フットボールの正しい技術を啓蒙するために、毎週、最高のお手本のプレイを披露した選手を表彰するNFL WAY TO PLAY。
2022シーズン第1週の受賞者となったのは、タンパベイ・バッカニアーズのRB レナード・フォーネット。
対象となったのは、彼のチップブロックだ。
WEEK 1 – LEONARD FOURNETTE
Buccaneers RB Leonard Fournette earns the Week 1 award.
情報源: NFL Way to Play | NFL Football Operations
インサイドのショルダーと同じ足をきちんと踏み込んで低くあたる。
それほど大きなヒットではないのに、カウボーイズのマイカ・パーソンズは弾き飛ばされている。
強力なEdgeラッシャーに対して、全てのプレイでダブルチームで臨むことは不可能だ。
そんなときに、チップブロックを活用するのだと解説されている。
動画を見れば、その有用性がよく理解できる。
Edgeラッシャーが高速になればなるほど、コンマ数秒のアローアンスがパスの成否に関わるほど、こうしたわずかなブロックが重要になってくるんだろうね。
しかし、マイカ・パーソンズが尻もちをつかされたのは、レナード・フォーネットが正しいテクニックでヒットしたからだ。
しかも、直後の彼は、涼しい顔してパスコースに出ているよね。
2021シーズン最大のトリックプレイ
NFL 2021シーズンの最大のトリックプレイの立役者としてレナード・フォーネットは忘れることができない。
昨シーズンも、DeTrick Lionsに代表されるように様々なトリックプレイが僕らを楽しませてくれた。
しかし、最大のトリックプレイは、バッカニアーズがラムズとのDivisional Playoffで見せたあのランプレイだと思っている。
追い上げなきゃいけないバッカニアーズが試合時間残り46秒で迎えた4th & 1。
絶対に失敗できないギャンブルでQBが、あのGOAT トム・ブレイディとくれば間違いなくQBスニークで来るはずだ。
これまで幾度となく見せつけられたハイライトフィルムの焼き直しになるはずだ。
全ての観客がそう思ったように、ラムズのディフェンスもそれに狙いを定めた。
AもBも、ギャップなんか存在しないんじゃないかと思われるほど中央に密集したディフェンスラインに対してコールされたのは、レナード・フォーネットへのシンプルなハンドオフ。
バッカニアーズのサイドライン以外、いや、もしかしたらコーチたち以外、えっ!と声を上げるほど驚いたはずだ。
裏をかかれるというOLD SCHOOLな表現がぴったりと当てはまる瞬間だ。
密集するDLを尻目に楽々ダウンを更新するはずだった。
しかし、ひとりだけ的確に反応したLBがいた。
奇しくも、第9週のNFL WAY TO PLAYで表彰されているラムズのトロイ・リーダー。
ディフェンスの弱点を補うようにポジショニングしていた彼は、迷うことなくLOSを割り込んだ。
しかし、レナード・フォーネットは個人技でするりとかわすと、外にコースをとったことにより結果的にエンドゾーンに一発で持ち込んでしまった。
トリックプレイとは、あっちこっちにぴょんぴょんボールを動かすギミックに限らない。
プレイがシンプルであっても、その瞬間に全く予想外の選択をすること。
そうしたことを、あらためて痛感させられた。
そうしてデザインだけではなく、その後の個人の反応によりプレイが成立していることも…