいいと感じていた生地には、その薄さに頼りなさしか感じられなくなった。
それはヘインズの赤ラベルが悪いわけではない、変わりゆく僕自身に一切の責任があることは疑いようがない。
ともかく、その頃から「白T」が僕の生活から消え、新たな代役を探すこともあきらめていた。
厚手の生地が気になって
だから、お店で、この商品に出くわしたのも全くの偶然。
探し求めていたわけじゃない。
ファッション的なアレにも情弱なので、全く情報を持っていなかったし、広げてシルエットを見たところで、僕には全くピンとこない。
ただ、厚手の生地の感触はしっかりと残った。
値段が値段だし
夏を迎えるにあたって、手持ちのTシャツは流石に一新しないとまずい状況だった。
とはいえ、Tシャツなんて着てみないとわからない。
ただし、この値段だったら着てみてハズレでも仕方ないと割り切れる。
さらに、通常1,000円の定価が、その時セールで790円にまで下がってた。
もうこうなると、敷居なんて存在しないのと同じこと。
今の僕の「なんてことなさ」
実際に着てみると、得点することもないかわりに失点することもない。
良さも悪さも感じるまでもなく、ガンガン着ることができて、何かと使い勝手のいい厚手の生地がしっかりと裏支えしてくれる。
白いTシャツの「なんてことなさ」は、その時代によって、その人によって、微妙に違ってくるものなのだろう。
そして、いまの僕にとっての「なんてことない」白Tは、コレってことになるんだろうね。
これまで、失くしてきたものはたくさんあるけれど、今年は白Tを生活に取り戻すことができた。
こいつでひと夏やり過ごし、いや、もうちょっと買い足して、一年を乗り越えていくシンプルな人生も、ついでに取り戻してみようじゃないか。