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萩本欽一「続 ダメなときほど運はたまる」レビュー「遠くやさしく」

ロングセラー「ダメなときほど運はたまる」シリーズの第三作。
ドライなほど「運」原理主義者ぶりを発揮していた第一作と打って変わって、本作はじんわりあたたかく、僕らが持っている欽ちゃんのイメージどおり。

遠くやさしく

運はいつも遠くからやってくる。
そして仕事にも芸にも「遠い」「近い」があり、「近い」は焦りや驕りの産物であるという独特の観点は、アレコレと気付かされることがある。
そしてどんな境遇でも人にやさしく接していると運の神様のメッセンジャーとしての「人」がやってくる。

豊富で深いエピソード

そうした運と恩をやりとりした様々な人達とのエピソードが豊富だ。

どうしてもCMに出たくない欽ちゃんが、説得する広告会社の人間に出演をかけたジャンケンを持ちかけた話。
大恩人、東八郎。
売れ始めた時に迎えたピンチを救ってくれた北島三郎。
全く違う世界で大成功した弟子や下宿人の話。

しかしもっともイイ!のは、劇場の大スターだった踊り子さんとのエピソード。
現在「萩本欽一の妻」である彼女とのエピソードは、すごくイイ!
僕は、このエピソードだけでもモトがとれた。

いま不運な人へ

この本を手に取る人達は、いま順風満帆ではなく、不運だなぁと感じる人達だろう。
そうした人達に向けて、欽ちゃんはメッセージを送っている。
そしてそれが、シリーズ第三作を出版した理由であるようだ。
前の二冊が売れたからって流石に三冊目は調子に乗り過ぎじゃないだろうかと逡巡する欽ちゃんのもとに届くたくさんの手紙。
自らもその手紙で運をもらった欽ちゃんは、「運のリレー」として出版を決意したようだ。

あなたも、そのバトンを受け取ってみませんか?

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