Netflixのガス人間、もう観たかった人たちは観ただろうか。
そろそろ、腹を割った、正直なレビューを書きたいと思う。
倣いに従いサザンオールスターズの歌詞を引用するならば、今なら話しても良かろという気分で…
ここから先はネタバレも含んだ僕の愚痴になるので、離脱するなら、ここがチャンスです。
リスナーさんのロールプレイ
結局のところ、それはガス人間ではなかった。
謎の隕石の謎の作用で誕生したのは、コマンドを送って操作できるヒトの形のガスに過ぎない。
UTAくんの好演による極上のミステリアス感で始まり、第4話の恐怖地帯からキャラクターも物語も厚みを増したことにより高まった僕の期待感は、終盤、佐野博士のように弾け飛んでしまった。
謎の隕石なのだから、どんな科学作用で、ヒトの形のガスを誕生させたのかの説明が省かれたのは、全くかまわない。
細かい辻褄合わせを望んでいるわけじゃない。
ただ…
ただ、ヒトの形のガスをシングルコマンドで操れるというのなら、冒頭の犯行声明とか、どうやって言わせたの?
甲野京子は、こういう声明を出しなさいと口伝えしたのだろうか?
それとも、カメラのこっち側にはプロンプターがあったの?
甲野京子の書いたスクリプトに基づいて…
さらに、文庫ラーメンでの、取材という名のやりとりは、事前にロールプレイでもしておかなければ、とてもじゃないが成立しない。
だってガスであって人間ではないのだ。
意思もなければ、アドリブもできない。
一言一句インストールしておく必要があるはずだ。
ガス人間のセリフ覚えはよかっただろうか?
何度かやりおなしをしたんだろうか?
甲野京子に、「違う!そのセリフは今じゃない!何度いえばわかるの」なんて怒られたりしてね。
「リスナーさん、願いをひとつ言ってください」
イノセントなガスは、うっかり呟いてしまったせいで、えらい目にあったんじゃないかと妄想する。
種明かしがあって以降、そんなことが気になって、急激にシラけてしまったんだよね。
日常会話のしっくりこない感
僕が乗り切れないところは、日常会話のシーンにもあった。
まだガスになってしまう前のレンおじさんの場面だ。
なんていうか、海外の作品で日本人を描くときに感じる、ちょっとした違和感。
そんな意味合いの言葉は言うけど、ちょっと言い回しが違うよねという違和感みたいなもの。
レンおじさんが登場しない場面でも、そんなことを感じられるシーンがあったから、UTAくんの問題ではなく、脚本とか演出とかが原因なんだと思う。
ジョン・ ウィック:パラベラムのゼロみたいに愛嬌で誤魔化すには、このミステリアスが売りの作品は辛いよね…
Clear and Present Danger
警察とヤクザと東京都知事とで、謎の隕石処理をやっていましたというホワイトセンター。
現代のいろんな闇が含まれているようで、単に匂わせで終わったなぁ…と言う感覚だ。
「無風」とは、組織ではなく、ただのバンドだったというのは意外だったけれど、それで深まる要素もなかった。
構成員は独特な武器を携帯していただけに、なんだろうと期待感を持った僕は、完全に肩透かしというか…
そういう社会の闇とかを材料にしようと思うんなら、うまく調理してくれないと本当に大失敗になる。
仮面ライダーBLACK SUNのリメイクが惨憺たるものになってしまったのを、皆さんも覚えておられるだろう。
これはちょっと余談になるけれど、こうして現代社会の闇を取り入れるとき、いっつも偏りがあるよなぁ…と僕は思う。
フィクションを遥かに上回る、ネタに困らない側の社会は、いっつもシカトされている。
よその国の人間を、いきなり施設に放り込んで、注文があれば、そこからフレッシュな臓器をAmazon並みのスピードで配送するサービスを開始する。
それは、ハラール・オーガンなんて1兆円にものぼる新規事業に成り上がった。
同じ宗教の同胞の虐待には目を瞑り、なんだったら、そのサービスも享受している信者にアラーはなんておっしゃるのだろう…
現代のClear and Present Dangerは、こっちだ。
だが、こっちの、中南海が仕切ってる方の闇には誰も触れない。
なぜなんだろう?
リチャード・ギアみたいに干されたくないから?
中南海の機嫌次第で作品が左右されてしまうことは、もっとも危機的な状況じゃないの?
それとも製作者が、冷静な社会の観察者ではなく、片翼だけのウィンガーなのだろうか。
子供を戦地に送らせない!なんて息巻いているくせに、修学旅行に来ただけの子供を殺すような、片翼だけのウィンガー。
こういう者たちの増殖と、どんどんアンタッチャブルになっていく中南海の状況って相関関係にあるのかね?
もう、こち亀のアニメは観る気にもならないし、ウルトラマンシリーズ60周年記念ドキュメンタリー映画も観る気がしない。

ウルトラマンシリーズ60周年記念ドキュメンタリー作品『THE ORIGIN OF ULTRAMAN』7月3日(金)公開決定 – ウルトラマン・円谷プロ公式
最後に東京都知事が電話する相手が北京語だったなら、リアリティーは増したのかもしれないね。
covid-19の名前を持つ、未知の武漢肺炎が直撃したとき、都民の安全を省みる前に、ありったけの防護服を中南海に差し出した知事は実在し、現在も公務についているのだから…
