ここんとこの垂直タブの流行に、久しぶりにあれこれのブラウザを試してみた。
その結果、僕史上初めて、Firefoxがメインブラウザの位置を勝ち取ることになった。
しかも、垂直タブを使わずにだ。
現在の環境
現在の僕の環境は、M4モデル発表直前に買ってしまったM3 MacBook Air。
そしてOSとブラウザは、それぞれ最新版にアップデートしている。
macOS Sequoia 15.6.1
Firefox 142.0.1
If you’ve ever had more tabs open than you can count, you know the struggle:
How Firefox’s vertical tabs came to life with a little help from our community
どうやら、Firefox 136あたりで、この垂直タブの機能は実装されているようだ。
だが、実際のところ、垂直タブの機能というのが、僕にはもひとつしっくりこない。
それは、Firefoxに限らず、他のブラウザにおいてもだ。
control + tab
そうして、いつものようにチャカチャカとキーボードショートカットをいじっていた。
あなたもご存知のように、control + tab のキーボードショートカットでブラウザのタブは簡単に移動できる。
しかし、Firefoxにおいては、シンプルにそうはならなかった。
変わって表示されたのは、この画面。
タブの一覧が表示され、表示しきれないものは、すべてのタブの一覧として表示される。
こんな機能があったなんてアナウンスされていたっけ?
この便利な機能を持ったブラウザは、他には存在しないはずだ。
これが可能なんだったら、あえて垂直タブを設定する必要もないよね。
フルスクリーン表示
僕はブラウザを表示するときは、フルスクリーンに設定することがほとんどだ。
13インチという、さして大きくないディスプレイを使っているというのも、理由のひとつだけれど、あんまりスクリーンをごちゃつかせたくないんだよね。
だから、表示領域を小さくできるといっても、垂直タブには多少の違和感を感じたのだ。
これまでSafariが不動のメインブラウザだった理由のひとつに、フルスクリーン時のツールバーの表示がある。
Safariでは、特別な設定をしなくても、フルスクリーン時にはツールバーが隠れてくれて、マウスオーバーすると、スルッと表示される。
Chromium系は、ツールバーは常時表示か、一切表示されないかの二択しかない。
以前は、Firefoxも、その二択状態だったと記憶している。
しかし、いつからか、FirefoxもSafariのようにマウスオーバー反応型になっている。
クリーンに使えて、カチャッとやればタブ一覧が表示されて簡単にアクセスできる。
こんな僕好みなもの、メインブラウザにしないわけにはいかないではないか。
僕に必要な拡張機能
長いことDay Oneのユーザーである僕にとって、その拡張機能がないことは、やっぱり欠点だった。
しかし、先日、ついにそれがリリースされた。

Day One 「ChromeとFirefox」ブラウザ拡張機能リリース | ALOG
これで最大の障壁が取り払われたことになる。
そして僕には必須のもうひとつの拡張機能がある。
それが、Tumblrだ。

こちらは逆に、Chrome ウェブストアから、いつの間にか姿を消してしまった。
これで、Tumblr純正の拡張機能が存在するのはFirefoxだけになってしまった。
拡張機能でもうひとつ触れておきたいのが、AdGuard。
当初、Firefoxの設定だけで、どこまで戦えるか試してみた。
ブラウザープライバシーを「厳格」に設定してみたのだ。
結果は、帯に長いし、タスキに短いという感じ。
ブロックして欲しいものは、すり抜けさせてしまい、表示して欲しいものは弾かれていた。
ここの塩梅だけでいえば、Braveを使うのが、一番何も考えずに済むはずだ。
で、現在の僕は、ブラウザープライバシーを「標準」に設定した上で、AdGuardをインストールするというカタチで落ち着いている。
これでTverやAmazonプライムにも戦えている。
リーダービューとスクリーンショットと翻訳
リーダービューは明らかにSafariよりも美しい。
command + option + Rのキーボードショートカットを押すだけで、今は亡きPocketの遺産とも言えるクリーンなリーダビューが、どんなサイトでもクリーンに表示してくれる。
以前から売りにしてきたスクリーンショット。
最近、この強さを実感している。
操作のシンプルさもあるけれど、何しろ強い。
他のブラウザでは太刀打ちできないところでも、スクショを撮ってくれる。
翻訳は普通にビルトインされていて、自然に簡単に利用することができる。
「ほぼ」である理由
僕の中で、完璧にメインブラウザにできない理由がある。
もちろん、FirefoxにもiOS版がある。
Mozilla アカウントを作成しておけば、同期も簡単だ。
しかし、iOS版には翻訳機能が備わっていない。
英語が不自由なくせに、やたらとあっちのサイトを見てしまう僕には、そこは心細いポイントだ。
しかも、もうNFLが開幕してしまう。
となると、iPhoneにおいては、まだSafariの翻訳機能に頼らなければならない。
さらに細かいことであるが、Tumblrにポストする際、Safari以外のブラウザでは日本語のタグ入力ができない。
本当にもう何年も放置されている問題で、きっともう誰も解決してくれないだろう…
その場面においては、やっぱりSafariの力を借りるしかない…
存続するFirefox
細かな障壁はあるけれど、Firefoxを、ほぼとはいえメインブラウザにできることは単純にうれしい。
僕が初めて触ったブラウザ、Netscape Navigatorの正当な後継者だからだ。

情報源: Netscape Navigator – Wikipedia
インターネットが、どうお金を生み出すかなんて、誰も思いつかず、ただただのんびりした自由さが広がっていた頃のニオイがする。
そうして彼らは、まだ、Billionaire-freeのまんまだ。

だが、その収益の85%はGoogleによりもたらされている。
まあ、Appleでさえ、Googleから年間3兆円もの金額を受け取っているのだから、それはきちんとしたビジネスのはずだ。
だから、Googleの独占禁止法違反の訴訟は、Firefoxの存続について大きな影響をもたらすことになる。
そして、皮肉にも、Chrome事業の売却は免れたことが、Firefoxの存続につながった。
Appleなどのデバイスメーカーに対し、自社の検索エンジンをデフォルトとして設定してもらうために多額の支払いを行う契約は引き続き認められました。メータ判事は、これらの支払いを禁止すると、AppleやMozillaのような他企業の多大な収益を奪い、「深刻な、場合によっては壊滅的な損害」を与えるリスクがあると結論付けています。
「GoogleはChromeを売却する必要がない」との判決、ただし自社サービスの独占契約は禁止&AI検索の未来を見据えて競合他社へのデータ共有を義務化へ – GIGAZINE
インターネットの世界でお金がどのように生まれ、巡っていくのか、情弱の僕にはよくわからない。
まして、AIというゲームチェンジャーが登場し始めた今、ネットとマネタイズの仕組みもまた大きく変わっていくのだろう。
Netscape Navigatorのアイコンを眺めるだけで、モデム音がフラッシュバックするような僕には、その先のことなど思い浮かぶはずもない。
ただ、今は、ニオイの残るFirefoxを、ようやくメインブラウザにできる喜びを噛み締めるだけだ…
