満たされぬふたつのチームが交差するリライアント・スタジアム

勝つか負けるかしかないノックアウトステージが、いよいよ始まる。
そんな舞台で、我らが日本代表は、ガチのブラジルと相見えることになる。

舞台となるのは、NRGスタジアム
そう、ヒューストン・テキサンズのホームスタジアムだ。

ワールドカップ開催中は、FIFAの通達により、他のスタジアム同様にヒューストン・スタジアムとよばれているが、ワールドカップ終了後も、NRGスタジアムという名称は使用されないことになった。
それは、ヒューストン・テキサンズが、今年、創立25周年を迎えるからだ。

リライアント・スタジアムの復活

25年前に、NFL32番目の最も若いチームが誕生するとき、そのスタジアムの命名権を、3億ドルの32年契約で取得したのはリライアント・エナジー社。
ヒューストン・オイラーズが去った後、H-Townの人々の心の空白を埋めたのは、まさしくリライアント・スタジアムだった。

しかし、リライアント・エナジー社が、競合相手であるNRGエナジー社に買収されたことに伴い、スタジアムの名称も、NRGスタジアムに変更されていた。

今回のワールドカップでNRGのロゴを取り外すことがひとつの契機になった。
大会終了後、そこに掲げられるのは、リライアントのロゴになる。
ヒューストンの実に90%の住民が、それを希望しているからだ。

それは、リライアントというブランドが、本当に地域に根ざしているからだとGeminiは言う。

リライアントというブランド

「リライアント(Reliant)」は、主にテキサス州を拠点とする大手電力小売企業(エナジー・プロバイダー)です。

現在は全米規模のエネルギー巨大企業であるNRGエナジー社(NRG Energy)の傘下ブランド(子会社)となっていますが、地元ヒューストンにおいては、単なる「電力会社」を超えた非常に深い歴史とブランド力を持っています。

1. テキサスの「元・インフラの顔」

もともとはヒューストンとその周辺地域一帯に電力を独占供給していた伝統的な公営・大手の電力会社(Houston Lighting & Power = HL&P)の流れを汲んでいます。2000年代初頭にテキサス州の電力小売市場が自由化された際、その小売部門を引き継ぐ形で「リライアント・エナジー」として誕生しました。そのため、地元住民にとって「電気といえばリライアント」というほどの圧倒的な知名度と信頼があります。

2. 親会社「NRG」との関係

2009年に、競合であったNRGエナジー社に買収されました。企業としての本体はNRGに統合されましたが、ヒューストンでの「リライアント」のブランド価値が極めて高かったため、NRGは現在もテキサス国内の一般家庭や企業向けの主力ブランド名として「リライアント」を残し、サービスを提供し続けています。

3. 地域コミュニティへの莫大な投資

リライアント(およびNRG)は、地域への慈善活動やスポーツ・文化支援に非常に熱心な企業として知られています。

  • スタジアムの命名権: 2000年に当時の最高額(32年間で3億ドル)でスタジアムの命名権(ネーミングライツ)を獲得しました。
  • ロデオの支援: ヒューストンの伝統的な超大型イベント「ヒューストン・ライブストック・ショー・アンド・ロデオ」の主要スポンサーを長年務めています。

地元の人々にとってリライアントは、単に電気料金を支払うだけの企業ではなく、ヒューストンの経済を支え、街の象徴的なカルチャーやスポーツの歴史を黎明期から一緒に作ってきた「地元の頼れる大企業」という特別な存在なのです。

ヒューストン・テキサンズ創立25周年

歓迎されるのには、ひとつのタイミングがある。
それは、ヒューストン・テキサンズが、今年、創立25周年を迎えるからだ。
彼らがNFLで最も若い32番目のチームを始動したとき、そのホームスタジアムは、リライアント・スタジアムだった。

Official Site of the Houston Texans

ヒューストン・オイラーズ時代にはスーパーボウルに手が届かなかったチームが、テネシーに移ってタイタンズと名乗るようになると、あっという間にスーパーボウルに出場を果たし、チャンピオンになるまで、あと1ヤードとにじり寄った。

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だが、ヒューストンに留まっているテキサンズは、未だスーパーボウルに出場さえ果たせていない。
再建を果たして上り調子のチームだが、今は、踊り場にいるように見える。

そんなチームの本拠地で、我らがサッカー日本代表が大一番に望むというのも、何かの縁のなのか。
彼らも、これまでノックアウトステージを乗り越えられたことがない。

そういえば、ヒューストン・テキサンズが誕生した2002年は、日本がワールドカップを初めて自国開催した年だった。
そうして、初めてグループステージを勝ち上がった年でもあった。

あれから四半世紀、歴史のページを捲るには十分な時間が過ぎている。
満たされぬ思いを抱えた、ふたつのチームの新しい歴史が、今年、このリライアント・スタジアムで始まるのかもしれないね…

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