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さらば愛しきPocketよ

別れはいつも突然で、当たり前にそこにあると思っていた存在がいなくなるというのは、いつだって悲しいものだ。
Pocketが、突然のサービス終了を発表した。
そうして僕は、かつて見限ったInstapaperに戻ることになった。
だが、そのInstapaperも変化していたのだ。

Firefoxに注力するために

Investing in the future

Firefox is the only major browser not backed by a billionaire and our independence shapes everything we build. This independence allows us to prioritize building products and tools, which shape the future of the internet for the better. And it means we have to be intentional about where we invest our time and resources so we can make the biggest impact.

Pocket

リリースを読むと、非営利組織であるMozillaが、限られたリソースを、より効率的に投入するためにFirefoxに注力すると書かれている。
Mozillaを心配する声が上がり始めた昨今の状況を鑑みれば、今回のリリースは、悲しさこそあれ、驚くことではないのだろう。

この判決に関して、DOJはGoogleの検索市場での独占を解消するための是正策案として「Chromeの売却」や「Google検索をブラウザのデフォルトの検索エンジンにすることで金銭を授受する契約(検索契約)を結ぶことの禁止」などを求めています。

GoogleにChromeの売却を強いるアメリカ司法省の提案にFirefoxの開発元が「小規模ブラウザを潰すことになる」「GoogleとAppleの力が増すだけ」と反論 – GIGAZINE

皮肉にも、Googleが独占禁止法に抵触しているという司法の判断が、Mozillaを苦境に追い込むことになる。
Mozillaは、その収益の大部分がGoogleからのものだったからだ。

Instapaperへの移行は本当に簡単

Instapaperは速攻で移行サイトをこしらえてくれた。
Instapaperのアカウントさえ作成してしまえば、1クリックで完了する。
Saveされたリストだけではなく、ArchiveはArchiveに収納してくれる。

今回のPocketのリリースを受けて、Instapaperの動きは速かった。
だが、それは決してビジネスチャンスを逃したくないというギラギラしたものだけが動機ではないように思える。
仲間に対する救命ボートというような…

Instapaperは独立していた

以前、僕がPocket一本に絞る前、PocketとInstapaperを秤にかけていた。
何となくレイアウトデザインが好みだったこともあるけれど、僕がPocketを選び、Instapaperをアンインストールした理由は、その資本にある。
Pocketは、Mozillaの一員になった。
しかし、InstapaperはPinterestに買収されてしまった。
いや、Pinterestには僕もお世話になっている。
それ自体が悪いことではない。
しかし、Pinterestには楽天の資本が入っている。
そのことが、僕にブレーキを踏ませた。
以来、僕は、ずっとPocketだけに絞って使用してきたのだ。

しかし、あらためて、現在を確認してみれば、Instapaperは独立した会社になっていた。
それも数年前に…

Here’s what’s different about us: We’re not VC-backed. We’re not owned by a big tech company. We’re profitable, independent, and this is our only focus.

Welcome Pocket Fans

InstapaperのBlogはTumblrで運営されているのも、何だか好感が持てる。
これなら安心して使っていくことができそうだ。

Instapaper Premiumのオファーは届いたけれど

約束通りInstapaper Premiumの3ヶ月無料のオファーは届いている。
しかし、僕はまだ申し込んでいない。
そこまでのパワーユーザーではないからだ。
文字通り、ちょっと後で読みたい記事をPocketに一時的に入れておく程度の使い方しかしていない。
有料の機能を使うほどでもない。

インターネットは無料じゃない

インターネットは無料じゃない。
そのことを、最近よく感じるようになった。

以前に比べれば、いろんなものがタダになった。
なにしろMacのOSのアップデートには、本当に1円もかからない。
あらゆるアプリケーションもタダで手に入る。
以前は、まずは金を払うことが絶対だった日本語入力プログラムでさえ、まともなものがタダで存在する。

Googleは、企業から広告費を引っ張り出す代わりに、僕らにいろんなものをタダで提供してくれた。
そのことには感謝している。
しかし、その後に誕生した、何で収益を上げているかわからない企業が延々と無料のサービスを続けていることは、いまだに情弱な僕の頭を持ってしては理解できない。

それはTumblrの話を目にしたからだ。
Tumblrは、4年間で1億ドルの費用が持出になっている。
明確なマネタイズの柱がないからだ。
そうして、マネタイズがうまくいかないものは、このPocketのようにサービスを閉じてしまうしかない。
そして、Instapaperは、Instapaper Premiumというわかりやすいモデルで独立採算の道を確保しようとしている。

では、ユーザーにハードウェアを買わせるわけでもなく、利用料金も請求せず、どんどん無料サービスを拡大させていく企業とは、いったい、誰に何を売って収益を得ているのだろうか?
それがもう、四半世紀近く、わからずにいる。

であれば、インターネットで明快なサービスを提供してくれる企業に、高機能が必要でなくてもペイすべきなんだろうね。
透明なインターネットの世界をできるだけ維持するためには…

しかし、国民思いではない、自由でも民主でも、まして公明正大でもない政党の政策と、僕自身の自助努力の欠乏で降る袖がないどころか、それはもうノースリーブと言っていい。
消費税が生まれた当時の3%に戻るのなら、余力は生まれるだろうか。
もっとも、戻るべきは、消費税以外の所得税なんかは廃止しようとした当時の総理のアイディアにだろうが…




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